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食物繊維たっぷりのヘルシー食材!きくらげの扱い方とおいしいレシピ【乾物と仲良くなろう!】

昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養パワーがアップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズです!

第8回目は「きくらげ」。独特の食感が人気の食材ですが、実はきのこの仲間。ということは、低カロリーで食物繊維も豊富! そんなきくらげを、炒め物や汁物など、いろいろな食べ方で楽しむ方法を教えてもらいます!

きくらげの栄養情報

きくらげの栄養情報

こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・おいしい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。

今回は中華料理や九州ラーメンなどでよく見かけるコリコリとした食感が魅力のきくらげについて、扱い方や栄養、おすすめレシピとともにご紹介します。

きくらげはきのこの仲間です!

きくらげという名前から海産物のように聞こえるかもしれませんが、きのこの仲間です。コリコリとした食感がクラゲに似ていることから「木に生えるクラゲ」で「きくらげ」と名付けられました。形が人の耳に似ていることから漢字では「木耳」と書きます。

ほとんどが乾燥の状態ですが、国内でも栽培されるようになり、生のきくらげも出回っています。

また、台湾スイーツなどに使われる白きくらげという種類もあり、色は半透明で花びらのようにひらひらしています。中国では「銀耳(ぎんじ)」と呼ばれる美容食材。楊貴妃も愛用していたと言われています。

きくらげ(茹でたもの)100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー 14kcal
・食物繊維総量 5.2g
・カルシウム 25mg
・ビタミンD 8.8μg

・食物繊維
ヘルシーなきのこ類ですが、腸内環境を整える「第6の栄養素」と言われて注目されている食物繊維が豊富。きくらげではほとんどが不溶性食物繊維です。腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にするため、便秘解消にも役立ちます。

・ビタミンD
カルシウムの吸収や骨の成長に欠かせない栄養素で、免疫機能も促進します。こちらもきのこ類の中でもトップクラスの量が含まれます。油と合わせると吸収が良くなります。

※出典:『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』

きくらげの調理の基本

きくらげの調理の基本

乾燥きくらげの戻し方

たっぷりの水やぬるま湯にひたします。
大きく膨らむので、戻す量に注意!

【1】ぬるま湯で戻す
さっと水洗いしたものをぬるま湯に浸します(10分〜15分)。

【2】水で戻す
時間に余裕がある時はじっくり時間をかけて戻すとより旨味が出ます(1時間以上)。

どちらの場合も大きさは乾いた状態の5〜6倍になります。一気にたくさん戻した場合には、使いやすい大きさにカットしてジッパー付きのフリーザーパックに入れての冷凍も可能です。約1カ月保存できます。戻す手間なくすぐに使えるので便利ですよ。

生では食べられません!

きくらげに限らず、きのこ類は基本的に生では食べられません。サラダなどに使用する場合は、戻したきくらげを軽く茹でてから。炒め物や汁物にはそのまま入れて大丈夫です。

調理前に石づきを取ります

青い丸の部分が石づき。

石づきとは、裏側の縮んで固くなった部分のこと。指でつまんで、調理バサミで切り取ると簡単です。

きくらげで作る絶品レシピ3選

きくらげで作る絶品レシピ3選

歯触りが楽しい!きくらげ入り春雨サラダ

定番の春雨サラダにきくらげを加えて食感にアクセントを。赤(ハム)、緑(きゅうり)、黄(卵)、白(春雨)、の4色に黒(きくらげ)で、見た目にも美しいサラダです。

【材料】(4人分)

・春雨 100g(乾燥緑豆春雨)
・きゅうり 1本(100g)
・ハム 4枚(80g)
・卵 1個
・きくらげ(乾燥) 5g

<調味料>
・酢 大さじ3
・しょうゆ 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・ごま油 大さじ1
・練りがらし 適量
・白炒りごま 適量

【作り方】

(1)卵はフライパンで薄焼きにし、せん切りにして錦糸卵を作る。

(2)春雨はパッケージの表示に従って茹で、長ければ食べやすい長さに切る。ハムはせん切り、きゅうりは斜め薄切りにしてからせん切りにする。

きくらげをぬるま湯で戻し、さっと茹でる。石づきを取ってせん切りにする。

(3)ボウルに<調味料>を合わせてタレを作る。
※鶏がらスープが溶けにくい場合には電子レンジ(600W)で20秒加熱する。

(4)器に春雨を盛り、きゅうり、ハム、錦糸卵、キクラゲをのせて、タレをかけ、お好みで白炒りごまをふる。

きくらげ・豚肉・卵入り!コク旨野菜炒め

中華料理の定番、きくらげと卵の炒め物。青菜と豚肉を加えて満足感たっぷりに仕上げました。卵は最初に多めの油で炒めて、半熟で取り出して最後に改めて加えることでふわふわに仕上がります。きくらげのコリコリ、ちんげん菜のシャキシャキと、ひと皿で様々な食感が味わえます。

少ない調味料でも、豚肉にしっかり下味をつけているので味がボケません。また、豚肉に片栗粉をもみこむことで、肉の旨味を閉じ込める、肉が柔らかくしっとり仕上がる、仕上げの調味料がよく絡むなどのうれしい効果があります。

【材料】(4人分)

・豚こま切れ肉 200g
・卵 2個
・マヨネーズ 大さじ2
・きくらげ(乾燥) 6g
・ちんげん菜 2束(300g)
・サラダ油 大さじ2
・ごま油 大さじ1

<下味>
・酒・しょうゆ 各小さじ2
・おろしにんにく 小さじ1
・片栗粉 大さじ2
<調味料>
・しょうゆ 大さじ1
・オイスターソース 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・こしょう 少々

下準備

・豚こま切れ肉は<下味>の材料をもみこんで5分以上おく。
・きくらげはぬるま湯で戻して、石づきを取り一口大に切る。
・卵は溶いて、マヨネーズをあわせる。
・ちんげん菜は軸と葉先に分けて一口大に切る。

(1)下味をつけた豚肉に片栗粉をまぶしておく。

(2)フライパンにサラダ油を熱し、卵を入れてさっとかき混ぜ、半熟の状態で別皿に取る。

(3)フライパンにごま油を足して、豚肉を入れて炒め、肉の色が変わったらちんげん菜の軸の部分、きくらげを加えて炒め合わせる。

(4)ちんげん菜の葉先を入れ、<調味料>を加えて調味して、卵を戻して軽く混ぜる。器に盛り、お好みで白ごまをふる。

きくらげ入り酸辣湯(サンラータン)

優しいとろみをつけた、酸味が効いたピリ辛スープです。火の通りが早い具材ばかりなので、すぐにできるのもうれしい! ボリュームがあるのに満腹感のあるヘルシースープです。

ここに茹でた中華麺を加えれば酸辣湯麺に。豚肉や豆腐を入れるなど、具材もアレンジしてみてください。ラー油や酢の量はお好みでどうぞ。

卵をふんわり仕上げるコツは、スープにとろみをつけてから溶き卵を加えることです。順序を逆にしないように気をつけましょう。

【材料】(2-3人分)
・もやし 1袋(200g)
・カニかまぼこ 50g
・きくらげ(乾燥) 5g
・卵 1個
・ラー油 適量
・酢 大さじ2-3

<調味料>
・水 3カップ
・鶏がらスープの素 小さじ2
・しょうゆ 大さじ1
・酒 大さじ1
・砂糖 小さじ2
・塩・こしょう 各少々
・小ねぎ 2本(小口切り)
・片栗粉 大さじ1(同量の水で溶いておく)

【作り方】

下準備
・きくらげはぬるま湯で戻して、石づきを取り、せん切りする。

(1)鍋に<調味料>ともやし、きくらげ、カニかまぼこを加えて蓋をし、もやしがやわらかくなるまで1分ほど煮る。

(2)水溶き片栗粉でとろみをつけ、溶き卵を回し入れたら火を止め、余熱で火を通す。器に盛り、酢、小ねぎ、ラー油をかける。

きくらげは無味無臭なのでどんなお料理にも合います。中華料理にこだわらず、いろいろな料理に加えるとコリコリの食感がお料理のアクセントになります。ここでご紹介した以外にも、八宝菜や酢豚、冷やし中華、ラーメン、和風の酢の物、茶碗蒸しなどさまざまに利用できます。

ただし、きくらげの食べ過ぎには注意が必要です。豊富に食物繊維が含まれているため、摂りすぎるとお腹がゆるくなることもあります。ほどほどにしましょうね。

ほとんどが中国産の輸入品ですが、国産の生きくらげも出回るようになりました。乾燥きくらげとはまた違ったプリプリ食感で、これもとてもおいしいものです。見かけたらぜひ試してみてくださいね。

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