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「ひらめ」は低脂質&高たんぱくでビタミンやコラーゲンを含む美容食材!栄養情報を解説します

お寿司のネタでは定番のひらめ。淡白な一方、うま味が濃いのが特徴の高級魚です。栄養面では脂質が少なくたんぱく質が多い、ダイエットにうれしい食材である一方、ビタミンB群が豊富なため生活習慣病の予防にもひと役買ってくれるそう! 管理栄養士が、その詳しい栄養情報を解説します。

ひらめにはどんな栄養が含まれる?

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ひらめ(養殖/皮つき/生)100gあたりに含まれるおもな栄養素

・エネルギー:115kcal
・たんぱく質:21.6g
・脂質:3.7g
・ビタミンB1:0.12mg
・ビタミンB2:0.34mg
・ビタミンB6:0.44mg
・ビタミンB12:1.5μg
・パントテン酸:0.89mg
・ビタミンD:1.9μg
・ビタミンE:1.6mg
・カルシウム:30mg
・カリウム:440mg
・EPA:170mg
・DHA:520mg

低脂質・低カロリーなのが嬉しい!

白身魚であるひらめは低脂質低カロリーの魚の代表格。市場に出回っているものは、天然ものに比べて脂の乗りもよい養殖ものが主流です。その分カロリーは多少高くなりますが、多価不飽和脂肪酸も多く含みます。

消化吸収がよく、加熱すると身が柔らかくなるので、胃腸が弱っている人や幼児・高齢者の食事にも適しています。ただしひらめは高価なため、病院食や学校給食では特徴のよく似たかれいが活用されることが多くなっています。

白身魚でトップレベルのたんぱく質量

ひらめは、高たんぱくで知られる白身魚の中でもトップクラスです。それぞれ100gあたりの数値でたんぱく質量を比べてみました。

  • ひらめ:21.6g
  • たら:17.6g
  • たい:20.9g
  • たちうお:16.5g

えんがわ部分にはコラーゲンが多い

寿司ネタでおなじみの「えんがわ」はコラーゲンが特に多いんです!

身は弾力があり、特にえんがわの部分にはたんぱく質の一種であるコラーゲンが多く含まれ、コリコリとした食感が味わえます。コラーゲンは、体内では細胞や組織をつなぎ合わせて強くしたり、保湿効果を高めたりする働きを担っています。お肌を気遣う人にはうれしい栄養素ですね!

ビタミンB・D・E

ひらめは、ビタミンB1・B2・ビタミンB12などのビタミンB群や、ビタミンD・Eの含有量が多いのが特徴です。

ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わるビタミンとして知られており、互いに働きを支えあって作用しています。特にビタミンB2の含有量は、皮つき:0.34mg/皮なし:0.07mg(100gあたり)と、皮の部分に多く含まれています。

ビタミンDは、体内でカルシウムとリンの吸収を促進する、骨の形成には欠かせないビタミン。

またビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、体内の酸化を防ぐといわれています。過酸化脂質の生成抑制、血中LDLコレステロールの酸化抑制作用が期待でき、健康面や美容面でも役立つ栄養素です。

うま味の元であるアミノ酸が豊富

低脂質の魚はうま味に欠けることがありますが、ひらめは、うま味成分であるイノシン酸やグルタミン酸、タウリンをはじめ、グリシン、アラニン、リジンといったアミノ酸を豊富に含みます。血圧やコレステロール値を下げ、生活習慣病予防が期待できるといわれています。

淡白なのに繊細で濃厚なうま味があるのは、複数のアミノ酸の相乗効果のおかげなんですね。

ひらめに期待できる効果効能は?

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美容にうれしい健康食材!

ひらめは、低脂肪・高たんぱくな魚なので、体重管理が気になる人の食事にもおすすめです。さらに、エネルギー産生をはじめ糖質・脂質・たんぱく質の代謝にかかわるビタミンB群や、余分な水分を排泄しむくみ予防の働きをもつカリウムも含みます。

コラーゲンも豊富なので、肌荒れに悩むことも多いダイエッターにぴったり。上品な味わいと濃厚なうま味をもち、飽きの来ないおいしさで、単調になりがちなダイエット期の食卓をサポートしてくれるでしょう。

健康面を支えるビタミン・タウリン

ひらめは健康を支える食事にも大活躍します。その理由の一つがタウリンです。タウリンは、消化管内でコレステロールの吸収抑制、心・肝機能の向上、視力の回復、インスリンの分泌促進、高血圧予防などの働きがあるといわれています。

お刺身以外ではムニエルなどもおすすめです!

さらに、エネルギー代謝に関わるビタミンB群によって疲労回復効果も期待できるうえ、骨の形成や筋肉の収縮に欠かせないカルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの効果で、カルシウム不足による筋肉疲労感を防ぎ、疲労骨折の予防にも。

血液をサラサラにする効果や生活習慣病予防で知られているEPA・DHAを含んでいる点も健康づくりに役立ちます。

おいしいだけでなく栄養面でもメリットがたくさんあるひらめ。お寿司屋さんに行ったときなど、ぜひ試してみてくださいね。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

【参照】

・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・「食材図典Ⅲ」小学館
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」タウリン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-017.html

(最終参照日2022/2/20)

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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