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「ほたて」は低脂質・低カロリー・高たんぱく質でダイエットにも最適な食材!栄養情報を解説します

生で刺身やカルパッチョ、加熱してフライやソテーなど様々な調理法があり、和洋中で活躍するほたて。ヒモや内臓が付いたままの丸ごとのほたての方が栄養価は高くなりますが、手軽に使える貝柱にも様々なビタミンやミネラルが含まれます。両者の比較や、ダイエット中にお勧めの食べ方などについても管理栄養士が解説します。

ほたての栄養情報

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ほたて(生)100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:66kcal
・たんぱく質:13.5g
・脂質:0.9g
・炭水化物:1.5g
・ビタミンB6:0.07mg
・ビタミンB12:11.0μg
・葉酸:87μg
・カルシウム:22mg
・マグネシウム:59mg
・鉄:2.2mg
・亜鉛:2.7mg

ほたて貝柱(生)100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:82kcal
・たんぱく質:16.9g
・脂質:0.3g
・炭水化物:3.5g
・ビタミンB6:0.11mg
・ビタミンB12:1.7μg
・葉酸:61μg
・カルシウム:7mg
・マグネウム:41mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:1.5mg

まるごとのほたてと貝柱、どちらも低カロリー・低脂質・高たんぱく質な食材です。まるごとのほたては鉄や亜鉛といったミネラルが多いですね。貝柱は、まるごとのほたてに比べるとミネラルは少ないですが、たんぱく質が多く含まれています。

生殖巣と呼ばれる部分の色が異なることがありますが、メスが赤っぽい色で、オスが白っぽい色です。

たんぱく質が豊富!

ほたてはたんぱく質が豊富な食材です。たんぱく質といえば筋肉をつくることが知られていますが、皮膚や髪の毛、骨、臓器など全身の細胞、さらには免疫細胞の材料にもなる重要な栄養素として、健康にも美容にも欠かせない存在なんですよ。

とはいえ、たんぱく質ばかりを摂り過ぎると身体に負担がかかる場合がありますので、ほかの栄養素と合わせてバランスよく適度に取り入れることが大切です。

チームで働くビタミンB群

ほたてに含まれるビタミンB群は、複数を組み合わせて摂ることで作用が高まるという特長があります。

・ビタミンB6
エネルギー代謝やたんぱく質の分解を助ける働きがあり、たんぱく質量に応じて必要なビタミンB6の量は変化します。ほたてはビタミンB6とたんぱく質をセットで摂れるので、たんぱく質の利用効率がよい食品といえますね。さらに、ビタミンB6は植物性食品よりも、ほたてのような動物性食品の方が吸収がよいともいわれています。

・ビタミンB12
コバルトというミネラルを含み、赤い色をしたビタミンです。赤血球を作るために必要で貧血が気になるときにおすすめ。水溶性なので、ほたてのスープなどにすると汁に溶け出た栄養素も余さず摂ることができます。

ちなみに、野菜だけを食べるなど偏った食生活・ダイエットで不足しやすいので気を付けたい栄養素です。

・葉酸
ビタミンB12と同じく、赤血球を作るために欠かせないビタミンB群です。ビタミンB12とは力を合わせて働くため、一緒に摂ると効率が良くなります。その名前に「葉」とあるように、ほうれん草から発見されたビタミンで主に野菜、果物、のりやわかめなどの海藻のほか、豆や大豆製品、鶏レバーや牛レバーにも含まれています。

体を健康に保つミネラル類

・カルシウム
カルシウムは骨や歯を健康で丈夫に保つ、神経の情報伝達に関わる、心臓を含む全身の筋肉の動きを調整するなどの働きがあります。カルシウムは日頃から不足しがちなので、ほたてを含め、いろいろな食品から補うようにしましょう。

・マグネシウム
マグネシウムは、カルシウムと密接に関わっています。両者はともに骨や歯を作り、筋肉の動きの調整もしているので、合わせて摂るのがおすすめです。マグネシウムは魚介類のほかにも、玄米やそばなどの穀類、わかめや昆布などの海藻類にも含まれています。

・鉄分
鉄分は全身に酸素を運ぶ役割があり、貧血予防にも欠かせません。ほたてに含まれるヘム鉄は植物性食品に含まれる非ヘム鉄よりも吸収率が高いです。また、まるごとのほたては貝柱のみに比べて鉄分を10倍以上含みます。鉄分補給するなら、まるごとのほたてを選ぶのが正解ですね。

・亜鉛
亜鉛は味覚を正常に保つことが知られていますが、さまざまな細胞の生成などをサポートする、免疫力を維持するといった働きもあります。バランスの偏った食生活で不足しやすい反面、サプリメントでは摂りすぎてしまうことがあるので、バランスのよい食事を心がけたいですね。

高たんぱく低脂質、ダイエット中でも安心の食材です

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ほたては低カロリー、低脂質、高たんぱく質でダイエット中にぴったりの食材です。また、不足しがちなビタミンやミネラルも含まれているのもうれしいですね。

それから、生食用のほたての貝柱なら、お刺身として調理不要で油も使わずに食べられ、おいしさ、栄養面、利便性などさまざまな視点から見てもダイエット中にもってこいの食材です。

しかし、体調が優れない人や免疫力の低い子ども、お年寄りの場合、非加熱のお刺身でノロウイルスなどの食中毒リスクも考えられます。ほたては加熱してもおいしい食品です。必要に応じて十分な加熱調理をして、安全に楽しみましょう。

 

撮影/黒石 あみ

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高監修 高橋書店
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・農林水産省「ノロウイルス」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/norovirus.html

(最終参照日:2022/09/13)

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

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