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小物収納は、保留箱を作っていつもスッキリ! 心地よい素敵な部屋作りのヒント#2

仕事、家事、育児……日々を忙しく過ごしていると、1日が過ぎるのはあっという間。「リラックスして、家でのんびり過ごしたい」そう思っていても、なかなかインテリアを素敵に整えることまで実現できていない人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、独自のスタイルで、自分にフィットする暮らしをしているイラストレーターの兎村彩野さんに、素敵な部屋作りのコツを教えてもらいました。

「暮らしは生き方の集大成」という兎村さんの言葉が伝えるように、まさに部屋はその人自身を表しているもの。そこには、たくさんの生き方のヒントも詰まっていました。今回はごちゃごちゃして片付けるのが難しい小物の収納法について聞きました。

物への執着を捨て、本当に欲しいかどうか向き合う

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値段も手頃なので、ついつい買ってしまい、家の中で増えてしまいがちな小物や文房具たち。お店で気に入ったものをみつけると、すぐに買ってしまう人も多いのではないでしょうか?

兎村さんも以前は片付けが苦手で、忙しい日々の中で、物を買うことで気持ちを満たしていた時期があったと話してくれました。

「独身時代は、とにかく仕事を詰め込んで、今より忙しく過ごしていたので、自分の気持ちをゆっくり整える時間があまりありませんでした。今思えば、そのストレスを、洋服や雑貨などを買うことで満たしていたような気がします。そうして物が増えてしまい、ごちゃごちゃした部屋で生活していたんです。

でも、夫と出会い、ふたりで生活をするようになって、本当に大切なもの以外は手放せるようになりました。物を持ちすぎないことで、以前よりも部屋がシンプルに整い、心地よく暮らせるようになりました」

今の洗練された部屋からは想像もつきませんが、兎村さんにもそんな時代があったんですね。今は、何か欲しいものをみつけた時も、自分流のルールを兎村さんは持っていました。

「欲しいものをみつけたらすぐ買わずに、一度家に帰って一晩寝て、翌日も欲しいかどうか考えてみる。 2日目もやっぱり欲しいなという情熱があったら、改めてまた買いに行く。そこでもし無くなっていても、“あぁ、他の欲しい人の所に行ったんだな、私にはもっとフィットするものがあるのかも”、と思うようにしています。

今の時代は本当に欲しかったらオンラインで探したりもできるし、のんびり焦らず買えばいいねって思えるようになりました。昔より物に執着しなくなったので、未練も残らないんです。慎重に吟味できるので、本当に欲しいものだけが、自分の周りに集まるようになりました」

本当に欲しいかどうか自分の心に問いかけて、どこに置こうか、どうやって使おうか、あれこれ考えてから手に入れることができる。そんな風に選べるようになれば、むやみに物が増えることを自然とストップできますね。

小物の収納は、見える化&ラベリングでスッキリ!

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イラストレーターという仕事柄、文房具の収納法もSNSなどで紹介している兎村さん。こまごました文房具の収納って難しいですが、何かコツはあるのでしょうか?

「たとえば、私は『KITTA』というマスキングテープをよく使うのですが、箱に詰め込んでしまうと、使う時にどこに何があるか分からなくなってしまいます。そこで、『無印良品』の名刺ホルダーに全部入れて、持っている柄や数が分かるように“見える化”しています。

そもそも、買いすぎないことが大事ですが、マスキングテープを買う時はサイズや色を揃えておくと使いやすいですね。買ったけれどあまり使わなかった場合は、ただ捨ててしまうのではなく、緩衝材を留めるなど、梱包する時に積極的に使って消費するようにしています」

さらに、リビングの棚の中には、仕事の書類や文房具など、どこに行ったか迷子になりやすい小物たちが整然と収納されていました。兎村さんは収納の際に大切なのは“ラベリング”だと話します。

「私は書類や小物類の収納には、『無印良品』の収納ボックスを使用しています。その際、収納する時にラベリングしておくことは絶対に必要です。

ラベリングは言ってみれば、物たちの“住所”です。物の居場所をちゃんと作ってあげることで、適当な所に戻してしまうのを自然と防ぐことができます。大掃除でまとめてやるのではなく、普段からこまめに片付けているほうが、ストレスなく過ごせます。」

「さらに、意外と重要なのが“保留箱”。すべてにラベリングしていても、たとえば開封前の手紙など、どこにも入らない物が時々出てきます。決まった居場所がない物は、とりあえず保留箱に入れておく。そして、時間がある時に保留箱の中身を見直して、どこに入れるか確認します。私の目安は1週間に1回。保留箱は、いっぱいにしないように普段から気をつけています」

このように、1つの棚につき、必ず1つは保留スペースを作っておくという兎村さん。きちんと整理整頓したくても、どうしても収まりきらないものって、やっぱり出てきてしまいます。この“余白”こそが、日々の暮らしの中の、心の余裕につながるのかもしれませんね。

2年に1度の見直しでいらないものは手放す

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そして、兎村さんは現在2年に1度の小物整理の真っ最中だと、その方法を教えてくれました。

「私はだいたいなんですが、2年に1度、今持っているものを見直すようにしているんです。収納している棚やケースからすべて中身を出して、“必要なもの”と“いらないもの”に分けてみる。そして、今の自分にはもう必要ないなと思ったものは手放すようにしています」

「なんで2年に1度なのですか?」と質問すると、兎村さんは笑顔でこう返してくれました。

2年くらいで人って変わりませんか?(笑) 今の自分と昔の自分って、やっぱり違う。日々、成長していて、どんどん変わっている。昔はこれが欲しくて必要だったけど、今の自分にはもう必要なくなってしまった。でも、それを持っている限り、新しく出会える物を入れてあげるスペースがない。私にとって、2年に1度くらいが、ちょうどいい見直しの時期なんです」

なるほど……ただ、物を減らすためだけではなく、自分自身のアップデートを感じるためにも、収納全体を見直すことは必要な行為なんですね。

兎村さんの暮らしが豊かに感じるのは、自分なりの片付けのルールを持って生活しているから。物が増えすぎたり、散らかりすぎたりすることがなく、心地よい空間をキープできる。それ故に、日々の暮らしの積み重ねが、豊かな時間を構築していることに気付かされます。

次回は、こうして厳選して手に入れた小物たちを、センスよく飾る方法について教えてもらいました。それは、イラストレーターである兎村さんならではのテクばかり。ぜひ、楽しみにしてくださいね!

兎村彩野さん

1980年東京生まれ、北海道育ち。

高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始する。

暮らしをモチーフにしたシンプルなイラストを得意とする。

ドイツの万年筆 LAMY safari で描く「LAMY Sketch」が人気。

LAMY公認のイラストレーター。

Twitter:https://twitter.com/to2kaku
Instagram:https://www.instagram.com/ayanousam/

取材・文/岸綾香

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