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【節約の達人テク その1】 つけっぱなしorオンオフ? 「エアコンの賢い節電テク」Q&A

電気代の請求書を見て高くてビックリしたことがあるという方はいませんか? 特に暑い季節の場合、電気使用量のなかで最大なものは、なんといってもエアコン冷房(クーラー)です。

エアコンは“つけっぱなし”にしたほうが節電になるなど、様々なテクニックがまことしやかに囁かれていますが、忙しい働き主婦にとって、どんな対策をするとよいのでしょうか?

そこで今回は、節約アドバイザーの和田由貴さんに、“エアコンの電気代の賢い節約方法”について教えていただきました。

エアコン冷房(クーラー)の電気代は、1時間あたりいくら?

Q1.エアコンの、1時間あたりの電気代を教えてください。

A1.電気代は、条件によって異なります!

「電気代は、運転時の使用状況や電力会社との契約内容によって変わっていきます。目安として、DAIKINのWEBサイトで公開されている算出方法を参考にすると、『S25TTRXS-W』という機種の冷房の場合、1時間あたり13.5円の電気代がかかることがわかります。

自分の家のエアコンの機種と、契約内容を調べて算出してみてください」

 

つけっぱなしorこまめにオフ? エアコン節電テクの正解とは

Q2.エアコンの節電テクのなかで、いちばん効果的な方法とは?

A2.「設定温度を高めにする」のが最も効果的。

「エアコンが最も電気を使うのは、つけたときに動く“コンプレッサー”です。部屋が暑い状態では、コンプレッサーがフル稼働するので、設定温度に下がるまで電力が多くかかってしまいます。

つまり、設定温度を高めにしておくと、その温度に達するまでのコンプレッサーの稼働時間が短くなり、消費電力を少なくすることができるのです。設定温度を1度上げると、10%ほど消費電力が少なくなると言われています」

 

Q3.エアコンをこまめに消すほうがいいか、つけっぱなしにしたほうがいいか、毎年のように論争となっていますが、実際はどちらが節電になりますか?

A3.エアコンを切ってすぐ室内温度が上がる状態なら「つけっぱなし」が正解。

「その時どきの部屋の状態によってかなり違いますね。例えば、部屋の日当たりが良く、スイッチを切ったあと短時間で室内温度が2〜3度上がるような状態であれば、再度エアコンをつけたとき、温度を大きく下げようとしてコンプレッサーがフル稼働することになり、消費電力が多くなります。

この場合はつけっぱなしにしたほうが節電になるでしょう。

夕方以降の涼しい時間帯であれば、再度つけても消費電力が少なくて済むので、いったんエアコンをオフにしたほうが節約になるかもしれません」

 

エアコンと併用するなら何が有効?

Q4.扇風機やカーテンなど、エアコン以外のものを併用すると、節電の効果が上がりますか?

A4.扇風機もカーテンも効果的ですが、「夏は外側、冬は内側」を対策しましょう。

「夏の場合、窓の外側で日差しを防ぐと効果的です。カーテンだけを使い、窓に日差しが当たる状態では、窓自体が熱をもち、室内が暑くなってしまいます。しかし、外側でよしずやすだれを使うと、窓に日差しが当たりにくいので窓が熱くなりません。

逆に冬は、丈の長い厚手のカーテンを窓の内側で閉めて、部屋の温かい空気を外に逃さないようにすると効果的ですね。夏と冬では対策を変えたほうがいいでしょう」

 

エアコンの「除湿運転」は節電になる?

Q5.除湿か冷房か、どちらが節電として効果的ですか?

A5.「弱冷房除湿」は節電になりますが、「再熱除湿」はかえって割高に。

「実は、除湿には2種類の仕方があるのです。ひとつは、“弱冷房除湿”といわれるもので、これは弱く冷房をかけているのと同じような状態になります。弱い冷房なので当然電気代も安いし、温度もあまり下がりません。

もうひとつは、“再熱除湿”という方法です。これは、部屋の温度を変えないで湿度だけを下げるという運転です。一旦エアコンの冷房運転と同じように、内部で空気を冷やして水滴にして除湿をするのですが、部屋の温度に近づくよう暖めてから送風するので、電気代がかかります。

自分の家のエアコンが、どちらの方法の除湿なのかは、トリセツ(取扱説明書)に書いてありますので確認してみてください。

除湿運転の正しい使い方を知らない方が多いのですが、例えば梅雨どきの、気温は低いけれど湿気が多いとき、あるいは冬場に部屋に洗濯物を干して湿気が多くなるときに活躍してくれます。

除湿器ではないので、エアコンで湿気だけを取るということはできません。結局のところ、エアコンでできることは冷やすことと温めることだけ。冷房をつけていると、室外機からいっぱい水が出てきますよね。除湿をあえて選ばなくても、ちゃんと除湿できているんですよ」

 

面倒なようでも「エアコン掃除」は節電に有効!?

Q6.エアコンの掃除は節電にも効果がありますか? 本体はどう掃除したら?

A6.隔週でのフィルター掃除がおすすめ! 

「フィルターが詰まっている状態だと、それだけで電気代が5%くらい余計にかかります。リビングなどよく使う部屋のエアコンは、2週間に1度フィルターを外して掃除をすると理想的ですね。

あまりに放っていると、ほこりがこびりついてしまいフィルターの水洗いが必要になってきます。そうすると逆に手間がかかりますよね。2週に1度くらいだと、ちょっと掃除機をかける程度でもきれいになります。マメにやった方が結局はラクなんです」

 

Q7.室外機の掃除も、節電のためにしたほうがいいですか?

A7.風通しがよくなるよう、ワンシーズンに1度は掃除しましょう!

「室外機は、吹き出し口の後ろ側に細かい羽があるのですが、その部分の内側に冷却器が通っています。ファンが回りそこに風が通ることで冷却しているのですが、ゴミやホコリが詰まっているとうまく冷やされずに、余計に電気代がかかります。

ワンシーズンに1度の目安で掃除するといいですね。

置き場所も、壁にぴったりとくっつけたり、周りに植木鉢をたくさん置いたりすると風の通り道を塞いでしまうことになるので、気を付けてください」

 

最新の家電は機能満載…節電には「トリセツ」が必須!?

Q8.新しい家電は機能がたくさんついていて、電気代が余計にかかるのでは?

A8.使わない機能は自分でオフに設定しましょう。

「とにかくトリセツをちゃんと読みましょう。トリセツを読まないという方が多いですが、実は取扱説明書には、どうやったら節電できるか、どのように使ったら効果的かなど、お得な情報がたくさん書いてあります。機能があり過ぎていても、自分が使いやすいように設定を変えることでアレンジできます。

お掃除の仕方や、オススメの置き場所についても、アドバイスがちゃんと書いてあります。

使う前にトリセツをじっくり読むことが、時間もお金も節約へとつながりますよ」

 

意外と知らずにいたエアコン冷房の節電テクはありませんでしたか?

フィルターや室外機の掃除、よしずの併用、トリセツの見直しなど、まだやっていなかったことがあれば試してみましょう。

 

まとめ

  1. 「設定温度を高めする」のが最も効果的
  2. エアコンを切ってすぐ室内温度が上がる状態なら「つけっぱなし」がベスト
  3. 併用するなら、「夏は外側、冬は内側」を対策
  4. ドライ運転のうち「弱冷房除湿」は節電になるが、「再熱除湿」は逆効果
  5. エアコンのフィルター掃除は隔週がおすすめ
  6. 使わない機能は自分で設定をオフにすると節電に

(※情報は2017年10月現在のものです)


節約アドバイザー

和田由貴(わだ ゆうき)

日本女子大学家政学部卒業。消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、暮らしや家事の専門家として多方面で活動。2007年環境大臣より「3R推進マイスター」委嘱。著書に『和田由貴のシンプル節約術』(あさ出版)ほか。2子の母で現役の節約主婦。

オフィシャルホームページ

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