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そのプレゼン資料、見やすいですか?覚えておきたい資料作成のコツを伝授【届く、響く! プレゼンのお作法】vol.5

プレゼンや発表会のメインはあくまでも“話”であり、資料は内容をより理解してもらうためのサポートツール。とはいえ、分かりやすくプレゼンテーションするための大切な要素のひとつです。ひとりよがりに作成してしまうと、聞き手にとって「見えづらく」、かえって「分かりにくい」資料になりかねません。

今回は「プレゼンの資料作成で忘れてはいけないこと」について、チームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに教えていただきます。

クイズ! 資料を作るときにやってはいけないことは…?

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突然ですが、ここで質問です。

Q:プレゼンや発表会用の資料を作るうえで、誤っているものは以下のうちどれでしょう?

a.重要なキーワードを目立たせる

b.伝えたいことをすべて書く

c.全体的にできるだけシンプルにまとめる

ズバリ、正解は……

A.「b.伝えたいことをすべて書く」です。

伝えたいことが全部書いてあれば、あとで資料を読んでプレゼン内容を思い出し確認することができそうですが……。理由は後ほどご説明しましょう。

資料は台本にあらず!「聞き手になったつもりで工夫」して

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セミナーや発表会などプレゼンの場で、たまに見かけることがありませんか? 文字がぎっしり詰まった見づらい資料。話したいこと、伝えたいことをすべて反映した結果なのかもしれませんが、プレゼンや発表会はただ資料を読む場ではありません。

資料やスライドは台本ではなく、あくまでも話すときの“サポートツール”。聞き手がストレスなく、口頭での説明とあわせて内容をすっと理解できることが大前提です。

では、分かりやすい資料とはどんなものなのでしょうか。

「文字の大きさや配置が読みやすい」「全体の流れが分かりやすい」「どこから読めばいいのか一目瞭然」「色やデザインに違和感がない」など、自分が聞き手になったときを考えてみるといいでしょう。

口頭での説明の補足・裏付け、内容をより理解するためのデータ、簡潔ににまとめたプレゼンの流れやポイントなど、できるだけシンプルに、ストレスを感じずに内容そのものを頭に入りやすく工夫することが大切です。

ビジュアルで変化を!重要キーワードを覚えてもらう工夫

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もちろん、話し手側として聞き手に理解してほしいことや覚えていってほしいことなども戦略的に盛り込まなければなりません。重要なキーワードは、視覚的にも印象に残るように入れ込む工夫が必要です。

具体的には、例えば以下のようなことですね。

文字

大きくする、太字にする、フォントを変える、赤などの目立つ色にする

図や画像など

説得力を増すための画像、データ、イラスト、写真などを入れる

動画

関連動画、YouTubeを見せる

ちなみに私のこれまでの経験からは、覚えてもらいたいキーワードに関する動画を見せると聞き手の印象に残りやすくなるようです。プレゼンにメリハリがつき、構成に変化をつけられるので、飽きさせない工夫にもなりますね。

「自己紹介ページ」も必須!プレゼンする自分の権威付けを

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「自己顕示欲が強いと思われたくない」などと、プレゼンや発表会の資料で二の次にしてしまう人も多い“自己紹介ページ”。でも実は、話を伝えやすくする上で重要なコンテンツなのです。

日本に限ったことなのかもしれませんが、私の経験上、基本的に人は“壇上に立っている人”のそこに立つ意義に納得できないと、信用できずに話に耳を傾けなくなる傾向にあります。

例えば、育児関係のプレゼンならば「育児用品の開発担当で、私自身も3歳の娘のママです」、新商品発表会ならば「広報部マネージャーです」など、自分の肩書きやプレゼンをする納得材料を資料に盛り込み、自分が話す意義、そして“聞き手とは明らかに違う”という差別化を図るといいでしょう。

 

いかがでしたか? 基本的なことですが、もちろん人名・商品名・会社名などの名称やデータの数字を間違えないように気をつけましょう。そういったケアレスミスを防ぐためにも、プレゼンや発表会の資料を作成したら、まずは上司や同僚など第三者に確認してもらうことをオススメします。

次回は「プレゼン資料を作成するポイント」についてご説明しますね。


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

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