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生理不順に不妊…鍼灸師に聞いた「鍼灸治療」で現代女性の悩みにせまる

このところ、なんか調子悪いかも……。そういえば生理不順だし、なかなか妊娠もしない……、そろそろ病院に行ってみようかな?と悩む方もいらっしゃるかもしれません。そんな『kufura』世代にも多い“女性の身体の悩み”に応えているのではと、注目を集めているのが、鍼灸治療です。そこで今回は、東京・新橋で鍼灸院を20年近く営む迎春堂鍼灸治療院の副院長・小川恵先生に、女性特有の体質の悩みや不妊についてお話をうかがいました。

あなたは大丈夫? とにかく“冷えている”現代女性のカラダ

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「現代女性の身体はとにかく冷えている」という小川さん。身体が冷えると全身の血行が悪くなり、中医学でいう瘀血(おけつ)の状態を作り出す可能性があるそうです。

そうすると、体の隅々まで血液を届けることができなくなり、酸素や栄養素が細胞に届かなくなります。さらに内臓まで冷えると卵巣や子宮といった妊娠に大事な臓器に影響が及ぶことにもつながり、それが生理痛や、ひどくなると子宮内膜症や子宮筋腫を招くことにもなるそうです。

また、女性は7の倍数で体に変化があり、35歳くらいから徐々に体を温める“腎”が衰え始めるとのこと。自分は冷え性ではないと思っていても、じつは冷えている……という事例がとても多いそう。

とくに冬の季節の薄着は身体を冷やし、血の巡りを悪くするので、暖かい服装を心がけ、温かいものを食べ、お風呂にゆっくり浸かるなど、冷やさないことが大事だそうです。

筆者も極度の冷え性。モコモコ靴下や腹巻きは必須アイテムとして愛用していますが、そういえば生理痛が少し軽くなったかも!?と感じています。

やっぱりできない……私って“不妊”なのかな……?

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子どもを望んでいるものの、なかなか妊娠しない……。やっぱり私って不妊症なのかな……?

あるいは、妊活を本格的にはじめたけど“効果が出ない”と悩まれている方もいるかもしれません。

不妊の要因は様々という小川さんですが、「現代人がかかえているストレスや不規則な食事は絶対によくないので早めに体質改善をしてほしい」とのこと。

それでもやっぱり体質が改善しないという方は、ホルモンのバランスが関係しているのかもしれません。妊娠にとって重要なホルモンは「成長ホルモン」と「性腺刺激ホルモン」だそうです。

「成長ホルモン」は、卵子や精子など妊娠にとって大切な細胞の増殖、成長促進にも深く関わっていて、「性腺刺激ホルモン」のうち、「卵胞刺激ホルモン」は卵胞の成熟と卵胞ホルモンの分泌を促し、「黄体形成ホルモン」は排卵後の黄体形成を促す作用があるため、ともに妊娠にとって重要な働きをします。

しかしながら、このバランスを自ら整えるのはなかなか難しく、鍼治療で効果を得る方法が効果的と小川さんは言います。

鍼治療最前線! 不妊鍼っていったいどんなの?

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中医学には長い歴史と経験があり、鍼灸による不妊治療はとても有効な治療法だそうです。

迎春堂鍼灸治療院では、鍼灸や漢方薬温熱灸、経絡マッサージなど、数々の伝統療法を組み合わせた独自の技術で不妊治療の効果を挙げている実績があり、20代〜40代後半までの女性が通ってきているとのこと。

具体的な治療法は、経絡上にある有効なツボに鍼や灸を施し、経絡を流れる気・血・水の流れを改善します。頭から足までのマッサージや、下腹部には漢方ホットパック使っての温め、吸い玉、カッサは、血流をよくし、固くなった子宮の筋肉を緩めてくれる働きがあります。

自己治癒力をアップさせ、心身の働きや子宮・卵巣の機能を高めることで、排卵障害や冷え性、不眠、自律神経失調、不妊を伴うストレスなどを解決、高齢不妊の体内からの若返り、卵子空胞の対策など、着床しやすい身体作りへと導くとのことです。

 

以上、女性特有の体質の悩みや不妊についてでしたが、いかがでしょうか?

女性の身体の悩みに直面している方、不妊に悩んでいる方、鍼治療も選択肢のひとつかもしれませんね。

 

【取材協力】

※ 小川恵さん……中医師、鍼灸師、あん摩・マッサージ・指圧師で、東京・新橋にある迎春堂鍼灸治療院の副院長。1978年中国吉林大学医学部卒業。卒業後、基礎医学の研究に携わる。不妊と婦人科疾患や自律神経調整関連の研究に関し、数々の論文を執筆。その後、日本で鍼灸師、あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格を取得。不妊、自律神経調整関連で長年の実績がある。

2017/2/21 BizLady掲載

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