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かぼすとすだち、どう違う?サイズ、産地、味などの特徴をじっくり解説

焼き魚などに添えられていることの多いかぼすやすだち。ゆたかな香りとさっぱりとした風味で料理をワンランクアップさせてくれる日本ならではの柑橘ですね。どちらも見た目や用途が似ていますが、その栄養面や味わいの違いについて比較・解説します!

かぼすとすだち、どんな違いがある?

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すだちの木

かぼすとすだちはどちらも代表的な日本の香酸柑橘です。香酸柑橘は酸味が強いので、みかんのようにそのまま食べるのには向きませんが、風味が豊かで香りが良く、様々な料理の風味付けとして活用されています。

かぼすとすだち、どちらも小さく緑色のうちに出荷されるのは未熟な方が香りが良いためです。それぞれの違いを見ていきましょう。

左:すだち、右:かぼす

【大きさ】

かぼす:個体差があるがみかんよりも小さめのものが多い。直径は6cm前後。
すだち:かぼすよりも小さく、ピンポン玉やゴルフボールくらいのサイズ。直径は4cm前後。

【産地】

かぼす:主な産地は大分県。
すだち:主な産地は徳島県。

【味の違い】

かぼす:料理を引き立たせるまろやかな酸味とさわやかな風味が特長。
すだち:昔から果汁が酢として使われるほど酸味が強い。上品な香り。

かぼす・すだちの栄養情報

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左:かぼす、右:すだち

かぼす果汁100gあたりに含まれるおもな栄養素

・エネルギー:36kcal
・糖質:8.4g
・食物繊維:0.1g
・カリウム:140mg
・ビタミンB1:0.02mg
・ビタミンB2:0.02mg
・ビタミンB6:0.03mg
・ビタミンC:42mg

すだち果汁100gあたりに含まれるおもな栄養素

・エネルギー:29kcal
・糖質:6.5g
・食物繊維:0.1g
・カリウム:140mg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB2:0.02mg
・ビタミンB6:0.08mg
・ビタミンC:40mg

すだち/かぼすの効果効能は?

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クエン酸で食欲増進

かぼすやすだちを食べると感じる酸っぱさはクエン酸によるものです。酸っぱい味を想像するだけで唾液が出てくるように、酸味は消化液の分泌を促すことで食欲を増進する働きをします。

一般的に「クエン酸で疲労回復!」というイメージがありますが、疲れや夏バテによる食欲不振が気になるときにおすすめですよ。

ビタミンCの抗酸化作用に期待!

ビタミンCは体内でコラーゲンを生成するために必要な栄養素です。皮膚や粘膜の健康を維持する働きのほか、メラニン色素が作られるのを抑制する働きがあるため、しみ・そばかすの予防にも。

また、ビタミンCは強い抗酸化作用をもつので、ビタミンAやEとともに抗酸化ビタミンと呼ばれています。免疫力を高める、老化を予防するなど健康にも美容にもいい働きが期待できます。

かぼす&すだちの活用法

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料理に添えてさっぱりと!

さんまにすだちは鉄板の組み合わせ!

かぼすやすだちは高級料亭でも使われるほど、風味のよい柑橘です。焼き魚に添えるのはもちろん、みそ汁やすまし汁に果汁を絞るとさわやかな味わいが楽しめますよ。

さっぱりとした風味が人気のかぼすうどん

また、レモンと似た感覚で揚げ物やサラダ、カルパッチョにも合うほか、麺類とも相性がよくそうめん、うどん、パスタに使うのもおすすめです。

簡単!自家製しぼりたてポン酢

かぼすとすだちが手に入ったけど使い切れない場合に試してほしいのが「手作りポン酢」。作り方は簡単! かぼすやすだちの果汁とめんつゆ(ストレート)をおよそ1:2で合わせるだけです。酸味が好きなら果汁を多めに入れるなど、好みで調整もできます。

しぼりたては香りが豊かなので、しゃぶしゃぶや鍋を食べるときにそれぞれ自分のお皿でしぼりたてポン酢を作るのがおすすめです。子どもからお年寄りまで楽しめること間違いなしですよ。

皮も活用しよう!

かぼすとすだちの皮も捨てずに活用する方法をご紹介します。皮の汚れが気になるときは、熱湯に20~30秒浸けてから洗うと、汚れが落ちやすくなります。皮の白い部分は苦味が強いので用途によって使い分けます。

・すりおろす
皮(緑色の部分のみ)をすりおろして使います。大根おろしに加えたり、料理の仕上げに散らしたり、スイーツの風味付けに使ったりなど、万能です。

・マーマレードにする
皮を使ってマーマレードを作るのもおすすめ。皮は苦みの強い白い部分も一緒に細切りにしてゆでこぼし、苦みを抜いて果汁、砂糖と一緒に煮ます。オレンジのマーマレードとはひと味違った香りとおいしさです。

・かぼすこしょう、すだちこしょう

「ゆずこしょう」のようにいろいろ使えて便利な調味料「かぼすこしょう」「すだちこしょう」を作ってみませんか。作り方は意外と簡単。かぼすまたはすだちの皮(緑色の部分のみ)と果汁、青唐辛子(ヘタや種を除いたもの)、塩をフードプロセッサーにかけるだけ。

皮と青唐辛子の割合はお好みで調整可能です。塩は全体の約10%を目安に加えます。ぜひ、試してみてくださいね!

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」三輪正幸監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省「e-ヘルスネット」抗酸化ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
・JA「とれたて大百科」スダチ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=65
・JA「とれたて大百科」カボス
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=98
・大分県カボス復興協議会「カボスの味力」
http://www.oitakabosu.com/information/charm/

(最終参照日:2021/03/16)

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

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