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少ない収納スペースでもOK!プロ直伝「上手な衣替え」を実践するコツ4つ

「まだ寒い日もあるから……」と衣替えを先延ばしにし、ゴールデンウィークに一気に行う予定のご家庭も多いのでは? そこで今回は、メディアでも活躍する元「片づけられない」収納スタイリストの吉川永里子さんに、衣替えの基本ノウハウや、衣替えするほどの場所がない!という場合の入れ替えのコツなどをうかがいました。

1.置き場所:高温・高湿を避け「上」を意識

衣替えを機にしまう衣類は、これから長期間そのままの状態で放置することになります。だからこそ、まずは“置き場所”が重要です。

避けたいのは以下の場所です。

・湿気が多い場所

・温度が高い場所

・直射日光が当たる場所

湿度や温度が高いとカビや虫食いのリスクが高まりますし、直射日光が当たると、その部分は黄色く変色してしまいます。なるべく温度が高くならずに通気性の良い場所が理想です。

また、ベッドの下を収納スペースに使っている人も多いと思いますが、寝ている間、人は汗を大量にかきます。汗などの湿気は下へと落ちていくもの。ですので、しょっちゅう出し入れするならよいですが、ベッド下は長期の収納には向いていません。

湿気は下に溜まりやすいということを忘れず、長期的に使わないものは、1階より2階、押入れなら天袋というように、とにかく“上”にしまうようにしましょう。

2.タイミングと回数:4段階(シーズン)5パターンに分ける

衣替えといえば、年2回。夏物と冬物を5月や10月に入れ替える人が多いですよね。でも吉川さんがすすめるのは四季ごとの4段階の衣替え。

「まだ4月だけど真夏日!」とか、「9月だけど肌寒い!」など、気候が中途半端な時期ってありますよね。

そういうときに「冬物」「夏物」で分かれてしまっていると、「ちょうど良い服がないから買ってしまえ!」となりがちです。

そしていざ本格的に衣替えしたとき、「あー同じような服、持っていた」と無駄な服が増えていくことってありませんか?

衣替えのメリットのひとつは、服を処分する絶好の機会であること。無駄買いをなくすためにも、どうせ衣替えするなら、春・秋を意識した4段階でちょっとずつ。そして通年着るものはずっと出しておく、という“4段階(シーズン)5パターン”がよいのです。

3.事前準備:汚れを綺麗に落としておく

衣替えで衣類をしまう前に洗濯やクリーニングに出すのはマストです! 食器を洗うのは、次に使うときのためですよね。それと同じで、次の季節に着るために、今、汚れを落としておくのです。

シミや汚れがついたまましまえば染み付いてしまいますし、虫食いのリスクも高まります。面倒でも次への「先行投資」だと思って、きちんときれいにしてからしまいましょう。

もちろん、収納ケースなどに防虫剤を入れるという基本的ケアもお忘れなく。

4.収納スペースが少なければ「ほどよくほんのり入れ替え」を

衣替えといえば、「使うものはこちらのクローゼットに、オフのものはあちらの押し入れへ」と大々的に衣類を移動させるイメージがありませんか?

でも、オンとオフで置き分けるほどの収納場所がない家もあるでしょう。そういう場合、「ほどよくほんのり入れ替え」をするとよいそうです。

特にこれからは湿気がこもりやすい暑い季節を迎えます。かけている衣類も減らしてなるべくスカスカにするために、まずはダウンコートなど、絶対に使わない厚手ものはほどよく圧縮して、手が届かない天袋などにしまいます。

あとは、ストール、バッグ、帽子など季節感のある小物類の位置替えと、かさばらないオンオフの衣類の収納を考えればよいのです。その際のおすすめの収納場所と方法をお伝えします。

(1)広い空間を活用した収納方法

奥行きのある押入れなら、手前に服をかけても奥にデッドスペースがありますよね。特に、丈の長いものをかけている後ろ側は見にくいですし、取り出しにくい場所。そこにオフシーズンの小物を入れた収納ケースを置き、丈の短い上着などをかけている後ろ側は見えやすいので、オンシーズンの小物類の収納ケースを置きます。

縦長のクローゼットであれば、届きにくい上の方へオフのものを置くと良いですね。

こうすることで、季節が変わるときには、収納ケースの中身を変えるだけで済みます。収納ケースはすべて同じ大きさにそろえておけば、見た目もすっきり整います。

(2)収納ケース内での上手な保管方法

収納場所や収納ケース自体が奥深い場合、一つの収納ケースの中で、オンとオフのものをケースの前方・後方で分けるという方法もあります。

夏物と冬物では明らかに厚みが違い、同じ大きさの収納ケースではうまく入れ替えができないということもありますよね。でも前後で入れ替えるだけなら、冬物6:夏物4というように比率を臨機応変に変えられることができ、入れ替えの作業もラクです。

(3)ハンガーでの保管は左右の位置替えを

ハンガーにかける衣類に関しては、扉を開けてすぐに手が届く位置にオンのものを配置します。真ん中開きの扉のタンスであれば、真ん中にオン、左右両側にオフのものとなり、引き戸の押入れなどの場合は、逆に真ん中にオフ、両サイドにオンとなるでしょう。

これらの方法であれば、急に寒くなったり暑くなったりしたときに、「あれ、もうしまっちゃった! どこだっけ?」と大掛かりに衣類捜索をすることなく対応できるというメリットもあります。自分が持っている衣類全体の量も把握しやすくなりますよ。
いかがでしたか? ちなみに、衣替えのスペースがなくても、子どもの衣類だけはしっかりと季節ごとに入れ替えた方がよいそうです。季節感を学ばせることができますし、特に男の子の場合、「そこにあるものをなんでもいいから着てしまう」ことが多いので、季節に合った服を選ぶようにある程度管理してあげることが大切ということです。

家族構成や住環境によって衣替えの仕方は大きく変わってきます。メリット・デメリットをよく見極めながら、自分に合った衣替えスタイルを見つけましょう。

 

【取材協力】

※ 吉川永里子・・・Room&me代表、収納スタイリスト®、整理収納アドバイザー1級認定講師、スタイリングカウンセラー。

2008年より収納スタイリストとして活動を開始。片づけられなくて散々だった過去の暮らしを活かし、「片づけはストレスフリーに暮らす近道」をモットーに、ざっくばらんに整理収納について説く。個人宅の整理収納サポート、自宅セミナー、整理収納アドバイザー2級講座も開催中! ブログはコチラ

2017/4/28 WooRis掲載

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