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結婚式には出席できないけど……結婚祝いを現金で郵送する場合のマナー【知りたい!お祝いのマナー】

結婚するというお知らせを受けても、遠方だったり小さい子どもがいて動けないなどの事情で直接お祝いを渡すことが難しいこともあります。また、結婚式に出席の返事をしていたのに欠席せざるを得なくなることも。結婚祝い(ご祝儀)を郵送する必要が生じたときに気を付けるべきマナー、金額の目安、現金書留の送り方などを丁寧に解説します。マナーアドバイザーの松本繁美さんによる、お祝いのマナーシリーズです。

結婚式に出席しない場合、お祝い(ご祝儀)の金額はどれくらい?

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出席する場合のご祝儀の半額~1/3程度が目安

出席する場合のご祝儀は、披露宴の料理や引き出物などの金額を含め、お祝いの気持ちをプラスした金額です。欠席する場合は料理と引き出物の合計額を差し引いて贈るというのが一般的です。そのため、欠席する際のご祝儀は、出席する場合の半額、もしくは1/3程度が相場です。

結婚式を欠席する場合の金額はタイミングでも変わる

【1】招待状をもらう前に欠席を伝えた場合

新郎新婦から招待状をもらう前に「結婚式に来てくれる?」などと打診されていて、その段階で欠席を伝えた場合、出席するときの半額から1/3の金額を贈ります。

友人・知人であれば5,000円から1万円が相場。現金ではなく、プレゼントだけでも大丈夫です。

【2】招待状の返信で欠席を伝えた場合

招待状の返信で欠席を伝えた場合のお祝いの相場も、半額から1/3のご祝儀が基本です。

式に参加するかどうか事前に打診されたときには「出席する」と答えたけれど、その後、予定が変わって招待状を「欠席」として返信した場合は最低でも1万円を包みます。

【3】結婚式直前に欠席となった場合

直前で出席できなくなった場合は、すぐに連絡とお詫びをします。ご祝儀は結婚式に持参する予定だった金額を贈ります。

【4】自分の結婚式に出席してもらった相手の場合

自分の結婚式に出てもらった相手には、出欠に関わらず、もらった金額と同等のご祝儀を贈るのがマナーです。

お祝いを渡すのは手渡しが理想、やむを得ず郵送するときは?

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結婚式は欠席でも、ご祝儀は新郎新婦に直接会って、お祝いの言葉とともに渡すのが一番です。しかし、それが難しい場合は現金書留で郵送します。

式に出席する知人に預けて渡してもらったり、新郎新婦の口座に直接振り込んだりするのはマナー違反なので避けてください。

現金を送る場合は必ず現金書留で郵送するように法律で決められています。書留と同じような役割をするレターパックなども販売されていますが、これらで現金を送ることは禁じられています。

また、郵送するプレゼントに現金を同封して送るのもいけません。

ご祝儀を現金書留で送る方法

ご祝儀 現金書留

【1】現金書留専用封筒を購入する

現金書留専用の封筒は、郵便局の窓口で購入できます。現在大小2種類が販売されています(2020年8月現在、各21円)。ご祝儀袋の大きさにもよりますので、適した大きさのものを使用しましょう。

【2】現金書留封筒に届け先と差出人を書く

宛名と宛先は、結婚式に招待されていた場合は招待状の返信用はがきに書かれている返信先の名前・住所にします。招待されていない場合、住所が分からない場合は先方に送り先を問い合わせてもよいでしょう。

【3】ご祝儀袋に現金を入れる

現金をそのまま現金書留封筒に入れるのはマナー違反になります。必ずご祝儀袋に入れ、袋ごと書留用の封筒に入れます。

【4】メッセージカードを添えて

現金書留封筒には現金以外に手紙なども入れることができます。メッセージカードに結婚のお祝いと欠席のお詫びなどを書いて同封するとより丁寧です。カードは選ぶだけでも楽しくなるほど種類も豊富。門出を迎えるの笑顔の2人をイメージして贈りたいものですね。

カードが入りきらないほど大きい場合は別送しましょう。その際、郵便局で販売されている慶事用の切手や、ふさわしい図柄の記念切手を選ぶなどの気遣いができるとなお良いでしょう。

【5】封をする

しっかり封をした証明として、封の合わせ目に割印(わりいん)を押すか、署名をします。

【6】郵便局窓口で料金を支払う

現金書留は、郵便局の窓口から送るのが決まり。送る金額の保障や全体の重さから料金が算出されます。自己判断で切手を貼ってポストに投函しないようにして下さい。

【7】送るタイミング

欠席を告げたら、できるだけ早めにご祝儀を送ります。欠席の連絡をしてからすぐに送り、できれば挙式の1~2カ月前までに、最低でも1~2週間前までに相手に届くようにします。

手渡しにしても郵送の場合も、新郎新婦の手元に届く日のお日柄(「大安」または「先勝」などの、縁起が良いと言われる日取り。結婚では「友引」も吉日)を気にかけることも大切です。

配達日指定ができるサービス(有料)もありますし、普通に送った場合の配達日数などについても、カレンダーと照らし合わせながら郵便局の窓口で相談するといいでしょう。

 

本来なら直接会って渡すべきご祝儀を味気ない茶色の現金封筒に入れて送るのですから、開けたときに華やかなご祝儀袋に入れて贈るのは大切な心遣いです。

郵便局の窓口には立派なご祝儀袋も筆ペンも販売されていますから、急ぎの場合などにはぜひ活用してくださいね。

撮影/田中麻以(小学館)

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