高橋さんいわく、大掃除を軽やかに楽しく進める秘訣は、
(1)やりたい時にやる
(2)やりたい所だけやる
(3)輝いている所だけやる
という、3つ!
えっ……これだけでよいのでしょうか!? さっそくそれぞれの項目について詳しく解説していただきましょう。
大掃除は12月上旬と1月中旬に分散すべし
—(1)やりたい時にやる、ですが、そもそも大掃除はいつから始めればよいのでしょうか?
「年末になるほど予定が立て込んでくるので、本当は12月の1週目までに行うのが理想。でもそれって忙しい女性にとっては、かなり難しいこと。だったらいっそのこと、前半は12月上旬にできるところまで行って、クリスマスやお正月を思いっきり過ごして、後半は世間が穏やかになってきた1月中旬から再開。大掃除を分散しちゃいましょう!」
―ついつい焦ってしまいそうですが……。
「女性は真面目で、何でも完璧に行おうと思うから、大掃除も辛いものになりがち。でも、そのようにきちんと計画をしておけば、焦燥感や罪悪感を抑えられます。
“3週間に分けて、少しずつ家がキレイになっていけばいいや”くらいの気持ちで始めれば、どんなにさぼっても2月には終わるはず。そうすると、3月から始まる新生活をキレイな住まいとスッキリした気持ちで迎えられますよ。
昔は1年頑張って働く夫を労うために、妻は家を掃除して、気持ちよく新年を迎えてもらおうという想いが大掃除にはありました。でも、今の時代、24時間365日社会は動いていて、女性だって休みなく働いている。
だから、私はその人の生活スタイルに合わせて柔軟に、“春の大掃除”があってもいいし、“梅雨の大掃除”があってもいいと思うんです」
全部を自分でやろうとしない!
—次に(2)やりたい所だけやる、という提案ですが、果たしてそれって可能なのでしょうか? 苦手な所は一体どうすればよいのでしょうか?
「掃除をしなくちゃいけないと“気になっている所”って、たとえば、水回りや換気扇、エアコンなどですよね。それって実は、みなさんが掃除するのが苦手な場所なんです。気になっていても面倒くさいからやらないで、どんどん汚れてしまう場所。
そういった場所は、潔くアウトソーシングしてみるのも手。その代わり、“やりたい所”は自分でやる。下駄箱周辺やクローゼット、化粧品や小物回りなど、自分にしかできない所をしっかりやればいいんです。
たとえば、プロに任せる日を“大掃除デー”にして、自分もやりたい所を一緒にお掃除しちゃう。そうすると、プロの手でレンジフードやお風呂、エアコンなど気になっていた所はピカピカに。
自分が担当した下駄箱や小物回りもスッキリ整理されて、一気に家の中が片付きます。ちゃんと“自分も参加している”というのがポイントで、満足感と達成感はかなり高いはず!」
―確かに、ちゃんと自分も参加すればいいんですね!
「真面目な人ほど、家事も仕事も自分一人で何でも抱え込んで頑張り過ぎてしまうけど、苦手な所は誰かに任せてもいいんじゃないかなって私は思います。お金は少しかかるけど、それ以上の精神的安定や穏やかさ、肉体的なゆとりなど、お金で買えない価値がある。時には、プロに任せてみるのも賢い女性の生き方だと思います」
部屋が「明るくきれいに見えるマジック」を使う
—最後は、(3)輝いている所だけやる。この輝いているところというのは?
「本来輝いている所を輝かせるんです。実は“見せかたマジック”で、これだけで部屋が広く、明るく、キュッと引き締まってキレイに見えたりするんですね。たとえばキッチン。油でベトベトの壁を3〜4時間かけて一生懸命必死に磨いても、シンクの蛇口が汚れていたら、家族は“汚いキッチン”だと感じてしまいます。
ところが、蛇口がピカピカだと、実際は壁がベタベタでも、“キレイにしてるね!”という印象を与えます。トイレなら水受け部分の蛇口が輝いているだけで、“うちのトイレってキレイだな”って。家族も気付きやすいのでやりがいもありますよね。
磨くのは、ステンレス、鏡、ガラスなど。各部屋に必ず輝かせるパーツはあるはず。窓がピカピカなら、お正月の空が美しく見えて、清々しい気持ちで新年を迎えられます。それだけで達成感がありますし、自分のことも満足させてあげられますよ」
高橋さん流の掃除哲学、いかがでしたか? これなら苦手な大掃除もなんだか楽しくなりそう。忙しい女性も、新しい年をスッキリ気持ちよく迎えられそうですね。普段の掃除にも活用できるので、早速、試してみてくださいね!
取材・文/kufura編集部