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教えてプロの技!「ガス台、IH調理台、そのまわりの壁や床」のお掃除方法…大掃除は油汚れと焦げ付きをしっかりオフ

料理の際に使うガス台やIH調理台は、油の飛び跳ねや食品のカス、焦げ付きなどでかなり汚れています。食品を扱うところなので、皆さん普段からこまめにお掃除をしているかとは思いますが、ササっとお掃除して終了という人もいるのではないでしょうか? ぜひ年末の大掃除では、こびりついたガンコな油汚れや焦げ付きをしっかり落として、ピカピカにしておきたいもの。

そこで『kufura』では、家事研究家で株式会社ベアーズ副社長の高橋ゆきさんに、プロの技が光る「ガス台、IH調理台、そのまわりの壁や床のお掃除方法」を教えてもらいました。正しいお掃除のやり方やポイントを押さえて、効率よくきれいにしていきましょう。

プロが教える!ガス台の上手なお掃除方法

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まず最初に、ガンコな汚れもつるんと落ちる、ガス台の上手なお掃除方法をご紹介していきます。

<重曹水につけ置きして“プレお掃除”を!>

ガス台の油汚れや焦げ付きなどは、時間が経つとこびりついてしまってお掃除が大変に。無理に汚れを落とそうとして、たわしなどを使ってむやみにゴシゴシこすると、汚れがきれいに落ちないばかりか、素材を傷つけてしまうことにもなりかねません。

ガス台の大掃除については、まずはつけ置きをして汚れをゆるめる“プレお掃除”から始めるのがおすすめです。油汚れに強い重曹水につけ置きすることで、ガンコな汚れも簡単に落とすことができます。なお、つけ置きの際にゴミ袋を使うようにすると、シンクが油でベタベタになることがないため、掃除後の後片付けもすごく楽チンですよ。

(1)シンクにゴミ袋を広げてお湯を張る

まずはキッチンシンクにゴミ袋を広げ、ガムテープなどを使ってシンクに固定したら、その中にお湯を張ってつけ置き用のプールを作ります。汚れをゆるみやすくするために、お湯の温度は40〜50℃と少し高めにしましょう。

(2)重曹を入れてよく混ぜる

次に、つけ置き用のプールのお湯に重曹を入れてよく混ぜます。重曹とお湯の割合は1:9が目安。汚れ具合を見ながら重曹の量を加減してください。

(3)つけ置くものを重曹プールに入れる

五徳や汁受け皿、グリルの網など、汚れのひどいものを(2)で作った重曹プールの中に沈めます。ガス台のつまみなど細かいものについては、なくしてしまわないように、目の粗いネットにまとめてから重曹プールに入れるのがおすすめです。

(4)ゴミ袋の口をしぼって密封する

重曹プールにつけ置くものをすべて入れ終えたら、固定しておいたガムテープを外し、ゴミ袋の口をしぼって密閉します。つけ置き時間の目安は、大体1時間。汚れがひどい場合は少し長めにつけておいてもOKですが、五徳など素材によっては表面がはげることもあるので注意してください。

このプレお掃除のやり方は、過去記事「重曹浸けで汚れスルスル!“五徳&グリルの網のお掃除術” 家事研究家・高橋ゆきの魔法のテク」にて動画でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

<お掃除に必要なアイテムはこの6つ!>

(1)食器用洗剤

(2)スポンジ

(3)歯ブラシ

(4)水拭き用&乾拭き用の布巾

(5)ボディタオル

(6)マンゴーカットスポンジ

高橋ゆきさんおすすめのお掃除便利ツールの1つで、食器洗い用スポンジにマンゴーをカットする要領で格子状に切り込みを入れたもの。切り込み部分で挟み込むことにより、細かい部分の汚れをしっかり落とすことができます。作り方はこちらから→「あちこち使える!“マンゴーカットスポンジ”家事研究家・高橋ゆきの魔法のお掃除道具DIY

<実践!ガス台のお掃除方法>

(1)ガス台の表面を磨く

ガス台の表面は、洗剤とスポンジを使って磨きます。ボタンまわりなど細かい部分は歯ブラシを使用し、仕上げに水拭きと乾拭きをします。

(2)つけ置きしたアイテムを取り出す

次に、先のプレお掃除でつけ置きしておいたアイテムを取り出し、汚れがゆるんでいるか確認します。汚れがゆるんでいない場合は、様子を見ながらもうしばらくつけ置きします。

(3)マンゴーカットスポンジで磨く

汚れがしっかりゆるんだら、マンゴーカットスポンジに食器用洗剤をつけて、五徳や汁受け皿などを磨いていきます。汚れが落ちにくい場合は、重曹と水を6:4の割合で混ぜた重曹ペーストをつけて磨いてもOK。マンゴーカットスポンジの切り込みで、細かい部分を挟み込むようにしながらやさしくこすりましょう。

(4)焦げ付き汚れをこすり落とす

カバーリングなどについている細かい焦げ付き汚れは、硬めのボディタオルでこすり落とします。

(5)仕上げに歯ブラシを使う

固形の汚れは、仕上げに歯ブラシでこすり落とします。最後に流水ですすげば、お掃除は完了です。布巾で乾拭きをしてしっかり乾かしてから、各パーツを元の位置に戻しましょう。

プロが教える!IH調理台の上手なお掃除方法

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では次に、キズをつけずにピカピカにするIH調理台の上手なお掃除方法を見ていきます。

<お掃除に必要なアイテムはこの4つ!>

(1)食品用ラップ

(2)スポンジ

(3)クリームクレンザー

(4)ふきん

<実践!IH調理台のお掃除方法>

(1)ラップをクルクルと丸める

食品用ラップを10cmくらいの長さに切り取り、くしゃっと丸めます。この際、少しだけ角を作るのがポイント。丸めたラップは研磨力がありますが、素材にキズをつけにくいため、表面にキズがつきやすいIH調理台のお掃除にピッタリです。

(2)クリームクレンザーをスポンジにつける

IH調理台のお掃除には、油汚れに強く、研磨力のあるクリームクレンザーを使います。まずは、スポンジにクレンザーを適量とりましょう。

(3)丸めたラップにクリームクレンザーを移しとる

スポンジにつけた(2)のクリームクレンザーを、(1)のラップに移しとります。こうすることで、直接ラップにつけるよりもクレンザーがラップにまんべんなくいきわたります。

(4)円を描くようにクルクルと磨く

クリームクレンザーを移しとった(3)のラップを手に持ち、小さな円を描くようにIH調理台の表面をクルクルと磨いていきます。力を入れすぎると表面にキズがついてしまうこともあるので、力を入れすぎないよう気をつけましょう。

(5)ふきんでしっかりと水拭きする

最後に、固くしぼったふきんで水拭きをします。IH調理台の表面にクレンザーが残っていると白浮きしてしまうので、水拭きでしっかりとクレンザーを拭き取るようにしてください。

ガス台やIH調理台まわりの壁や床のお掃除も忘れずに!

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ガス台やIH調理台のお掃除というと、そこにばかり目がいきがちですが、調理の際は油のほか食品の汁やクズなどが飛び散るため、実は目には見えなくてもガス台やIH調理台まわりもけっこう汚れているものです。これらの汚れは悪臭の原因にもなるので、大掃除の際はまわりの壁や床も、忘れずにしっかりお掃除する必要があります。

この壁や床のお掃除には、重曹水がおすすめ。まずは、水200mlに重曹小さじ3を加えて重曹水を作りましょう。スプレーボトルに重曹水を入れて壁や床にスプレーし、雑巾で一定方向に拭いていきます。最後に水拭き、乾拭きで仕上げれば、お掃除は完了。壁や床がサッパリときれいになりますよ。

いかがでしたか? 毎日使って汚れがたまりがちなガス台やIH調理台も、大掃除の際は隅々まできれいにしておきたいところ。プロの技が光るお掃除方法で、効率よくお掃除を進め、清潔できれいなキッチンで新年を迎えるようにしましょう。

構成・文/土田奈々子

【参考】

高橋ゆき(2014)『楽ラク掃除の基本』(学研パブリッシング)

高橋ゆき(2014)『可愛くなる家事』(サンマーク出版)

家事大学1級・2級 家事研究員資格講座テキスト』-日本講師支援機構

【取材協力】

ベアーズ

高橋ゆき
高橋ゆき

家事代行サービスの株式会社ベアーズ取締役副社長。 キッズからシニアまで暮らしの向上を研究し、家事のスペシャリストとしてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。おそうじは、”楽ラク(楽しく、楽に)キレイ”をテーマに、身近にあるもので様々なアイディアグッズを開発。2015年 には世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を務める。 書籍「楽ラク掃除の基本」(学研プラス)が好評発売中。

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