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「2022年の新米」の特徴は?よりおいしく食べる方法を五ツ星お米マイスターが伝授します!

お楽しみの新米の季節がやってきました。戻り梅雨、猛暑、大型台風と続いた今夏、気になるのは「新米の出来具合」。そこで、五ツ星お米マイスターの西島豊造さんに、今年の新米の傾向とおいしく食べるコツについて、懇切に教えてもらいました。

戻り梅雨、猛暑、台風…米も過酷な状況を乗り越えた!

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6月末、異例の早さの梅雨明け宣言(関東甲信越)で幕を開けた今年の夏。実際は全国の梅雨明けは、後ほど7月下旬に大幅修正されたように、梅雨明けとは裏腹に7月はとにかく長雨が続きました。

さらに8月は猛暑日(35℃以上を超える日)が連日続き、東京都心での猛暑日過去最多日数を記録しました。そして9月に入ると、今度は大型台風と線状降水帯が全国を襲います。

このように過酷すぎる今夏の気象状況は、米にも多大な影響を与えてしまった可能性があると、西島さんは話します。

「今年6月までは全国的に豊作傾向でした。ところがここからの戻り梅雨……。産地によっては、7月は稲穂に花が咲き、実が出始める大切な時期で、このときに日光がたっぷり必要なのに、今年は長雨で、気温はありながらもとにかく太陽が出なかった。そのような状態で今度は猛暑が襲ってきた。一見稲穂はキレイに見えても、精米したら米が割れてしまっている……そのような状況が全国的にありえそうです。

「今年は長雨や日照不足の影響で、全国的に細い米がとにかく多い」と、西島さん。

気温があっても長雨や台風の影響で、米はまるで水ぶくれのような状態に。

日照不足により、通常の米よりも細長く痩せているのが特徴です。そうなると、食感的に水っぽかったりやわらかさを感じやすくなります。

今年は特に独特で、全体的にその傾向があるのです」(西島さん、以下「」内同)

赤い丸で囲んだ中にある白っぽい米が「シラタ」。

また、米が透明ではなく、白っぽくなる「シラタ」と呼ばれる気象被害を受けた米が多く混ざりやすいのも特徴です。

通常はレーザーで取り除かれるのですが、今年は「シラタ」が多いため、取り除けずに残ってしまう場合もあるとのこと。

白く濁っているのは、デンプンを十分に蓄えられず空気が入ってしまっているから。実際に炊くと「シラタ」の白い部分が溶けてのりとなって残り、余分な水っぽさと粘り気が出てしまいがちです。

やわらかめのお米がお好きな方は、「シラタ」が多いのを選んでもいいかもしれません。

米粒が大きいものを選ぶと外れにくい。

また、米袋の窓から米粒の大きさをチェックするのもおすすめ。

「気候が暑過ぎると、もみ殻が鎧のように厚くなって、中の米を守ります。でもその分、米は小粒になりやすい。小粒な米は味が出にくいこともあるので、なるべく粒が大きめのものを選ぶのがおすすめです。

多くの米袋は半透明になっていたり窓付きになっていたりと中が見えるようになっているので、米粒の大きさを買う前にチェックしてみてくださいね」

今年の新米は水加減を減らして、優しく研ぐべし!

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でも、安心してください。だからといって、今年の新米がおいしくないわけではありません。うまくコントロールさえすれば、十分おいしく味わえるそう。ちょっとクセがあるからこそ、「研ぎ方、選び方が大切」と西島さんは力説します。

気をつける点は、細長く痩せている米は、比較的やわらかめに仕上がってしまうこと。そのため、水加減を控える必要があります。一度炊いてみて、やわらかければ大さじ1〜2くらい水を減らしてみてください。

水分量は炊飯器を開けたときに美しいツヤが出るのが目安。ツヤがない場合は、水を減らしすぎています。炊飯器に炊き分けモードがある人は、あっさりモード、寿司米モードなどを試してみてもいいかもしれません」

ちなみに、新米は水分量が多いので水を減らした方がいいという考え方は昭和の頃の話。現在は米の水分量は15%前後と規定されているため、本来なら新米だからといって水分量をそこまで変える必要はないそう。あくまでも今年は、水っぽくやわらかめに炊き上がる米が多いので、水加減を調整する必要があるとのことです。

さらに、今年の米は割れやすい傾向にもあるため、「優しく研ぐ」のもポイント。西島さん直伝の研ぎ方なら、米を壊さずにおいしく炊くことができます。ぜひ、こちらの動画を参考においしい研ぎ方をマスターしてください。

また、今年はまとめ買いをせずに、少量ずつ試して、好みの米を見つける方が失敗を抑えられるとのこと。

「今年の米は独特なので、炊飯器との相性も難しい。今までは普通に炊けていても、今年は水っぽくやわらかくなりがちなので、ちょうどいい水加減を自分で探る必要があります。

特にやわらかいごはんは粘りが出て、お弁当に入れるとおいしくないので、旦那さんやお子さんも食べずに残してきちゃいますよ。まずは2kgくらいずつ試してみて、各家庭でおいしく炊ける米を見極めるといいですね」

これから新米が続々登場する季節。西島さんのアドバイスを参考に、ぜひ我が家に合った新米を見つけてみてください。

次回は、西島さんがおすすめする「新米の買い時」についてお届けします!

取材・文/岸綾香

 

【取材協力】

西島豊造

五ツ星お米マイスター。東京・目黒区にある米店『スズノブ』の3代目。北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科を卒業後、北海道で水路などの農業土木の設計に携わり、1988年に家業の米店『株式会社 鈴延商店』を継ぐ。五ツ星お米マイスターの資格を取得し、膨大な米と土に関する知識を活かし、新しい米の時代を作るべく産地と消費者をつなぐパイプ役として、産地の特徴を活かした地域ブランド米作りに力を注ぎ、全国を奔走中。

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