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もうナンプラーを余らせない!料理バリエが広がる「ナンプラー」活用法#使い方編

今やどこのスーパーマーケットにも売っているナンプラーですが、意外と「最後まで使いきれず、冷蔵庫の奥で眠っている」という人が多いようです。「何に使ったらいいのかわからない」「エスニック料理以外使い道あるの?」「夏が終わると途端に出番がなくなる」……etc.

その悩み、お任せください! 買えば1本が一気になくなる、ナンプラー大好きフードジャーナリストのわたくし中田ぷうと、料理家の尾田衣子さんがナンプラーの使い方と使いきりレシピを2回にわたってお教えします。

そもそもナンプラーって何でしょう?実はおしょうゆ代わりに使えます!

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ナンプラーとはグリーンカレーやトムヤムクンなどのタイ料理に欠かせない魚から作られたおしょうゆ=魚醤のこと。カタクチイワシなどの小魚に塩をまぶし、発酵・熟成させることで作られます。日本にも「いしり」(富山県)や「しょっつる」(秋田県)などの魚醤がありますよね。そのせいでしょうか。ナンプラーが日本の食卓になじむ速度は速かったように感じます。

魚が持つたんぱく質がアミノ酸によって分解されることで、うまみ成分であるグルタミン酸が生まれ、大豆から作るしょうゆとはまた違う、奥深いおいしさが楽しめるナンプラー。

「旨味が凝縮された調味料ながら、しょうゆよりあっさりしているので実は料理に取り入れやすいんですよ。だから、ナンプラー=エスニック料理という思い込みをまず捨ててください。“おしょうゆの代わりに使える”くらいの感覚でいろんな料理に用いてみるといいですよ」と尾田さんは話します。

ナンプラーの使い方。合わせると相性抜群なのは…

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尾田さんの言う通り、ナンプラーのよさはあのまろやかさ。しょうゆよりも濃くないので、どんな料理にも取り入れやすいんです。だから冷やっこにナンプラーとパクチーなんていうのもおいしいんですよ(このとき少しだけナンプラーに砂糖を入れるとちょっと甘くなって私は好きです)。また、相性のいい調味料と合わせるとさらにおいしさのパワーを発揮。たとえば、こんな使い方も。

●ナンプラー×バター
チャーハンや炒め物に。

●ナンプラー×砂糖
炒め物や焼きそば、煮物に。厚揚げなど煮ると最高。卵焼きを作ってもおいしい。

●ナンプラー×みりん
鶏肉などこれで下味をつけて唐揚げにすると美味。

●ナンプラー×ごま油
ごはんをこれで味付けし、刻んだパクチーを混ぜて握った“エスニックおむすび”は呑みのシメに大人気。

これらはいずれもわが家では鉄板のナンプラー使いです。

絶品!中田家で大好評の「ナンプラーしゃぶしゃぶ」レシピ

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アジアの調味料・タイ料理に使われる調味料ということから、「暑い季節が終わるとナンプラーの出番がない」という声も聞きますが、もったいない!ぜひ寒い季節も使ってあげてください。うちの冬の鉄板ナンプラー鍋レシピをご紹介しましょう。

<ナンプラーしゃぶしゃぶ>

材料(量はお好みで)
ほうれん草
豚しゃぶ肉
にんにく
ナンプラー
日本酒

砂糖

作り方
(1)鍋に水と日本酒、ナンプラー、にんにくを入れ、火にかける。砂糖少々で調味する。
(2)豚しゃぶ肉とほうれん草をしゃぶしゃぶしていただく。

コツもとくにいらずこれだけですが、最高においしい鍋料理です。具もあえてきのこや豆腐など入れず、この2品だけにすることで、ナンプラーの滋味を楽しめます。

ぜひ試してみてくださいね。次回は料理家・尾田さんのナンプラーレシピをご紹介します。


 

【取材協力】

尾田衣子
料理家。料理教室「アシェット ド キヌ」主宰。大学卒業後、一般企業に就職するも、料理好きが高じて、働きながらクッキングスクールに通う。その後、ル・コルドン・ブルー東京校、イタリア留学を経て、東京・西荻窪で料理教室を開く。柑橘料理・薬味マニアとしても知られ、著書に「薬味食堂」(朝日新聞出版)、「柑橘料理の本」(オーバーラップ)がある。塩レモンに続く、人気手作り万能調味料「みりんレモン」の発案者。

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