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どうやって冷凍するの!? 牛乳の長持ち保存方法…冷蔵・冷凍保存・保存期間も

冷蔵庫に常備されているものの一つ「牛乳」。栄養価が高いうえ、そのまま飲んで良し、料理に使って良しの優秀な食材です。ただ、うっかりしていると賞味期限内に飲みきれなかったり、賞味期限内であってもにおいや味が変わって、なんだかちょっと不味く感じることはありませんか?

そこで今回も、食品保存のスペシャリストである料理研究家・食品保存アドバイザーの島本美由紀さんに、長持ちさせるための「正しい保存方法」をレクチャーしてもらいます。


こんにちは、島本美由紀です。連載52回目は「牛乳」。牛乳はにおいを吸収しやすく、風味も変わりやすいため、開封後の保存には注意が必要です。表示の賞味期限にかかわらず、開封後は早めに使い切るのが牛乳を美味しくいただくためのコツ。賞味期限内に使い切れない場合は、冷凍保存で長持ちさせましょう。

牛乳の種類と違い

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一般的に「牛乳」というのは牛から搾った乳(生乳)を加熱殺菌したもののことですが、店頭に並んでいる製品は成分調整の有無や乳脂肪率の違いなどによって、次の5種類に分けられます。

牛乳 種類

(1)牛乳:生乳を加熱殺菌しただけのもので、無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上を含有するもの。成分の調整はいっさいしていません。

(2)特別牛乳:特別な許可を受けた施設で搾取した生乳から作られた牛乳で、かつ無脂乳固形分8.5%以上、乳脂肪分3.3%以上を含有するもの。

(3)成分調整牛乳:生乳から乳脂肪分や水分などの成分の一部を取り除いたもので、無脂乳固形分が8.0%以上のもの。

(4)低脂肪牛乳:成分調整牛乳の一つで、生乳から乳脂肪分の一部を除去し、無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたもの。乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じです。

(5)無脂肪牛乳:成分調整牛乳の一つで、生乳から乳脂肪分の大部分を除去し、無脂乳固形分8.0%以上、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。乳脂肪分以外の成分は牛乳とほとんど同じです。

・これ以外に「加工乳」や「乳飲料」も

なお、上記の5種類のほかに、生乳に乳製品もしくは乳製品以外の原料を加えたものを、それぞれ「加工乳」「乳飲料」と呼んでいます。

加工乳・・・無脂乳固形分は牛乳などと同じ8.0%以上で、生乳に脱脂粉乳やバターなどの決められた乳製品を加えて成分を調整したもの。乳成分を濃くした「濃厚タイプ」や、脂肪分を減らした「低脂肪タイプ」などが一般的です。

乳飲料・・・生乳に乳製品以外のものを加えたもので、乳固形分は3.0%以上。コーヒー味やいちご味などのものがこれにあたります。また、カルシウムやビタミン、鉄などの栄養分を加えたものや、おなかがゴロゴロするのを防ぐ乳糖分解タイプもこれに該当します。

牛乳の冷蔵保存の仕方

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牛乳 冷蔵保存

牛乳を冷蔵保存する場合、冷蔵庫内の他の食材のにおいなどが牛乳に移らないように、開封後は開け口をクリップなどで留めてドアポケットで保存しましょう。牛乳の保存は温度管理が特に重要。ドアポケットは開閉のたびに冷気が逃げてしまうので、5日で飲み切れない場合は、小サイズの牛乳を選ぶようにするといいでしょう。

なお、鮮度と風味をしっかり保つためにも、牛乳は使い終わったらすぐに冷蔵庫に戻すようにしてください。

牛乳の冷凍保存の仕方

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実は、牛乳はそのまま冷凍保存することが可能です。冷凍保存したものは飲用には向かないので、シチューやホワイトソースなどの料理に活用するのがおすすめ。少量であればコーヒーや紅茶などの飲み物に入れて使うこともできます。

牛乳 冷凍保存

・製氷皿で牛乳氷に

牛乳は製氷皿に流し入れて、そのまま冷凍庫で凍らせましょう。小さい紙パックなら、そのまま丸ごと冷凍することもできます。使う際は凍ったまま調理する、もしくは凍ったまま飲み物などに入れて使いましょう。

牛乳の保存期間の目安

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牛乳は冷蔵ではそれほど長く保存することができませんが、冷凍すれば長持ちさせることができます。

・冷蔵保存の場合の目安

賞味期限内であれば保存が可能です。ただし、賞味期限はあくまでも開封前についての期限ですので、開封後はなるべく5日以内に使い切るようにしてください。

・冷凍保存の場合の目安

牛乳を凍らせた場合は、約1カ月間保存することができます。

簡単レシピ!「台湾風ミルクかき氷」

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台湾風ミルクかき氷 作り方

今回は、これからの暑い季節にピッタリの牛乳を使ったひんやりスイーツレシピをご紹介します。普通のかき氷とは違った、牛乳のやさしい甘さが病みつきになりますよ。

(作り方)

(1)鍋に牛乳400mlと砂糖大さじ2を入れて火にかけ、砂糖がきちんと溶けたら火からおろします。この際、牛乳を沸騰させないように注意してください。

(2)粗熱が取れたら(1)を製氷皿に注いで冷凍し、甘いミルク氷を作ります。

(3)凍った(2)をかき氷機で削って器に盛り、冷凍ミックスベリーやアイスクリームを乗せます。上からコンデンスミルクをかければ完成です。フルーツソースをかけても美味しくいただけます。

いかがでしたか? 牛乳は他の食品のにおいが移りやすいため、開封後はクリップできちんと封をして冷蔵保存するのがポイントです。冷凍保存することもできるので、賞味期限内に使い切れないような場合はすぐに冷凍したうえで、料理などにどんどん活用してみてください。牛乳を最後まで美味しく、ムダなく使い切るようにしていきましょう。

【参考】

島本美由紀(2015)『もっと野菜を!生のままベジ冷凍』(小学館)

島本美由紀(2015)『ひと目でわかる!食品保存事典』(講談社)

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令 – 厚生労働省

構成・文/土田奈々子

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