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ひげを使ったレシピあり!とうもろこしの長持ち保存方法…選び方のコツから冷凍保存の仕方まで

今が旬の「とうもろこし」。塩ゆでしたり、バーベキューの際にしょうゆをつけながら焼いて丸かじりすると、とても美味しいですよね。旬のとうもろこしは甘味とうま味がたっぷりで、いろいろな料理に活用することができますが、収穫後は鮮度や甘味がすぐに落ちてしまうのが難点です。

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家・食品保存アドバイザーの島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載55回目は「とうもろこし」。7~8月に旬を迎えるとうもろこしは、あのつぶつぶの食感と口に広がる甘さがたまらない美味しさです。とうもろこしは収穫後、鮮度や甘さ、栄養価などが急激に落ちていってしまうため、家では鮮度をしっかり保ちながら上手に保存をしていく必要があります。

美味しいとうもろこしの選び方

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とうもろこしは、収穫した直後から鮮度が落ち、甘さも減っていってしまう保存の難しい野菜です。店頭では、とにかく新鮮で美味しいとうもろこしを選ぶようにしてください。

・皮つきのもののほうが美味

とうもろこし 選び方

とうもろこしは、皮つきのもののほうが美味しさは断然上です。可能な限り皮つきのとうもろこしを購入するようにしてください。皮がむかれたものを購入する場合は、粒がきれいにそろっていて、指で押したときに少しへこむくらいのものが食べごろです。

とうもろこしの冷蔵保存の仕方

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とうもろこしは、生のままもしくはゆでた状態で冷蔵保存することができます。「お湯を沸かしてから採りに行け」とも言われるくらい鮮度が落ちやすいとうもろこし。時間が経つとともに甘みが減ってくるので、生のまま冷蔵保存ができますが、あまりおすすめできません。また、ゆでる場合も購入後の新鮮なうちがおすすめです。

・生のまま保存する場合

皮つきのとうもろこしの場合は、生のまま保存することができます。皮をつけたまま数本ずつ新聞紙に包み、立てた状態で野菜室で保存するようにしましょう。ただし、時間が経つほど甘みが薄れてしまうので注意してください。

・ゆでてから保存する場合

とうもろこし 冷蔵保存

とうもろこしはゆでたら熱いうちに1本ずつラップで包み、粗熱が取れたら冷蔵室で保存してください。

とうもろこしの冷凍保存の仕方

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冷凍する場合も冷蔵と同様に、生のままもしくはゆでてから保存することができます。とうもろこしは、とにかく鮮度が落ちやすいので、購入後しばらく使う予定がない場合は、すぐに冷凍してしまいましょう。

・生のまま冷凍する場合

皮をつけたままの状態で冷凍用保存袋に数本ずつ入れて冷凍します。すでに皮がむかれているものについては、1本ずつラップで包んでから冷凍用保存袋に入れて冷凍できますが、少量ずつ使いたい場合は、次にご紹介する実だけの状態で冷凍したほうが使い勝手がいいでしょう。

なお、食べるときはラップに包んだ状態のまま電子レンジで加熱するか、ラップを外して熱湯でゆでてからいただきます。

・ゆでてから冷凍する場合

とうもろこしは固めにゆでてから、粒をそぎ落として実だけの状態にします。水けをよく拭き取ってから、フタ付きの保存容器や冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。よく洗って乾かしたペットボトルに入れて保存すると、必要な分だけすぐに取り出せて便利です。

食べるときは、凍ったまま炒めものやスープに加えるなどして加熱調理してください。

とうもろこし 冷凍保存

とうもろこしの保存期間の目安

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とうもろこしは収穫後どんどん鮮度や甘さが落ちてしまうので、なるべく早めに食べるのが美味しくいただくためのコツ。すぐに使う予定がない場合は、美味しさをキープするためにも即冷凍するのがおすすめです。

・冷蔵保存の場合の目安

皮つきのものを生のまま新聞紙で包んで保存した場合は、2~3日以内にゆでて使うようにしてください。甘味が減ってきたとうもろこしをゆでる場合は、皮を全部取らずに薄皮を1枚残した状態でゆでると、甘味がアップして美味しくいただけます。

とうもろこしをゆでてからラップで包んで保存した場合は、3~4日以内に食べきるようにしてください。

・冷凍保存の場合の目安

生のまま丸ごと冷凍した場合は約2カ月、ゆでてから実だけを冷凍した場合は約1カ月保存が可能です。

簡単レシピ!とうもろこしのひげを使ったレシピ2選

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とうもろこし ひげ レシピ

捨ててしまう人がほとんどだと思いますが、実はとうもろこしの先についている「ひげ」には栄養があります。ですので、そのまま捨ててしまってはもったいない。今回は、このとうもろこしのひげや皮を使った簡単レシピをご紹介していきます。

【とうもろこしの炊き込みごはん】

とうもろこしの炊き込みごはんを作る際は、とうもろこしの実はもちろん、ひげと芯も入れることで、より甘みが加わり、美味しくなります。

洗ったお米(2合)を炊飯器に入れたら、酒(大さじ2)、塩(小さじ1)、しょうゆ(小さじ1/2)を加えて、目盛りまで水を注ぎます。そこに包丁でそいだとうもろこしの実、黒い部分をとって食べやすく切ったひげ、実をそぎ落としたあとの芯、バター(10g)を入れて炊けば、甘くて美味しい炊き込みごはんの完成です。

【とうもろこしのひげと皮茶】

まず、黒い部分を切り落としたとうもろこし1本分のひげと皮(内側のきれいな部分のみ)を用意します。それぞれザルなどに並べて半日~1日天日干しにし、皮の長さを3等分に切ってからフライパンでひげと皮をいっしょに乾煎りします。

乾煎りしたひげと皮を鍋で水といっしょに5分ほど煮出せば、香ばしいお茶のできあがり。乾煎りしたひげと皮をビンなどに入れておけば、いつでも好きな時にお茶が楽しめますよ。

いかがでしたか? 鮮度が落ちやすいとうもろこしですが、今回ご紹介した方法で保存をすれば、最後までムダなく美味しくいただくことができます。また、これからはぜひ、ひげや皮も捨てずに、いろいろな料理に活用してみてください。とうもろこしのひげを素揚げにして、サラダなどのトッピングにするのもおすすめですよ。

【参考】

島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

構成・文/土田奈々子

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