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結婚内祝いの、のし紙の書き方、水引の選び方は?【解決!お祝いのマナー】

結婚祝いをもらったときのお返し(内祝い)にのし紙をかける際、水引はどの形? 表書きはどう書くのが正解? 名前は2人分書くの? 旧姓は必要? など、当事者になるのが初めての人ばかりの結婚周りのマナーには疑問がたくさん。マナーアドバイザーの松本繁美さんに解説してもらう、知っておきたいお祝いのマナーシリーズです。

結婚の内祝いに使うのし紙、水引は「結び切り」を

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結婚の内祝いに使うのしの水引は、もちろん「結び切り」。永遠にほどけることがないようにとの意です。婚礼関連の水引は以下を満たすものを使用します。

・水引の結び方は結び切り

・水引の色は赤白か金銀

・水引の本数は10本

※水引についての詳細は、『自信はありますか?「のし(熨斗)」の基本知識:のし紙、水引の意味と選び方【お祝いのマナー】』も参考にしてください。

 

結婚内祝いののし紙の表書き

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表書き(上段:名目)は何と書けばいい?

のしの表書きの「名目」とは、水引の結び目の上に書き入れる内容のこと。結婚内祝いの場合は「内祝」または「寿」と書くのが一般的です。

お祝いをくれた方にお返しを贈るので「御礼」でもよいのではと思うかもしれませんが、内祝いの本来の意味は「日頃お世話になっている方への、幸せのおすそ分けとしての贈り物」のこと。現在はお返しという要素が強くなっていますが、もともとは「自分の家に起こったお祝いごとの喜びを分かち合いましょう」という気持ちを込めて贈るものなのです。

単なるお礼やお返しではなく内祝いとするのは、そういった本来の意味を尊重しているのだということを覚えておいてくださいね。

下段には「新姓」または「2人の姓名」を

結婚内祝い 表書き 下段

水引の結び目の下には、贈り主の名前として中央に夫の名前/左に妻の名前新姓の下に2人の名前、または新姓のみのいずれかを書き入れます。もともとの慣習では中央に夫の名前を書くことが多かったのですが、中央に新姓を書くパターンも増えてきているようです。

新郎新婦を紹介する意味もあるのでこれらの書き方をすることが多いですが、結婚を家同士の結びつきと考え、新姓のみとする家もあります。相手の家族も含め、どのように書くかを事前に相談しておくのがおすすめです。

たとえ職場で旧姓を使い続ける場合でも「のしに旧姓」は避けて

最近は結婚後も職場や取引先に対しては旧姓で通す人が増えています。だからといって、職場の人への内祝を贈る場合にのしにも旧姓を書き込むのは考えものです。

そもそも、結婚後に名乗る旧姓は、本名ではなく「通称」です。ビジネスでは、名前が変わることで仕事上の不都合があったりの理由で、通称である旧姓の使用が認められることもあります。しかし、人事上の事務手続きや税金、役所への登録などは本名でないとならないことは言うまでもありません。

ですので、正式にお披露目するという意味でも「本名」を書き入れるのがよいでしょう。贈られた相手が、差出人が誰だかわからなくなる可能性があるときには、メッセージカードや送り状に旧姓を書き添えるなどしてフォローします。

入籍しないカップルの場合(事実婚、同性婚など)

2人の名前を並列で書きます。その場合は男性の姓名を右側、女性の姓名を左側に。同性の場合の順番はお互いに相談するのがよいでしょう。

現代は、結婚の形もさまざま。旧来のマナーの常識では対応しきれないことも増えてきました。「こうでないといけない」と形式や慣習にこだわることなく、柔軟に考えてみることをおすすめします。2人やその家族が納得がいくように進めていきましょう。

内のしと外のしの使い分け

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内のしとは、贈り物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包むことです。開けるまでのし紙は見えません。一方、外のし包装紙の上からのし紙をかけることを指します。開けなくても誰から贈られたかが一目瞭然です。

郵送や宅配などで贈る場合は内のしのほうが望ましいでしょう。輸送中にのし紙が破れたりするリスクを防げます。一生に一度として結び切りの贈り物をするのですから、相手に届くまで、きれいなラッピングのままで届けたいものです。

相手に直接持参する場合は一目で内祝いであることがわかるように、外のしを用いるのが一般的です。受け取ってもらった瞬間から、お祝いの笑顔が広がります。

内祝いにはお礼状やメッセージカードを添えて

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内祝いは相手へ直接手渡しするのがもっとも望ましいとされています。しかし、なかなかそうはいかないことも多いため宅配を利用することが多くなっているのも現状です。この場合、品物だけを送るのではなく、お礼状やメッセージカードを添えて、相手に感謝の気持ちを伝えるのがおすすめです。

結婚内祝いのお礼状の文例

お礼状には以下の要素が入るようにします。

  • お礼の言葉
  • 新しい生活への抱負
  • 結婚祝いのギフトをもらった場合は品物の感想
  • 今後の交流をお願いする挨拶
  • 新郎新婦の名前(旧姓も添える)
  • 新居の住所や連絡先
【文例1】
私達の結婚についてお祝いをいただき、誠にありがとうございました。先日いただいた○○○は、新居にすっかり溶け込んで活躍しております。
これからもふたりで支え合いながら、温かい家庭を築いてまいります。今後とも変わらぬお付き合いをいただけますよう、よろしくお願いいたします。
お近くにお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。
【文例2】
この度はお祝いをいただき本当にありがとうございました。
まだまだ未熟な二人ではございますが、力を合わせて温かい家庭を築いていきたいと思っております。
今後ともご指導いただけますよう、心よりお願いを申し上げます。

 

結婚という人生の大切な節目を祝ってもらった感謝の気持ちを伝える内祝い。これからの長いお付き合いのためにも、守るべきマナーはしっかり守り、心のこもったお礼ができるように2人で相談しながら楽しんで準備を進めましょう。

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