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「ごぼう」の皮むき・ささがき・アク抜き、3つの基本を徹底解説!【沼津りえの神ワザ下ごしらえ #15】

ちょっとしたひと手間で料理の腕前がグンとアップする「下ごしらえ」を、料理研究家・沼津りえさんが分かりやすく楽しく解説。 

今回は、「ごぼう」の下ごしらえについて懇切に実況します。普段なんとなく行っている作業だけに、この機会にきちんと基本を押さえておきましょう!

秋の料理に欠かせない「ごぼう」の基本をマスターしよう

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泥付きでアクの強いごぼうは、切るとどんどん茶色くなるし、固いので切りにくいし、ちょっと扱いづらい野菜のひとつ。でも、炊き込みごはんや豚汁など、秋の料理との相性抜群でこの時期に欠かせない食材です。

「ごぼうって、どこまで皮をむけばいいか、酢水には毎回浸けた方がいいのか、キレイにささがきを作れない……など、悩みも多いですよね。でも実はあまり難しく考えないで大丈夫! 料理に合わせて考えれば明快です。

最近は洗いごぼうもよく売っていますが、やはり泥付きの方がごぼうならではの香りや風味を存分に楽しめます。今回は泥付きのごぼうを使って解説します」(以下「」内、沼津さん)

ごぼうの皮をアルミホイル、包丁、タワシでむいて検証!

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まずは、ごぼうの皮むきから。泥付きのごぼうをよく洗って泥を落としたら、アルミホイル、タワシ、包丁の3種類を使って、それぞれ皮をむいてみました。

共通するのは「皮の周りに栄養があるので、真っ白になるまで皮をむきすぎないこと」。これを守るのが、おいしく仕上げる最大のポイントです。

(1)アルミホイルは適度に皮がむける

アルミホイルを適当に丸めて、ごぼうの皮をこすります。コツは力を入れすぎないこと。表面の皮が少し取れたらOKです。適度に皮が残り、いい感じにむけました!

(2)包丁はスピーディーに皮がむけた

次は包丁。刃の部分、背の部分、どちらを使ってもOKですが、背の方がごぼうを傷つけにくいのでおすすめです。包丁の背をごぼうと垂直に当てて動かすと、スピーディーに皮がむけました。

(3)タワシはやや傷がつきやすいかも

最後はタワシ。今回は金タワシを使いました。金タワシは傷つきやすいので、優しくこすります。キレイにむけましたが、表面には細かい線が入っていました。

むきすぎないよう注意しながら、自分の好みに合わせて、むきやすいものを選んでみてください。

太め、細め、ささがきの使い分けで料理上手に!

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次は、きんぴらやお吸い物などに欠かせない、ごぼうの「ささがき」について教えてもらいました。

(1)ささがきの太さは角度がポイント

まずは普通のささがきから。左手でごぼうを持って、ごぼうの下に指を入れ、角度をつけてまな板の上に置きます。ごぼうを回しながら、包丁を斜めに当て、鉛筆を削るように削いでいきます。削いで平らになったら回して、尖っている部分を削ぎ落とす……これを繰り返し行います。

「まな板に置いた方が、宙に浮かせるよりも安定するので安全です。ごぼうを置く角度によってささがきの太さが変わります。角度が大きくなると、太めのささがきに。きんぴらごぼうなどにおすすめですよ」

(2)細いささがきは上品な味わいに

さらに、もっと細いささがきに挑戦! ごぼうは手に持たず、そのまままな板に置いて上下にコロコロ動かしながら、包丁を真横に動かして削いでいきます。

「このとき、手裏剣のように包丁をすばやく動かすのが細く仕上げるポイント。ゆっくり動かすと太くなるので注意して。細いささがきは、繊細で上品な味わい。香りを楽しみたい汁物などにぴったりですよ」

2つを比べてみると、削ぎ方だけで太さが全然違います。ぜひ、料理に合わせて使い分けてみてくださいね。

白くキレイに仕上げたいときは酢水に浸ける

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ごぼうは切ったまま放置しておくと茶色くなってしまいます。だからといって、「むやみに酢水に浸ける必要はない」と沼津さんは話します。

「ごぼうは切って時間が経つと茶色く変色しますが、煮物や炒め物など、すぐに調理するときは、わざわざ水に浸けてアク抜きをしなくてもOK。

水に浸けるとアクが抜け、色止めの効果があります。さらに酢水に浸けるのは、より色よく仕上げたいとき。お正月のたたきごぼうやマヨネーズで仕上げるごぼうサラダなど、白色をキープしたいときには酢水に浸けるといいですね」

酢水は水200mlに対して、酢小さじ1が基本。水に酢を入れてからごぼうを5分ほど浸けます。

「水に浸け過ぎるとごぼうの旨味や栄養が抜けてしまうので、5分くらいを目安にしてください」

ごぼうの下ごしらえって、なんとなく独自のやり方で行っていることが多いので、その作業をする理由やコツが分かると、とても勉強になりますね。料理に合わせて使い分ければ、おいしさもワンランクアップ! ぜひ、実践してみてください。

取材・文/岸綾香

【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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