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若いうちだからできる!自分のキャパをグンと広げる10,000時間の●●とは|山口真由さん(弁護士)

前回に引き続き、東大法学部在学中に司法試験に合格し、卒業後に財務省を経て法律事務所に就職、最近ではテレビなど多方面でも活躍中の弁護士・山口真由さん。

大学を卒業して入省した財務省でしたが、次第に「私がいるべきところは、ここじゃない」という思いが無視できなくなり、結局2年で去ることになりました。その後、私は司法修習生として企業法務専門の法律事務所に就職することになりました。

職場は大きく変わりましたが、仕事の基本は意外なほど同じなんだと気が付きました。

割り振られた仕事を締切日までに仕上げること。丁寧に書類を読むこと。方針を決めて、上司に相談し、ブラッシュアップして固めること……。

そういった仕事の基本は、財務省でも弁護士事務所でも、まったく同じだったのです。

そんななかで、自分にとって“優位性”の高い仕事と働き方を選んでいくことが、パフォーマンスを最大化させるには大事なことだと気がつくようになりました。勉強にしろ仕事にしろ、自分が得意とするサイクルに引き込んでこそ、安心して実力を発揮できるはずなのです。

ときにはガムシャラにガンバってみよう!

“1万時間の法則”というのをご存知でしょうか?

スポーツでも、芸能でも、他のどんなジャンルでも、およそ1万時間のトレーニングを積めば、その分野で一流になれるという法則です。

1万時間に達するには、一日平均10時間で、およそ1,000日が必要となります。1,000日といえば、毎日続けたとして約3年。昔から“石の上にも3年”という言葉がありますが、じつは理にかなったことなのですね。

勉強でもビジネスでも、物事を成し遂げられるかどうかは、生まれつきの才能というより、その後の努力をいかに地道に続けていけるかどうかにかかっています。

だからこそ、多少の無理をしてでも、自分のキャパシティーを広げる時期というものが、人生のどこかで必要になると思うのです。

ワークライフバランスももちろん大事なことですが、あまり若いうちからバランスを気にしすぎるのは疑問です。できれば気力も体力も充実している若いうちにこそ、できるだけ時間をついやして、がむしゃらに自分のキャパシティーをひろげておくこと。そうすれば、きっとその後の人生の可能性がグンとひろがるはずです。

もちろん30~40代でも、時間はまだまだあります! 自己の価値を向上させ、強い自信を持つためにも、10,000時間のガンバリを。その先にこそ、きっと楽しい時間が待っているのです。

さあ、あなたなら何をガンバってみたいですか?

【筆者】​​山口真由(やまぐち・まゆ)

1983年、札幌市生まれ。筑波大学附属高校進学を機に親元を離れ上京。2002年、東京大学入学。3年生時に司法試験、4年生時に国家公務員Ⅰ種に合格。成績は“オール優”で06年3月に法学部を首席で卒業。同年4月、財務省に入省し、おもに租税政策に従事する。08年退官、09年弁護士登録。15年8月からハーバード大学ロースクールに留学。著書に『東大首席弁護士が教える超速“7回読み”勉強法』、『東大首席弁護士が挫折を繰り返して見つけた努力が99%報われる25のヒント』などがある。

2015/7/30 BizLady掲載

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