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早めorゆっくり話す…どっちが効果的!? 「中人数会議」で覚えておくこと【踊らず進む!会議のお作法】vol.14

会議は、参加人数によっても気をつけなければならない点が変わります。【踊らず進む!会議のお作法】は今回から6~10人程度の「中人数会議編」に突入!

vol.14は中人数会議を実施するにあたって「忘れてはいけないこと」をチームビルディング・コンサルタントの尾方僚さんに教えていただきました。

クイズ!「中人数の会議で適切な話し方」はどっち?

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突然ですが、質問です。

Q.9人が参加する中人数の会議で、あなたが発表することになりました。話し方として適切なのはどちらでしょうか?

a.時間をかけすぎないために、少し早いテンポで話す

b.全員に伝わりやすいように、ゆっくりめに話す

……答えはズバリ、

A. 「b.全員に伝わりやすいように、ゆっくりめに話す」です。

会議では、自分に与えられた役割を全うすることが大事。発表者は時間を気にするより、伝えることのほうが大切ということですね。

もう一度おさらい!「会議で忘れてはいけない基本」3つ

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まずは、初回「脱ストレス会議!プロが伝授“決して忘れてはいけないこと”」でもお伝えした “会議で忘れてはいけないこと”について再度おさらいしてみましょう。

人数を問わない“生産性の高い会議をするための基本”です。

(1)「なぜ会議が行われるのか」を明確に共有する

会議の目的は実にさまざまで、会社や職種によっても変わってくるものですが、大体は「物事を決めるため」の会議、「情報共有をするため」の会議、「アイデアを出し合うため」の会議の3種類に分けられます。

会議の主催者(司会者を兼ねることが多い)は、「どんな目的で行うのか」「ゴール設定をどこにするか」を明確にし、参加者に共有しましょう。

(2)「なぜ自分が参加する」のかを認識する

意外と多いのが、呼ばれるがまま、ただそこに同席しているだけの参加者。会議に招集されるということは、何らかの目的があるはずです。

主催者から、発表者や書記など特別な役割に任命されなかった場合は、自分が何について発言すればいいのか、するべきなのか、自らの役割や立場を事前に聞いたり、自分なりに解釈するなどして会議にのぞみましょう。

(3)「発言をしない」ことは最大の罪…何かしら「発言する」

会議中に参加者全員が心得ておくべきことは、“必ず何らかの発言をする”こと。仕事の知的生産性を上げるための会議で、発言しないことは“仕事をしていないこと”と同じ。

主題からそれてしまうような見当違いの発言に気をつけて、自分の意見を述べましょう。タイミングを逃したら、途中や最後のまとめの時間に言ったり、質疑応答の際に「質問ではないのですが、私の意見は~」とひと言付け加えて発言してもOKです。

役割別! 中人数会議だからこそ「忘れてはいけないこと」

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参加人数が多くなればなるほど、事前準備はもちろん、当日に気をつけるべき点が増えたり変わったりします。vol.3~9でお伝えした各担当の仕事を前提として、さらに中人数会議で留意することについて、参加者の役割ごとに見ていきましょう!

(1)司会(主催者が兼ねることが多い)

会議をつかさどり、目的を果たすためゴールに向かって進行するのが司会者の役割。“船長”として、会議が漂流したり目的を見失ったりしないように全体の舵取りを行います。

・席順

まず、気をつけたいのが席順です。参加人数が多い場合は、集合したときに席順が決まっていたほうがスムーズ。参加者、とくに役職者にどこに座ってもらうと適当かを考えておきましょう。

席順の社内ルールが決められている会社もあるので、確認してあらかじめ決めておくといいでしょう。

・タイムマネージメント

タイムマネージメントについても十分に配慮しましょう。人数が増えれば、交し合う意見の数も増える可能性大。議論が白熱して長引いてしまいそうなときは、一旦“中まとめ”をしてから次の議題に移る、など臨機応変に対応してください。

あらかじめアジェンダ(会議の議題・課題・予定表などを明記したもの)にタイムスケジュールを書いておいてもいいでしょう。

その他、基本的な“司会者の役割”については、vol.3を参照してください。

(2)発表者

会議の目的に応じて、議題を協議・決定するために必要なことや、共有事項を発表するのが発表者です。

・自己紹介

まずは「○○部の○○です」と自己紹介。社内会議であっても、人数が増えて他部署の人がいる場合に、自分が何者なのかをあらかじめ伝えることは非常に大切です。
そして、自分が発表する・話すことになった経緯について伝え、テーマへと移ります。

・話し方

より大勢の人に伝えるためには、少人数のときとは話し方を変える必要があります。
中人数でマイクを使用することはないと思いますので、できるだけゆっくりめに、そしてはっきり声を張るようにして話しましょう。

基本的な“発表者の役割”については、vol.4を参照してください。

(3)書記

会議終了後、主催者や司会者と構成・記録内容を確認した上で“議事録”としてまとめ、参加者に配布するのが書記の仕事です。

・書き取り方

会議中はアジェンダに沿って進行状況や決定事項について記録していきますが、人数が多くなると、発言数も増えて細かいところまで書き留めることが難しくなると思います。
そうした場合、トピックを中心にメモを取り、流れを正確に把握していくことを心がけましょう。

基本的な“書記の役割”については、vol.5vol.7を参照してください。

(4)雑務

人数の増加とともに仕事が増えていくのが雑務の仕事です。

・資料作成、セッティング

参加者を席へ誘導・資料の配布・飲み物の用意など当日の運営まわりはもちろん、人数分の資料の用意、プロジェクターやPCなどの必要機材を会議室で使用できるように整えるなど、事前準備と終了後の片付けを行います。会議中に雑務が必要になった場合も対応します。

何人の会議でも同じですが、滞ったり間違えたりすると進行に支障をきたす原因になりかねないので、人数が増える分、さらに入念にチェックして未然にミスを防ぎましょう。

時間のロスは、参加者の時間を奪うことに。次の予定があって途中退場しなくてはならない人が出る可能性もあるので、十分に気をつけましょう。

基本的な“雑務の役割”については、vol.6を参照してください。

 

いかがでしたか? 人数が多くなればなるほど、当日の運営は煩雑になるもの。それぞれがより綿密な準備をしてのぞむことが大切です。参加者全員で、“知的生産性を上げる”会議にしていきたいですね!

 


 

【取材協力・監修】

チームビルディング・コンサルタント

尾方僚(おがたりょう)

大手就職情報会社に9年間勤務した後、コンサルタントとして独立。大学や企業人事担当者向けの講演を数多く行い、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。現在、日本女子大学リカレント教育課程 講師、日本工業大学、デジタルハリウッド大学の非常勤講師としてキャリア系科目を担当。著書は『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)、『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニュケーションズ)など多数。

【参考】

尾方僚(2011)『プレゼン以前の発表の技術』(すばる舎)

尾方僚(2007)『100人の前でもキチッと話せる本』(インデックスコミュニケーションズ)

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