正解は…アーチ干し!風の通り道を作ると早く乾く!
nullそれでは、それぞれの干し方を大貫さんに解説してもらいましょう。
「アーチ干しは、洗濯物の水分が蒸発しやすくなっていることが、早く乾く最大のポイント。外側に面積の大きい長めの洗濯物、内側に短めの洗濯物を干して、アーチ型にすることで、中が空洞になり風が通りやすくなります。そのため、乾きにくい内側の衣類も早く乾かすことができるんです」(以下「」内、大貫さん)
ちなみに、外側は風に触れる面積が大きいので、乾きにくい綿の衣類やバスタオルを。逆に内側は密集して乾きにくいので、乾きやすい素材のポリエステルの衣類などを干すといいそうですよ。
V字干しは乾きにくい大きめの洗濯物が内側に入ってしまっており、長短干しは長い洗濯物と短い洗濯物を交互に干すので風の通り道を作りにくくなります。
ライオンの実験によると、アーチ干しは約4時間で乾くそう。5時間以内に乾かすと、部屋干し臭を防げるというデータもあるそうです。
※乾燥条件や衣類によって、乾燥するまでの時間が異なります。
扇風機を使うなら、どこに置くのがいい?
nullさらに、早く乾かすのに重要な役割を果たしている「風」に注目。風を味方につけるべく、扇風機を併用するとグンと乾かす時間を短縮できるんです。でもその際は、扇風機の置き場所が大切。
「濡れた衣類は上から下に向かって乾いていくので、乾くのが遅い下側に向かって、扇風機の風を当てると早く乾きます。小型のサーキュレーターを使う場合は、洗濯物の真下に置くといいですね」
また、ついついやりがちですが、「カーテンレールに洗濯物をかけるのはNG!」と、大貫さん。
「洗濯物にカーテンの汚れが付いたり、壁際は風通りも悪いのでなかなか乾きません。たとえば、鴨居などにかけるなど、できるだけ風通しの良い部屋の中央に干した方が断然早く乾きますよ」
最後に、大貫さんが唱える部屋干し4か条はこちら!
【上手な部屋干し 4か条】
(1)風が通る空間や風の通り道を作る。
(2)風通しの良い場所を選んで干す。
(3)空気の動きや風を利用して、湿った空気の交換を促す。
(4)乾いた衣類から取り込む。
いかがでしたか? 干し方を少し工夫するだけで、いつもより早く乾かすことができそうですね!
次回は、衣類別に早く乾く干し方のコツを教えてもらいます。
【取材協力】
大貫和泉
約20年、洗濯用洗剤などの製品開発、調査に携わり、そこで得た豊富な経験や知識を生かし、ライオン株式会社のお洗濯マイスターとして各メディアなどで活躍。主婦や母親の立場から、女性ならではの目線で日々の洗濯に役立つ情報を伝えている。
取材・文/岸綾香