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なすがジューシー!なすとベーコンのトマトパスタの作り方【プロが教える本格パスタレシピ】

家庭でもよく作るトマトパスタ。でも、ちょっとトマトの酸味が強かったり、水っぽくなってしまったり、なすが上手に仕上がらなかったり……。お店で食べるおいしさには到達できず、なんだかイマイチと感じる人も多いのではないでしょうか? 

そこで、イタリアン料理店のシェフ小野宗隆さんに、お店で作る際のポイントを教えてもらいました。ポイントはズバリ2つ。「なすの火入れ」と、「トマト缶を使う」という点にありました。早速、動画を見ながら作ってみましょう!

なすとベーコンのトマトパスタの作り方

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材料(2人分)

パスタ(スパゲッティーニ 1.7mm)・・・2人分

ベーコン・・・60g

なす・・・2本

玉ねぎ・・・1/4個

トマト缶(ダイスカット)・・・1缶(400g)

にんにく・・・2片

鷹の爪・・・1本

エキストラバージンオリーブオイル・・・大さじ5

塩・・・小さじ1(味付け用)、適量(パスタをゆでる用)

乾燥パセリ・・・適量

粉チーズ・・・適量

 

※今回は、風味がよく、おいしく仕上がるエキストラバージンオリーブオイルを使用していますが、ない場合はオリーブオイルでもOKです。

作り方

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(1)なすはへたを取り、4カ所ほど皮をむいてから大きめの乱切りにする。 ベーコンは6mm幅の棒状に切る。玉ねぎは皮をむき、繊維に沿って薄切りに、 にんにくは皮をむき、みじん切りにする。唐辛子は半分に割って種を出す。

なすは切った白い断面から火が通るので、ピーラーで4カ所ほど皮をむいておくと、皮目からも火が通り、中までしっかり水分が入ります。ゴロッと大きめの乱切りにして、食べ応えを出しましょう。

ベーコンはブロックの方がジューシーで食べ応えがありますが、なければ普段使いしているスライスでもOKです。

玉ねぎは2mm幅くらいの薄切りにすると、今回使用するパスタの太さに近く、フォークで食べる時にパスタと絡みやすくなります。

にんにくは薄切りよりも、風味が立ちやすいみじん切りにします。

鷹の爪は種が辛いので、しっかり取り除きましょう。逆に、辛い味が好みの人は、入れてもOKです。

(2)フライパンを強火で熱し、オリーブオイル大さじ4を入れ、なすだけ先に焼く。最初は触らず、焼き色がついてから返す。5〜6分焼いて、きれいな焼き色がついたら、一度皿に取り出す。

なすは強火で火を入れないと色がきれいにつきません。でも、そうすると他の食材が焦げてしまう可能性があるので、なすだけ先に焼くのがポイント。なすをフライパンに入れて、すぐにいじってしまうと、焼き色がきれいにつかないので、しばらくじっと我慢。色がついてきたら、静かにひっくり返しましょう。

また、なすは油と好相性で、スポンジのようにどんどん油を吸います。しかし、吸った分だけ、時間が経つと外に出てきてしまうので、油を入れすぎると食べる時にベチャベチャになってしまうんです。足りないかな?と思うかもしれませんが、最小限の油で炒めるのがおいしく仕上げるコツだそう!

(3)再度、フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ、強火でベーコンを炒める。焼き色がついたら、にんにくと鷹の爪を加える。香りが立ったら、玉ねぎを加える。玉ねぎがしんなりしたら、トマト缶を加える。ソースが沸いてきたら弱火にして、クツクツ煮込む。

フライパンを傾けて、油を端に寄せてベーコンを炒めると、中まで早く火が通ります。にんにくの香りが立ったら、玉ねぎを加え、フライパンを揺すりながらムラなく火を通しましょう。

小野さんいわく、もともと、トマト缶に使用するトマトはしっかりと完熟させた味が濃いものを厳選して使用しているそう。フレッシュな生のトマトは酸味があり水っぽくなってしまうので、パスタソースにする時はトマト缶を使用したほうが濃厚な味に仕上がるんです。トマト缶はホールよりもダイスカットの方が潰す手間がないのでおすすめです。

(4)パスタは表示より1分短めにゆでる。同時に、トマトソースに焼いたなすを加え、なじんだらパスタのゆで汁適量を加える。塩を加えて、味を調える。

後ほど、ゆであがったパスタをソースに絡める行程があります。この時、ソースにゆで汁を加え、ソースの油分とゆで汁の水分が混ざり合う”乳化”という現象がおき、こうするととろみが出て、パスタがより一層おいしくなります。乳化させるために1分ほど加熱しながらよく絡めるため、パスタは1分短めにゆでておくことが必要なんです。

そして、なすをトマトソースに入れたら、パスタのゆで汁(約100cc)を加えるのがポイント。そもそも、なすは、水分があまり多くない野菜。先ほど焼いた状態は、表面だけに火が通っており、まだ芯まで火は通っていないそう。ここでゆで汁を加えて水分を追加することで、なすの中央部までしっかり水分が入り、ジューシーに仕上がります。このひと手間がおいしく仕上げるコツなんですね!

(5)トマトソースにパスタを加える。ゆで汁を足して水分を調整し、パスタとソースをよく絡ませる。皿に盛り付けて、粉チーズとパセリをかけたら完成。

盛り付けた時にジューシーになるよう、麺にソースを吸わせます。フライパンを振りながら1分くらいよくなじませたら、パスタをひねるようにして、皿に高く盛り付け、粉チーズとパセリをたっぷりかけて、さぁいただきましょう!

早速、熱々のうちに試食をすると、にんにくのよく効いたトマトの風味が口いっぱいに広がります。確かに、小野さんが言うように、トマトの味がとっても濃厚! さらにベーコンの肉汁が絡みます。

でも、いちばん衝撃だったのは、なすのジューシーさ! 中央部までしっとり柔らかく、ほおばった瞬間に口の中でとろりと溶ろけて、この食感は新感覚かも。トマトソースの脇役ではなく、存在感抜群のなすの実力に、スタッフ一同驚きました。

ひと手間かかりますが、これぞプロの技! いつものトマトパスタがグンとおいしくなるので、ぜひ、家庭でも試してみてくださいね。

【取材協力】

小野宗隆・・・洋食屋『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。

取材・文/岸綾香

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