1:侮れない、夏前の紫外線量
肌ダメージを受けるのは、かんかん照りの日差しが降り注ぐ真夏だけだと思っていませんか? じつは紫外線量は5月から増え始め、6月〜9月はほぼ同じ紫外線量が放たれています。梅雨時期である6月も、手を抜くことなくしっかりと対策を!
「冬の間は紫外線量が低いため、肌の抵抗力が弱くなり、4〜5月はダメージを受けやすいと言われています。北海道から沖縄まで地域によって紫外線量が異なるため的確な時期は断言できませんが、桜が咲き始める頃には日焼け対策を始めるべきですね。
紫外線を浴びすぎることで肌の老化スピードを速めるだけでなく、皮膚ガンを引き起こす要因にもなります。また、白内障や翼状片(よくじょうへん)といった目の病気も紫外線の影響が大きいことが判明しています」
油断してうっかり日焼けしてしまわないよう、日焼け止めを日課にしましょう。外回りの多い日などは紫外線カット効果のあるサングラスやメガネが必須。
2:毎日使う日焼け止めは肌に優しいものを
日傘や手袋なども紫外線対策に有効なアイテムですが、着用が面倒で置き忘れもしがち。スキンケアのように使える日焼け止めが最も手軽で忘れにくい方法ではないでしょうか。
毎日肌に直接塗るアイテムなので、成分表をチェックして肌質に合ったアイテムを選びましょう。数値が高い日焼け止めを一度塗るよりも、数値が低くても3〜4時間おきに塗り足して重ねていく方が高い効果を得られます。ファンデーションにSPFが配合されている場合も、数値の低い日焼け止めのダブル効果で、出勤程度の外出ならバッチリ!
筆者は子ども用の優しい日焼け止めを使って、肌の負担にならないよう心がけています。
3:適度な日光浴は必要
美容にも健康にも紫外線は悪というイメージが強いですが、実は人間の体に良い影響も与えてくれるのだそう。
「紫外線を浴びることで体内にビタミンDが生成されます。ビタミンDはカルシウムの吸収が上げて歯や骨を強化したり、免疫力向上、呼吸器感染症の予防に役立つ成分。
また、最近ではうつ病の治療に適度な日光浴を推奨しています。神経伝達物質のひとつであるセロトニンが、紫外線によって体内で分泌されるため、神経を安定させストレス発散に繋がると考えられているから。“天気が良いと気持ち良い”と感じるのも、セロトニン分泌のおかげです」
普段オフィスにこもりっぱなしの働き女子は、週末10〜15分程度の日光浴で太陽の恩恵を受けてみては?
以上、医師に聞いた夏前から始めるべき紫外線対策でしたが、いかがでしょうか?
BBQやキャンプ、海水浴など野外で一日を過ごす日は入念な対策を! 今から9月頃までは日々の紫外線対策を心がけ、「うっかり焼けてしまった!」ということのないようにしたいものです。今年は日焼けダメージを蓄積しない夏を過ごせるようにしてくださいね。
【取材協力】
※ 井上 浩夫(いのうえ ひろお)・・・兵庫医科大学卒業。内科医を勤めた後、国境なき医師団の一員として海外へ渡る。50代で大阪府にある医療法人の理事長に就任。80歳になる今も現役で働きながら、精力的に医療系のボランティア活動に参加している。
2017/4/23 BizLady掲載
執筆/井上エリ