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経営者が「社員と心を合わせるため」のとっておき施策とは|キャスリーン・タンさん(エクスペディア アジア地域CEO)

『BizLady』では、各界で輝かしく活躍している女性のみなさんに、ゲストライターとして寄稿いただいています。今回のゲストライターは、エアアジアをアジア最大級の航空会社に成長させるなどの功績により、“旅行業界で最も影響力のある女性リーダートップ10”にも選ばれた、エクスペディア アジア地域CEOのキャスリーン・タンさんです。(編集部)

SNSで社員とつながり“お手本”を示すこと

今回は、社員とのコミュニケーションについて、私が日々行っていることをお話しましょう。

FacebookやTwitterなど、私はSNSをよく使っていますが、じつは多くの社員ともSNSでつながっています。そのため、私のアカウントで私が投稿することは、社員全員のお手本にならなければいけないと、常に思っています。

上に立つ自分が、まず“ブランド・アンバサダー”として見本になることで、部下のモチベーションアップにもつながると考えています。

私自身も、ブランドイメージを浸透させることを目的として、パブリックな場ではExpediaブランドカラーの黄色を中心としたファッションを心掛けています。

女性社員との接し方の極意は“気づくこと”

部下との接し方で大事なのは、どんな人に対しても、その人に合った適切な態度で接することだと思っています。

例えば女性は男性以上に直感的で、人の心を読み取ることができ、他人の反応に対して敏感です。そのような特徴をしっかりと把握することで、それぞれに合った接し方ができるようになります。

また、とくに女性社員への接し方として心掛けている点は、まず“気づいてあげること”です。女性の問題は、なかなか会社では言いにくい事も多いので、まずこちらから声をかけるようにしています。産休など女性特有のお休みを取りやすい環境作りについても、積極的に取り組んできました。

社員との距離を縮める“トーク”の効用

さらに、社員とのコミュニケーションの一環として、私は各国のオフィスで“Kat Talk(キャットーク)”という話し合いの場を設けてきました。そこで、私自身のキャリアや、私の信念である“Unconventional Wisdom(=常識にとらわれない生き方)”について、定期的に社員と話し合うようにしています。

CEOという立場だと、どうしても社員からは遠い存在に見られてしまいがちです。でも私も皆と同様、一企業の一社員というところからキャリアを築き上げてきました。そして、一社員からCEOというポジションになる過程の中で、人より多くの経験や気づきを得ることができました。

これらの経験や教訓を、私の部下たちにも共有することによって、皆の視野を広げ、新しい道への一歩を踏み出す一助になりたいと思っています。そしてまた、私がかつて皆と同じスタートラインに立っていたことを知ることで、より私自身を身近に感じてもらいたいのです。

“Kat Talk”の中で、男女問わず様々な社員から質問や相談を受けますが、そこでのコミュニケーションは、私にとって、とても大切な時間となっています。

【著者】キャスリーン・タン(Kathleen Tan)

エクスペディア アジア地域CEO。ワーナーミュージック シンガポール常務取締役、エアアジアグループ ヘッド・オブ・コマーシャルを経て、2013年2月より、世界最大の総合オンライン旅行会社エクスペディアの、エクスペディア アジア地域(本社:シンガポール)CEOとして、シンガポールを拠点に、アジア地域におけるエクスペディアブランドの発展及び運営の指揮をとっている。

過去には、トニー・フェルナンデス氏とともにエアアジアをアジア最大級の航空会社に成長させるなどの功績により、Web in Travelが発表した“旅行業界で最も影響力のある女性リーダートップ10”ならびに“マーケター・オブ・ザ・イヤー”に選ばれた他、2014年にも再びWeb In Travelを受賞するなどの活躍から、中国最大の検索エンジン『Baidu』では“航空業界の伝説的人物”と紹介されている。

※ 翻訳協力:エクスペディアジャパン

2015/5/28 BizLady掲載

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