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旬のアスパラガスには栄養がたっぷり!栄養を逃さない食べ方や保存方法を学ぼう【管理栄養士監修】

甘みのある味わい、独特の香りと歯ごたえで、茹でても焼いても揚げてもおいしいアスパラガス。旬は5月から6月の初夏の野菜です。どんな栄養があるの?ベストな茹で時間は?上手な保存方法は?などの疑問に、管理栄養士の中村りえさんが答えてくれました! より料理や食事が楽しくなる、野菜の基本知識シリーズです。

アスパラガスには健康や美肌にうれしい栄養がたっぷり!

アスパラガスに含まれる主な栄養素(100gあたり)

  • エネルギー:21kcal
  • たんぱく質:2.6g
  • 炭水化物:3.9g
  • 食物繊維:1.8g
  • 葉酸:190μg
  • ビタミンC:15mg
  • ビタミンE:1.5mg
  • カリウム:270mg

ビタミンやミネラルが豊富

アスパラガスにはビタミンB群の葉酸、ビタミンC、ビタミンE、カリウムなど多くの栄養素が含まれています。

葉酸は細胞の生産に関係しており、体の発育のために欠かせない栄養素。そのため、妊娠中は特に多く必要になります。赤血球を作る原料として使われることから、貧血予防にも効果が期待できます。

ビタミンCはコラーゲン生成に関わっており、シミやしわを防ぐ働きがあるため美肌作りのためにはしっかり摂りたい栄養素です。

体内の脂質が酸化するのを防ぐ抗酸化作用があるビタミンE、過剰なナトリウムを排出して体内の水分を調整する働きのあるカリウムなども含みます。

疲労回復を助けるアスパラギン酸

アスパラガスから発見されたことで名付けられたアスパラギン酸はアミノ酸の一種で、エネルギーを作り出して疲労回復の効果が期待できる成分です。疲労の原因である乳酸を分解する働きがあるため、栄養ドリンクにも使われています。レモン、梅干しなどクエン酸を含む食品と一緒に摂ると疲労回復の相乗効果が期待できますよ。

アスパラガスをおいしく食べる下処理方法

皮はどこまでむけばいい?

アスパラガスの茎の固い部分は食感を損なうので皮をむいて使います。ピーラーを使うと薄く皮をむくことができます。

普通のアスパラは皮をむくのは根元側の1/3程度。春に出回るアスパラガスは根元がやわらかいことが多いので、短めに3cmほどをむくだけで使うことができます。

一方、ホワイトアスパラガスは全体的に皮が固いので穂先以外を厚めにむいて使うようにします。

アスパラガスにある三角形をしている節を「はかま」と言いますが、これは硬さが気にならなければ取らなくても大丈夫です。やわらかく仕上げたい場合は三角形に包丁を入れて、はかまを親指で押さえて手前に引っ張るようにすると簡単に取り除くことができます。

ベストな茹で時間は?

アスパラガスのおいしい茹で方をご紹介します。茹ですぎると歯ごたえがなくなってしまうので、ちょっとしたコツが必要です。

お湯に塩を入れて茹でることで色よく仕上がるので、沸騰したお湯に塩を少々入れます。アスパラガスは切らずに長い状態のまま、先に根元を30秒ほど茹でてから、全体をお湯に入れて1分程度茹でると適度に歯ごたえが残っておいしく食べられます。

 

好みにより、固めがいい場合は全体を入れてから30秒程度、やわらかめがいい場合は1分30秒程度にしても。また、茹で時間は太さによって変わってくるので細いものは短めに、太いものは長めに調整するようにします。

アスパラガスを切ってから茹でると、ビタミンCなどの水に溶ける性質の栄養素が流れてしまいますから、切らずに茹でるのがおすすめです。茹でた後は水にさらさずにザルなどにあげて水気を切ります。

電子レンジで調理する際のポイント

茹でる代わりに電子レンジの調理も可能です。お好みの長さに切ってラップに包み、600wの電子レンジで1分20~40秒ほど加熱します。加熱時間は太さ、お好みの食感で調整してください。

葉酸やビタミンC、カリウムなど水に溶ける性質の栄養素を多く含むアスパラガスは、電子レンジ調理することで栄養素を効率よく摂取できます。

アスパラガスの鮮度をキープする保存方法

おいしいアスパラガスを見分けるポイントを伝授!

アスパラガスは鮮度がよいほどやわらかくておいしい野菜。ここでは新鮮なアスパラガスを選ぶポイントを3つご紹介します。

  • 太くまっすぐに伸びていて形が良く、穂先が固く締まっている
  • 緑の色が鮮やかなもの
  • 切り口はみずみずしくて茎が固くなっていないもの

新鮮なアスパラを購入したら早めに食べることも大切です。

野菜室で保存するときの注意点

切り口が乾燥しやすいので、茎を湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れるかラップで包み、野菜室で保存します。育ったときと同じように立てて保存することで傷みにくくなります。

日持ちは4~5日が目安ですが、前述したようにアスパラガスは新鮮さが命の野菜。日が経つにつれて乾燥して筋張ってくるので早めに使い切りましょう。

冷凍保存すれば1カ月間楽しめる

アスパラガスをすぐに使い切れない場合は冷凍保存で楽しみませんか? 冷凍するときは茎の固い部分を取り除いてから生のまま、下茹でしたものどちらも冷凍することができます。

冷凍したアスパラガスは凍ったまま切ることができるので、切ってから冷凍しても、長いまま冷凍してもOK。冷凍のまま炒めものやスープに入れてもよいですし、電子レンジで解凍してサラダとして使うこともできます。下茹でしてから冷凍する場合は固めに茹でると解凍したときにやわらかすぎず、おいしく食べられます。

生でも加熱後でも、冷凍してから1カ月以内に使ってくださいね。

 

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・農林水産省「aff」20年6月号 アスパラガス – 達人レシピ
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2006/producer01.html
・JAグループ「とれたて大百科」グリーンアスパラガス
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=21
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カリウム
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店
・「その調理、9割の栄養捨ててます!」 東京慈恵医科大学附属病院栄養部監修 世界文化社

(最終参照日 すべて2020/02/16)

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