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甘いのは上or下?色によって違いは?メロンの栄養と選び方からおいしい食べ方&保存方法まで

とろける果肉と甘い香りにうっとり。メロンは、品種によっても違った見た目や味わいを楽しめる夏のフルーツの代表格です。贈り物としても重宝され高級なイメージがありますが、近年では手頃な価格のものも増えて身近な存在に。意外と知らないその栄養上の特徴や、おいしいメロンの選び方、簡単なメロンの切り方などを解説します。

メロンの栄養情報

メロンの栄養情報

メロン(緑肉種)100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:45kcal
・炭水化物:10.4g
・糖質:9.9g
・食物繊維:0.5g
・カリウム:350g
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.2mg
・ビタミンA(β-カロテン):140μg
・ビタミンE(α-トコフェロール):0.2mg
・ビタミンB6:0.11mg
・葉酸:24μg
・ビタミンC:25mg

赤肉メロンと青肉メロンで栄養に違いはある?

メロンは果肉の色がオレンジ色の「赤肉メロン」と緑色の「青肉メロン」に大きく二分されます。品種や熟成度合いにもよりますが、一般的に赤肉メロンは香りや味わいが濃厚、青肉メロンは爽やかな香りが特徴で、さっぱりとした味わいです。

赤肉メロン100gあたりに含まれる栄養素を見てみましょう。

赤肉メロン100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:45kcal
・炭水化物:10.4g
・糖質:9.9g
・食物繊維:0.5g
・カリウム:350g
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.2mg
・ビタミンA(β-カロテン):3600μg
・ビタミンE(α-トコフェロール):0.2mg
・ビタミンB6:0.11mg
・葉酸:24μg
・ビタミンC:25mg

その果肉の色から、なんとなく赤肉メロンのほうが栄養豊富に感じられますが、ほとんどの栄養素は同じ値です。ただ、ひとつ飛びぬけているのがβ-カロテン。青肉メロンに比べて約25.7倍も多く含まれています。

β-カロテンについてはのちほど詳しくお伝えします。

メロンの糖質・カロリーとダイエットの関係

メロンはバナナ、りんご、みかん、キウイなどと比べてエネルギー・糖質ともに控えめな果物です。食物繊維やカリウムが含まれていて、ダイエット中も安心して食べられます。果物を食べる量はだいたい1日200gを目安にしましょう。

【果物100g当たりのエネルギーと糖質】

・メロン:45kcal、糖質9.9g
・バナナ:93kcal、糖質21.4g
・りんご:56kcal、糖質14.3g
・みかん:49kcal、糖質11.0g
・キウイ:51kcal、糖質10.8g

メロンに期待できる効果・効能

メロンに期待できる効果・効能

むくみ防止に役立つカリウム

カリウムは水分代謝に必要なミネラルで、美容面からは顔や脚のむくみ予防におすすめ。果物だけでなく野菜類にも含まれますが、水溶性のため茹でる、煮るなど加熱調理することで流失してしまいます。その点、メロンは生のまま手軽に食べられるのでカリウム補給にぴったりです。

また、カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあることからも重要な栄養素といえます。

メロンで多様なビタミンが補給できる!

メロンには健康や美容に役立つさまざまなビタミンが含まれています。

・β-カロテン
体内でビタミンAとして利用されるためプロビタミンAと呼ばれます。特に赤肉メロンに豊富です。皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあり、乾燥肌やニキビの予防に役立つほか、抗酸化作用によって老化予防(アンチエイジング)も期待できますよ。

・α-トコフェロール
ビタミンEとして働く栄養素のなかで最も強い作用を持つのがα-トコフェロールです。抗酸化作用があり、老化や動脈硬化の予防に役立ちます。末梢血管を拡張する働きは、肌の血色の良さにもつながります。

・葉酸
ビタミンB群の仲間で赤血球を作るために必要な栄養素。貧血予防に役立ちます。特に産前産後や赤ちゃんの成長に欠かせませんが、男女問わずすべての人に大切な栄養素です。ビタミンB12と相性が良く、力を合わせて働きます。

・ビタミンC
コラーゲンを生成するために必要な栄養素です。皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあり、しみ・そばかす予防も期待できます。美容だけでなく免疫力を高める、貧血予防(鉄分の吸収を助ける)、ストレスへの抵抗力を高めるなど健康にもうれしい、さまざまな働きを持っています。

「生ハムメロン」って実は…

メロンといえば「生ハムメロン」がよく知られていますが、生ハムに含まれるビタミンB12とメロンに含まれる葉酸の組み合わせは栄養面でも効率的。

さらに、塩分が多い生ハムとカリウムを含むメロンも適した食べ合わせと言えます。おいしいだけでなく、栄養面からみても理にかなった組み合わせなんですね。

メロンの保存方法・おいしい食べ方

メロンの保存方法・おいしい食べ方

おいしいメロンの選び方教えます!

おいしい食べごろのメロンの特徴は以下の通りです。

・甘い、いい香りがしてきたもの
・指で軽くおしりを押すと、やわらかく弾力を感じる
・軸が太く、ツルは細く枯れている
・表面にネットという柄があるものはそれが細かく均一で美しい
・手に持つとずっしりと重みがあるものはみずみずしい

メロンを追熟させたいとき

収穫したばかりの未熟なメロンは、やわらかく甘くなるまで常温(または冷暗所)に置いて追熟させます。収穫日が記されたシールが貼ってあることもあるのでチェックします。追熟にかかる日数は収穫から3~7日ほど。食べごろのサインは前述の通りなのですが、完熟になったメロンは傷みやすいので丁寧に取り扱い、なるべく早めに食べましょう。

メロンの保存方法

・冷蔵保存

メロンは食べる1~2時間前に冷蔵庫で冷やして食べるのが一番おすすめです。冷やしすぎると味が落ちてしまうため、長時間の冷蔵保存は向きません。

カットしたメロンが一度で食べ切れないときには、なるべく空気に触れないようにピタッとラップをして冷蔵庫へ。1~2日以内には食べ切りましょう。

・冷凍保存

完熟して食べ切れないメロンは冷凍保存がおすすめです。皮と種を取り除き、食べやすい大きさにカットしたら、重ならないように保存袋に並べて入れ、空気を抜き封をして冷凍庫へ。このとき、金属製のトレーを敷いておくと早く冷やすことができて鮮度を維持しやすくなります。

冷凍メロンは冷蔵庫に移して半解凍でそのままシャーベットのような食感が味わえます。もしくは凍ったまま、ミキサーにかけてジェラートやスムージーとしても、おいしく食べられます。

完全に解凍してしまうと味や食感を損なうので、解凍中は忘れないように気をつけてくださいね。冷凍メロンは1カ月ほど持ちますが、なるべく早めに使い切りましょう。

メロンの基本の切り方

・メロンの基本の切り方

メロンはおしりの部分が甘いので、甘さを平等に分けるならくし切りが最適です。

1.  メロンを縦に半分に切る。
2. ワタと種をスプーンで取り除く(ワタの周りは甘いので削りすぎないように)。
3. 半分になったメロンを縦方向に4等分に切り分ける。

ワタの部分も捨てないで!

ワタの部分は捨ててしまうこともありますが、実はとっても甘くて栄養素も多く含まれています。せっかくなら、余すことなく味わいたいですね。以下のようにして食べるのもおすすめです。

■メロンヨーグルト

種を除いたワタをヨーグルトにのせるだけ。おいしいメロンヨーグルトに変身させることができますよ。混ぜ合わせて冷凍すれば冷凍メロンシャーベットも簡単に作れます。

■自家製メロンソーダ

ワタと種をザルで濾したメロン果汁を炭酸水で割れば自家製の「生メロンソーダ」が作れます。メロン果汁を製氷皿で冷凍しておけば、いつでも炭酸水に入れて溶かしながら生メロンソーダを楽しめますよ。

赤肉メロンを使えば、ほんのりオレンジ色の珍しいメロンソーダに。ぜひ一度味わってみてくださいね!

・撮影/黒石 あみ(小学館)

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省 農林水産省「食事バランスガイド」
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」三輪正幸監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員「くだものの栄養素」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_01.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの健康効果」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_02.html
・JA「とれたて大百科」メロン
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=29

(最終参照日:2022/01/23)

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