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ふんわり白身で低脂質&ビタミン豊富!「かれい」に含まれる栄養は?

身がやわらかく、上品な味わいの白身魚。かれいは、煮付けやから揚げなどで親しまれています。秋が旬のかれいは、今、お店でも様々な種類を目にすることができます。
そんなかれいの栄養情報や、生活習慣病予防や疲労回復効果が期待される効果・効能について見てみましょう。

かれいの基礎知識

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「左ひらめ、右かれい」

ひらめとかれいは見た目が扁平型をしていてよく似ていることから、見分け方として「左ひらめ、右かれい」と言われます。

かれいは一般に腹側を下にしたとき目が体の右側にありますが、例外的に目が体の左側にある「ぬまがれい」と呼ばれる種類もあります。

口が小さめのかれいと違い、ひらめは小魚やエビを食べるため歯が鋭くなっている点も特長です。

かれいは種類が多い!

実はかれいは種類が多い魚で、カレイ科魚類は全世界で60種類以上、日本周辺海域には30種類あまりが分布しているといわれています。

まこがれい

中でも、「まこがれい」、「あさばかれい」、「まがれい」、「からすかれい」はお店でもよく見かける種類です。
それぞれの産地は、

  • まこがれい:北海道南部から九州にかけて
  • あさばかれい:宮城県と福井県以北の日本沿岸など
  • まがれい:主に北海道
  • からすかれい:国産は少なく主に北洋

となっており、国産かれいの漁獲量1位である北海道は、シェアの50%以上を占めています。また、北海道近郊で穫れる「まつかわ」は、希少性に加え、そのおいしさから超高級魚として扱われ、かれいの王様という意味合いである「王鰈」や「幻のかれい」とも呼ばれています。

かれいの栄養情報

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まがれい(生)100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:89kcal
・たんぱく質:19.6g
・脂質:1.3g
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.35mg
・ビタミンB6:0.15mg
・ビタミンB12:3.1μg
・パントテン酸:0.66mg
・ビタミンD:13.0μg
・ビタミンE:1.5mg
・カルシウム:43mg
・カリウム:330mg

まがれいには様々なビタミンが含まれています。

ビタミンB群

ビタミンB群は、炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝に関わるビタミンとして知られています。水溶性ビタミンであるため、余分なものは尿として排泄され、体内の量が多くなり過ぎることはあまりないと考えられていますが、不足すると疲労感や炎症をはじめとして様々な症状があらわれます。

ビタミンD

体内で活性型ビタミンDとなりカルシウムとリンの吸収を促進する、骨の形成には欠かせないビタミンです。ビタミンDが不足していると、たとえカルシウムの摂取量が十分であったとしても、カルシウムの吸収が悪くなってしまいます。

抗酸化作用をもつビタミンE

強い抗酸化作用をもち、体内の酸化を防ぐといわれている脂溶性のビタミンです。過酸化脂質の生成抑制、血中LDLコレステロールの酸化抑制のほか、赤血球の破壊防止の作用もあることが知られています。細胞の酸化を防ぐため、アンチエイジングにつながる効果があるといわれています。

低脂肪高たんぱく

かれいは白身であっさり味。高たんぱくながら低脂質の魚です。消化吸収がよく、加熱すると身がやわらかくなるので、離乳食初期から取り入れることもでき、胃腸が弱っている人や高齢者にも適しています。
「良質のたんぱく質を摂りたいが脂質は控えたい」という人にぴったり。

さらにえんがわの部分にはコラーゲンが多く含まれているため、ダイエットや美容が気になる方にもおすすめですよ。

かれいに期待できる効果効能は?

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煮付け
から揚げ

生活習慣病予防に役立つタウリン

かれいに含まれる成分で特に生活習慣病に役立つと考えられるものはタウリンです。
タウリンの働きは、消化管内でコレステロールの吸収を抑える、心・肝機能の向上、視力の回復、インスリンの分泌促進、高血圧予防といったさまざまなものが報告されています。

疲労回復に働くビタミン・ミネラル

かれいには、エネルギー代謝に関わるビタミンB群が豊富に含まれているため、疲労回復効果が期待できます。

また、脚などがむくむとだるさや疲労感につながることがあります。かれいは、余分な水分や排泄する働きのあるカリウムを含むため、むくみ防止にも役立ちます。

骨の形成だけでなく筋肉の収縮に欠かせないカルシウムと、カルシウムの調整をするビタミンDも含まれており、カルシウム不足による筋肉疲労感を防ぎ、疲労骨折の予防にもつながりますよ。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・「食材図典Ⅲ」小学館
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」タウリン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-017.html

(最終参照日2022/8/24)

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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