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白菜でビタミン補給&ひと玉使い切りのための上手な保存や切り方まで徹底解説!【管理栄養士監修】

これからの季節、食べる機会が増える白菜。くせのない優しい味わいで、和洋中いろいろな料理に活用できます。よく食べてはいるけれど意外と知らない白菜の栄養情報から、鍋をするときの白菜の切り方、大きいまま買ったけど使いきれない!というときの上手な保存方法まで、管理栄養士の中村りえさんに徹底解説してもらいました。

白菜はビタミン豊富な冬野菜

ビタミンCや葉酸は健康な体作りにお役立ち

白菜にはビタミンC、葉酸、カリウム、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。

白菜は鍋料理に使うことも多いと思いますが、ビタミンCは熱に弱く、水に溶ける性質があるので、ビタミンCを効率的に摂取したい場合は生で食べる料理がおすすめです。みずみずしい食感を活かしてサラダ、浅漬けなどもメニューに取り入れてみましょう。

葉酸は赤血球を作る際に必要とされるので、貧血予防にも不可欠な栄養素です。葉酸は細胞を作るときに必要なDNA合成にも関係しているため、妊娠中にはより多くの量が必要になります。

ダイエット中も安心な低カロリー野菜

白菜は100gあたり14kcalとエネルギーが低く、95%が水分の野菜です。同じ葉物野菜のキャベツは100gあたり23kcalなのでそれと比較してもかなり低め。

また、白菜には便秘予防に効果が期待できる食物繊維が含まれています。食物繊維は整腸作用以外に過剰な脂質やナトリウムを吸着して身体から排出する働きがあるため第六の栄養素と呼ばれています。血糖値の急上昇を抑える働きもあるので、ダイエット中は食物繊維をしっかり摂るのがおすすめです。

 

白菜の鮮度をキープする保存方法

丸ごとなら室温でOK、カットしたら冷蔵庫へ

白菜を丸ごと買うと冷蔵庫に入りきらないからカットしたものを選ぶという方も多いのではないでしょうか。丸ごと保存するほうが日持ちしますが、カットしたものでも保存方法によってより長く鮮度をキープすることができます。それぞれの保存方法について説明します。

【丸ごと】

丸ごとの白菜は保存状態がよければ3~4週間ほどおいしく食べられます。白菜をまずキッチンぺーパーで包んでからさらに新聞紙で包みます。冬の寒い時期であれば冷蔵庫でなくても玄関や廊下など涼しい場所に置いておけばOK。寝かせて保存すると白菜の重みで葉が痛むので、立てて保存しましょう。外側の葉からはがして使っていきます。

【カットしたもの】

カット済の白菜を買ってきたら、まず芯の部分に包丁でV字に切り込みを入れて芯を取ります。芯を取った場所に濡らしたキッチンペーパーを詰めておくと乾燥を防ぎ、みずみずしい状態をキープすることができます。その後全体をラップで包み、冷蔵庫で保管します。カットしてあるものは早めに使い切ってください。

使い切れない場合は冷凍保存がおすすめ

カットした白菜はしなびやすいため、すぐに使い切れない場合は冷凍保存がおすすめです。

生のまま保存する場合は、ざく切り(切り方は後述)にして保存袋に入れ、平らにして冷凍してください。使うときは凍ったまま加熱調理できます。

茹でてから冷凍する場合は、ざく切りにしてかために茹でた白菜の水気をしっかり絞ってから保存袋に入れて平らにして冷凍庫へ。自然解凍でおひたしやサラダにしても、凍ったまま加調理しても。茹でるとカサが減ってコンパクトに冷凍できます。

どちらも冷凍してから1カ月程度を目安に使い切りましょう。 

長期保存なら漬物もおすすめ!

白菜といえば白菜漬け、キムチなどの漬物もおいしいですよね。漬物は塩を使って保存性を高めた保存食のひとつです。

昔ながらの漬物は、白菜に対して3~4%程度の塩で作るのがおいしいといわれています。塩分濃度が高いほど保存性が高まりますが、塩分が多いので食べる量には気を付け、塩抜きしてから食べるなど工夫してくださいね。家庭で作りやすい浅漬けは塩分が少ないので、作ってから1~2日程度で食べ切るようにします。

白菜に黒い斑点!食べても大丈夫?

白菜の葉に黒い斑点が出ていることがあります。これはポリフェノールの一部が褐色化したもので、安心して食べられます。栽培時の天候や肥料によって窒素が過剰になると起きる現象で、ゴマをふったような見た目から「ゴマ症」と呼ばれます。実はゴマ症が出ている白菜には甘みがあるともいわれているんですよ。

 

白菜の切り方をマスターしてよりおいしく!

お鍋料理の定番:ざく切り

鍋料理や炒め物の定番ざく切り。葉を1枚ずつ剥がして3~4cmほどの幅で大きめに切ります。白い芯の部分と葉の部分で火の通りが異なるので、炒めるときは火が通りやすい葉の部分は後から加えると食感が均一になります。

炒め物に活躍するそぎ切り 

煮込み料理や炒め物に使いやすいそぎ切り。切り口の表面積が広いので火が通りやすくなります。白菜の芯と葉の境目をV字にカットして切り分け、芯の部分に対して包丁を寝かすように手前に引きながら切ります。切るときの幅は炒め物なら2cmほど、鍋料理なら3~4cmと料理に合わせて調整してくださいね。葉の部分はざく切りに。

サラダなどに使いやすい細切り

炒め物やサラダに使うときの細切り。1枚ずつはがした葉を5mm程度の幅に切ります。サラダなど生で料理にするのであれば繊維に沿って切るとシャキシャキとした食感が楽しめます。一方、繊維を断って切ると火が通りやすくやわらかい食感になりますよ。

撮影:田中 麻以(小学館)

 

【参考】

・文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・厚生労働省「e-ヘルスネット」食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ダイエット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html
・農林水産省「北陸農政局」今月の園芸特産作物:12月 はくさい
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201812.html
・JA長野県「農畜産物情報」ハクサイ
https://www.iijan.or.jp/sp/chikusan/product15/
・農林水産省「消費者の部屋」令和2年10月号
https://www.maff.go.jp/j/heya/annai/tusin/attach/pdf/index-57.pdf
・「新・野菜の便利帳」板木利隆監修 高橋書店

(最終参照日 すべて2020/11/13)

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