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「絶品しょうが焼き」の隠し味はあの果物…!ミシュランシェフの直伝レシピ【#おうちでsio】

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東京・代々木上原にあるフレンチレストラン『sio』のオーナーシェフを務める鳥羽周作シェフが、ステイホーム中に「#おうちでsio」として公開した絶品レシピは、たちまち大反響を呼び、SNSで大人気に。なかでも人気のメニューをまとめた初の書籍『やさしいレシピのおすそわけ #おうちでsio』が9月28日に発売され、早くも話題を呼んでいます。

3回目の今回は、大反響のレシピ本の中から、東京・丸の内にある2号店『o /sio』の人気メニューである「しょうが焼き」をご紹介します。おうちごはんの定番のしょうが焼きですが、鳥羽シェフのレシピは肉の選び方から違うんです! 

「豚バラ薄切り肉」で作るから、カンタンにやわらかく!

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前回(『「おうち版!カルボナーラ」の隠し味はまさかの…!スーパーの食材だけでできるミシュランシェフ直伝レシピ』)で、驚くほど簡単に作れる、クリーミィなカルボナーラレシピを教えてくれた鳥羽シェフ。

第3回の今回は、夫も育ち盛りの子どもも、みんな大好きなしょうが焼き。家庭の食卓によく登場するメニューだからこそ、おいしく作れたらうれしいですよね。

「通常、しょうが焼きは厚めのロース肉で作ることが多いと思いますが、厚めのロース肉だと筋切りするのが面倒で、焦げやすくて硬くなり、失敗しやすい……。そこで僕が辿り着いたのは、“豚バラ薄切り肉”を使ったしょうが焼き。薄いから炒める時間が短いので、やわらかくおいしく仕上がります。

さらにポイントは、りんごとはちみつ。隠し味に自然な甘味を添えて、甘じょっぱく、ごはんが進む味付けにしています。うちの店では、“しょうが焼きレボリューション”って呼んでいるんです(笑)。革命的なおいしさなので、ぜひ試してみてくださいね!」(以下「」内、鳥羽さん)。

鳥羽シェフのしょうが焼きは、簡単なのに誰でもおいしく作れるポイントが盛りだくさん。早速、見ていきましょう!

【材料】(2人分)

豚バラ肉・・・300g

玉ねぎ・・・小1個

キャベツ(千切り)・・・1/4〜1/2個

[調味だれ]

しょうゆ・・・大さじ3
みりん・・・大さじ2
酒・・・大さじ2
水・・・小さじ2
砂糖・・・大さじ2
はちみつ・・・小さじ2
しょうが(すりおろし)・・・大さじ1と1/2
りんご(すりおろし)・・・1/4個
(なければりんごジュース大さじ2で代用可能)

サラダ油・・・適量

マヨネーズ・・・適量

【作り方】

(1)豚バラ肉、玉ねぎ、キャベツを切る

豚バラ肉はひと口大に、玉ねぎは繊維に沿って1cm幅に切ります。キャベツは千切りにしたら水にさらし、シャキッとさせておきましょう。

「まずは切る工程を先にすべて終わらせると、段取りよくスムーズに調理できます。切る時は、口に入る大きさを意識しながら切り揃えるといいですよ。玉ねぎはシャキシャキした食感を残したいので、厚めに切るのがポイントです」

(2)しょうが焼きのたれを作る

ボウルにしょうゆ、みりん、酒、砂糖、水、しょうがのすりおろし、りんごのすりおろし、はちみつを入れて、よく混ぜ合わせます。

りんごは皮ごとすりおろします。代わりにりんごジュースを使ってもOK。その場合は、白濁した果汁100%のものがおすすめです。りんごとはちみつの自然な甘味が加わり、肉の旨味を一層引き立ててくれます。ごはんが進む甘めの味付けにしているので、味を見て好みで調整してくださいね」

(3)豚バラ肉を焼く

フライパンを熱してサラダ油を入れ、油がサラサラしてきたら、豚バラ肉を焼いていきます。

豚バラ肉は脂が多いので、両面を焼いたら、ザルとボウルを重ねた上に一度取り出し、余分な脂を切ります。脂を切るとさっぱり仕上がるのでしつこくなく、調味だれも絡みやすくなるんです。ちょっと手間ではありますが、このひと手間でグンとおいしく仕上がります!」

(4)玉ねぎを炒める

次は玉ねぎ。玉ねぎは炒め具合が重要です。

ポイントは玉ねぎに火を入れすぎないこと。玉ねぎに完全に火が入る手前で肉とたれを加えると、玉ねぎのシャキシャキした食感が残って、いつもとひと味違ったおいしいしょうが焼きになります。“あれ? 今日の玉ねぎおいしくない?”って、家族にほめられちゃいますよ!」

(5)焼いた豚バラ肉と調味だれを加えて炒める

玉ねぎが透明になり始めたら、先ほど焼いた豚バラ肉と調味だれをフライパンに投入。全体を混ぜ合わせるように炒めながら、たれが煮詰まったら完成です。

(6)盛りつけたら、できあがり!

お皿に豪快に盛りつけたら、キャベツをたっぷり添えます。そして忘れちゃいけないのがマヨネーズ!

「結局、最後はコレ!(笑)。甘じょっぱいたれとキャベツとマヨネーズが混ざると、たまんないっすよね!」

食べてみると、甘じょっぱいたれをたっぷりまとった豚肉が驚くほどやわらかくて、正直断然ロースよりおいしい! これは、豚バラ肉の圧勝です。余分な脂を落としているので、しつこくなく、たれがしっかり絡んで濃厚な味わい。料理はひと手間が大事なんだなと改めて感じました。

そして、名脇役がシャキシャキの玉ねぎ。小気味よい絶妙な食感で、豚肉を引き立てるいいアクセントになっています。砂糖とは違ったりんごとはちみつのまろやかな甘味が加わり、甘じょっぱくてクセになる味。ごはんが止まらず、これは家族みんな喜ぶこと間違いなし! これからは、このしょうが焼きが定番になりそうですね。

今回紹介したレシピは、先日発売になった書籍『やさしいレシピのおすそわけ #おうちでsio』に載っています!

「こちらの本にあるレシピは、普段みんながおうちでよく作る料理を、誰でも手軽においしく作れるように考えました。すべてうちの奥さんの試作済みで、普通の主婦でも作れる、どれも10分以内でできる簡単なものばかり。
日本中に幸せのおすそわけをして、幸せの分母を増やしたい。そんな思いが詰まった1冊なので、ぜひみんな笑顔に、ハッピーになってくださいね!」

このレシピの他にも、「10分でハヤシライス」や「間違いない焼きそば」など、家庭で人気の作りやすいメニューから、コンビニで売っているパンや総菜をさらにおいしくするアレンジレシピまで大紹介。鳥羽シェフの愛が詰まった幸せのおすそわけ、ぜひおうちで楽しんでみてくださいね!

鳥羽シェフのトークイベントも開催します!

10月21日(水)には、東京・青山ブックセンター本店にて、刊行記念トークイベントも開催予定。
詳細は、こちら(http://www.aoyamabc.jp/event/sio/)をチェックしてください!

鳥羽シェフの熱いトークもお見逃しなく。

【取材協力】

鳥羽周作

1978年生まれ。サッカー選手、小学校教員を経て、32歳で料理の世界へ。「DIRITTO」「Florilege」「Aria di Tacubo」などで研鑽を積み「Gris」のシェフに就任。2018年7月、オーナーシェフとして東京・代々木上原に『sio』をオープン。『ミシュランガイド東京2020』で1つ星を獲得。SNSで公開したレシピが話題を呼び、2020年9月『やさしいレシピのおすそわけ #おうちでsio』(小学館)を出版。

 

取材・文/岸綾香

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