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ビジネスの基本「ホウレンソウ」を今こそおさらい!やりがちなNG例は?【「なんだか品がいい」と言われる女性のビジネスマナー#15】

同じ部署の社員が仕事を分担しながら働く職場では「ホウレンソウが大切」と言われています。今回は、社内コミュニケーションの基本である“ホウ・レン・ソウ”の目的や注意点についてお届けします。

解説頂いたのは、『働き方のセブンマナー』(講談社)、『新しいビジネスマナーの基本』(高橋書店)などの著書を持ち、ライフスタイリストとして多方面で活躍されている北條久美子さんです。

「ホウレンソウ」の意味や目的は?

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仕事を進めていくうえで欠かすことのできない報告・連絡・相談。ビジネスシーンでは、“ホウ・レン・ソウ”と呼ばれています。

この3つにはそれぞれ特性があります。

ホウ(報告)・・・指示を受けたことに対する報告。経過や結果、進捗状況やトラブルの報告など。

レン(連絡)・・・電話の伝言やアポの日程などの業務連絡。

ソウ(相談)・・・起きていること(事実)に自分の意見を交え、具体的な質問を交えた相談。

社内コミュニケーションのほとんどは、報告・連絡・相談で成り立っています。

続いて、報告・連絡・相談のそれぞれのポイントを解説していきます。

「報告」の注意点・ポイント

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上司や先輩への“報告”は、指示を受けて着手していた業務の進捗状況や完了したことの報告、自発的な報告の2つがあります。

報告の際には、まず結論を伝え、次に理由を。

中には、クレームやトラブル発生など、悪い報告をしなければいけない場面もあります。

その場合はまず「残念な報告がございます」と結論を伝えてから報告をスタートするようにします。相手が知りたいことを順序だてて話すように意識しましょう。

「連絡」の注意点・ポイント

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“連絡”のポイントは、事実をありのままに伝えるということ。

例えば、いつも明るい声で電話をかけてくる取引先の担当者の声色がいつもと違ったと仮定します。電話がかかってきた旨を連絡する際に「いつもと声が違いました」は事実。一方で「怒っているようでした」は憶測です。連絡を受ける相手にとって必要なのは、事実のほうです。

“報告”の際には事実をありのままに伝えることを心がけ、憶測や主観は入れず手短に伝えるように意識します。

「相談」の注意点・ポイント

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“ホウ・レン・ソウ”の中で最も難しいのが相談です。

報告と連絡に関しては、部内でオープンな関係を築けていて、しっかりとした情報共有の体制ができていれば、会議や打ち合わせのようなあらたまった場面を設けなくても仕事はまわっていくでしょう。

一方で、わからないこと、確認したいことがあるのに相談抜きで仕事を進めてしまっては、後々大きな問題につながることもあります。

円滑に仕事を進めるために相談が重要な役割を果たしていることを意識しておきましょう。

相談は、今起きていること、自分の意見、具体的な質問の順番で進めます。

しばしば、相談と質問を混同している場面が見受けられますが、自分で考えることをせずに質問だけするのはNGです。状況を整理し、順序だてて話せるようにしてから「少しお時間よろしいでしょうか」と確認をとったうえで相談をしましょう。

「相手の仕事の時間に割り込んでいる」ということを踏まえたうえで、現状を整理してから相談することを心がけます。

結婚、妊娠、子育て…プライベートな「ホウレンソウ」はどこまでしたらいい?

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職場と私生活は完全に切り離すことはできません。『kufura』読者の皆さんは、職場でプライベートな“ホウ・レン・ソウ”を必要とする場面も訪れるでしょう。

それぞれのポイントをおさえておきましょう。

・結婚の“報告”

結婚を機に苗字や住所が変わることで、社内で諸手続きが発生することもあります。まずは、直属の上司に報告し、同じタイミングで人事担当者にも報告します。上司や同僚を結婚式に招待をしたいと考えている場合には、早めに報告を。

・妊娠の“報告”と“相談

妊娠期の体調は個人差が大きく、初期の報告は避けたいと考える方は少なくありません。とはいえ、体調不良が続いたり、妊婦に適していない業務を担っているケースもあるため、できるだけ早く直属の上司に報告します。「安定期に入るまではまだ公にはできないのですが」と伝え、今後の業務についての相談が必要なケースもあります。

・子どもの体調不良の“連絡”“相談”

子供の体調不良で仕事を休む場合には、社内のルールに沿って電話やメールで早めに連絡を。感染症などの場合には数日間休まなければならないケースもあります。そのような場合は会社に報告し、抱えている業務をどのように進めていくかの相談が必要になるでしょう。

以上、今回は北條久美子さんに“ホウ・レン・ソウ”の基本について解説いただきました。

2020年は“在宅ワーク”の広がりによって、プライベートと仕事のボーダーラインがあいまいになっています。働き方が変わる中で、報告・連絡・相談のやり方に変化のあった企業も多いのではないでしょうか。

これまでのやり方を基礎として、円滑に業務がまわっていく方法を探っていく必要がありそうです。


 

【取材協力】

北條 久美子

東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行い、顧問として企業の人材育成や教育体系の構築にも携わる。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。

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