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充電池の使い切りが寿命を縮めていた…!「掃除機」のトラブルに繋がるNGな使い方

家事の中でも多くの時間を占めている“掃除”。忙しい女性にとって、掃除機は日々の生活に欠かせない家電のひとつです。そこで、家電の延長保証サービスを運営するテックマークジャパン株式会社で、総合家電エンジニア資格を取得し、修理精査業務にあたる家電のスペシャリスト・本多宏行さんに、掃除機のトラブルに繋がりやすいNGな使い方を教えてもらいました。毎日の使い方を見直せば、グンと長持ちするようになりますよ!
(※記事内の写真は全てイメージです)

「充電式スティックタイプ」は充電池を使い切らないこと

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最近の掃除機は、電源コードを気にせずに使える充電式スティックタイプがトレンド。立てて収納できるので省スペースなのも魅力ですよね。

実は、この充電式スティックタイプ掃除機で特に注意したいのが、“充電池の取り扱い”だと本多さん(上写真)は話します。

「たとえば、掃除の途中で電池残量警告ランプが点灯して、運転が停止したとします。それでも、もう一度電源スイッチを入れたら再び動き出したので、そのまま掃除を再開した。こんな経験がある人もいるのではないでしょうか」

ついつい行ってしまいがちな行為ですが、これは御法度!

「充電式スティックタイプ掃除機にも使われている、充電式リチウムイオン電池の鉄則は、“電池残量を10%未満にしないこと”。充電式だからと完全に使い切ってしまうと早期消耗の原因になってしまいます。メーカーはそれを考慮しているからこそ、電池残量の警告を早めに点灯して知らせているのです。電源スイッチを入れたら再び動き出すタイプの場合、警告ランプが点灯したら掃除を一旦ストップして、充電器に接続してください」

充電池を使い切らないよう、普段からこまめに充電するように心がけるのが大切ですね。

実は、この法則はスマートフォンや携帯電話の充電池にも同じことがいえるそうです。確かに、電池残量が20%、10%とメッセージが出ますよね。これを無視してギリギリまで使い切っていると充電池の寿命を縮める原因になるそうです。1%になってようやく充電するという人は、これからは早めの充電を意識したほうが、充電池が長持ちしますよ。

またスティックタイプ掃除機はゴミを吸い取るヘッド部分(床に接する部分)が重いものが多いので、床と接地させずに移動させると、本体や延長管の接続部分に負担がかかり、接触不良や破損の原因になる場合も。移動する場合は延長管を手でサポートしましょう。

「一般掃除機」はホースを無理に引っ張ると、ホースが破れたり内部配線が断線したりする原因に

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一方、一般掃除機の場合、故障の原因でもっとも多い部品の一つにホースが挙げられるとのこと。

「掃除機本体が曲がり角やドアなどに引っかかっているにも関わらず、無理に引っ張ったりするとホースに負担がかかってしまいます。一定以上に引っ張られる力に対しての耐性は低いので、無理に強い力を加えるのはやめましょう。また、届かないのに、あともう少し……とコードを限界まで引っ張ってしまうのも御法度です。コードが伸び切ってしまい、元に戻りづらくなる原因になります」

さらに、紙パック式の場合は、ゴミの溜め過ぎも故障の原因になると言います。

「紙パックにゴミを溜めすぎてホコリがいっぱいになってしまうと、モーターに負担がかかるため、故障の原因につながります。交換ランプが点灯したり、吸引力が落ちてきたら、新しい紙パックに交換しましょう」

「ロボット掃除機」は水濡れに注意!

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そして忙しい女性たちの強い味方は、ルンバなどのロボット掃除機。留守中に自動で部屋を掃除してくれて、とても便利ですね。でも、自動で動くからこそ、目が行き届かない部分に気をつけなければなりません。

「ロボット掃除機の故障で多いのが、液体を吸い込んでしまったというトラブル。お子さんの飲みこぼしや、ペットのおしっこなど、予期せぬ事態が起きた時にロボット掃除機は対応できずに、吸い込んでしまいます。使用する際は、安全に動けるよう、部屋を整理整頓してから使うことも大切ですね」

普段使用頻度の高い掃除機なので、日々の正しい使い方が寿命を伸ばします。使用している掃除機のタイプにあわせて、ぜひ一度、使い方を見直してみてください。きっと長く使える一層大切な相棒になりますよ!

【取材協力】

本多宏行・・・テックマークジャパン株式会社 オペレーション部 クレームチーム チーフ。大手自動車ディーラーでメカニックを経験後、1999年に同社に入社。2000年頃から家電やパソコンの修理精査業務を開始。幅広い家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証を利用した修理の精査業務で活躍中。

 

取材・文/岸綾香

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