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子犬を迎えるにあたって、どんな犬がうちの家族に合う?【相性チェックリスト】をみてみよう!

これから子犬を飼い始めたら、十数年を共に過ごすことになります。新たな家族が増えるようでワクワクしますよね。しかし犬にも個性があり、十人十色ならぬ十頭十色。「犬とこんな暮らしを送りたい」と想像していたのに「あれ、ちょっと違う……」とミスマッチを感じる飼い主さんも少なくありません。

理想と現実のギャップに悩むことがないように、家族に合う子犬を迎えることも大切です。今回は『犬のしつけ大全』(KADOKAWA)の著者・北村紋義さんこと“ポチパパ”による、家族と子犬の相性を確認できるチェックリストを紹介。さらにペットショップ、ブリーダー、譲渡会(保護犬)の特徴もお伝えしましょう。

家庭に合う子犬を家族のライフスタイルから選ぼう

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あどけない子犬を見ているだけで「連れ帰りたい!」と思いますよね。でもこれから十数年を一緒に過ごすことを考えて、ぜひ家族との相性も確認してほしいと思います。犬は“仲間と寄り添って生きる動物”なので、犬と家族が仲良く暮らすためにも相性は重要なのです。

「僕がおすすめするのは、“愛犬とどんな暮らしを送りたいか”という家族の希望に近いタイプの犬を迎える方法です。家族の性格やライフスタイルをもとに大まかなチェックリストを作成したので、子犬を選ぶときの参考にしてくださいね」(以下「」内、北村さん)

[家族と子犬の相性のチェックリスト]

A

□人懐っこくて甘えたがりの犬が好き

□犬と一緒にひなたぼっこを楽しみたい

□おもに世話をするのは高齢者

□愛犬と他の犬を仲良く遊ばせてみたい

□集合住宅に住んでいる

 

B

□小さくても活発な犬が好き

□犬を連れてあちらこちらに出かけたい

□犬とおしゃれを楽しみたい

□かわいい笑顔にごまかされない

□大型犬は飼えないが体力には自信がある

 

C

□ぴったりくっついてくるフレンドリーな犬が好き

□一緒に思いきり遊べる犬と暮らしたい

□細かいことを気にしない大らかな性格

□車に犬を乗せて遠出や旅行を楽しみたい

□犬にトレーニングや芸(トリック)を教えたい

 

D

□アクティブな犬とジョギングを楽しみたい

□趣味はキャンプやトレッキング

□犬のしつけやトレーニングを勉強している

YESNOがはっきり言える

□吠え声が大きくても許容できる住環境

 

E

□穏やかでおっとりした犬と暮らしたい

□存在感のある犬をモフモフするのが夢

□大型犬に力で負けない自信がある

□大らかで腹を立てることが少ない

□夏でも比較的涼しいところに住んでいる

 

F

□愛嬌のある犬が好き

□クリエイティブなことを仕事や趣味にしている

□かわいいだけの犬では物足りない

□急なハプニングにも落ち着いて対処できる

SNSで愛犬自慢をしてみたい

 

G

□野生動物のような犬が好き

□犬とは目と目で通じ合うコミュニケーションが理想

□じつは面倒くさがりの性格

□犬の抜け毛が落ちていても気にならない

□犬とはほどよい距離感で暮らしたい

 

H

□指示にきびきびと従う犬が理想

□犬のしつけやトレーニングに自信がある

□犬と一緒に高い目標に向かってがんばりたい

□日常的に頭と体を使っている

□ドッグスポーツにチャレンジする予定

あなたのご家庭におすすめの子犬は…?

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家族の希望や性格などをもとにAHまで確認して、最もチェックがつく項目が多かったグループの子犬がおすすめ。もし「自分が希望する子犬と違う」と思ったら、家族が希望する子犬を迎えられるように、知識を身に付けたりライフスタイルを工夫したりしましょう。

「僕も初心者なのにいきなり秋田犬を飼い始め、最初は試行錯誤の毎日でした。思い描いた暮らしが送れるように犬のしつけを学んでいるうちにドッグトレーナーになり、今ではドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)です。犬がきっかけで起きる家庭の変化も楽しんでくださいね!」

Aのチェックが多いあなたに向いているのは「愛玩犬グループ」

比較的穏やかなタイプの犬が多いので、初めて犬を飼う人や子どもがいる家庭に向いています。

犬種:シー・ズー、マルチーズ、パグ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど

Bのチェックが多いあなたに向いているのは「小型犬グループ」

サイズは小さくても活動的なタイプ。要領がいい一面もあるのでしつけができる家庭におすすめです。

チワワ、ダックスフンド(主にカニーンヘン〜ミニチュアが対象)、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・シュナウザーなど

Cのチェックが多いあなたに向いているのは「猟犬グループ」

人と一緒に行動するのが好きな犬種で、大人が付き添えば子どもにもやさしく接してくれます。

ビーグル、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなど

Dのチェックが多いあなたに向いているのは「牧羊犬・牧畜犬グループ」

かなりアクティブなタイプなので、遊びや運動で体力を発散できる時間がある家庭にぴったりです。

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、シェットランド・シープドッグなど

Eのチェックが多いあなたに向いているのは「超大型犬グループ」

40kgを超える体格に見合う大らかな性格。シニアになったときの世話ができる人に向いています。

犬種:グレート・ピレニーズ、バーニーズ・マウンテン・ドッグなど

Fのチェックが多いあなたに向いているのは「闘犬系グループ」

愛嬌たっぷりの天真爛漫なタイプ。犬が興奮したときに落ち着いて対処できる家庭に向いています。

フレンチ・ブルドッグ、ボストン・テリア、ロットワイラーなど

Gのチェックが多いあなたに向いているのは「日本犬グループ」

番犬の才能がある犬種がそろっています。自立心が強いので適度な距離感で付き合えるでしょう。

柴犬、甲斐犬、秋田犬などの日本犬や、その系統の雑種

Hのチェックが多いあなたに向いているのは「先読み犬グループ」

ハイスペックな性能をもつ犬種なので、犬に関する深い知識と経験をもつ人がいる家庭に向いています。

プードル(トイ〜スタンダードまで全てのプードルが対象)、ボーダー・コリー、ジャーマン・シェパード・ドッグなど

ペットショップ、ブリーダー、譲渡会…どこから子犬を迎える?

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子犬を迎えるところは、ペットショップ、ブリーダー、譲渡会が候補になると思います。基本的に子犬を迎えられるのは生後8週齢をすぎてから。それぞれの特徴を知っておきましょう。

ペットショップ

いろいろな純血種の子犬と出会える最も身近な施設です。心身の健全な発育に欠かせない健康診断や、社会化トレーニング(いろいろな人・物・音・場所などに慣れる練習)を行なっているペットショップを選ぶのが理想です。ペットショップの小さな個室の中で育った子犬は、家庭で社会化トレーニングを行いましょう。

ブリーダー

飼いたい犬種が決まっているなら、特定の純血種を育成しているブリーダーを選ぶのも一案です。見学を受け付けているブリーダーなら、両親や親戚の犬を見て成長した姿を想像できるでしょう。ペットショップに比べて数が少ないため、自宅から遠いところまで足を運ぶ必要があるかもしれません。

譲渡会

自治体や動物愛護団体に保護された犬(保護犬)に出会えるのが譲渡会です。純血種より雑種が多い傾向があります。希望の犬と2週間程度一緒に生活するお試し期間があり、家族との相性を確認しやすいのが特徴です。保護犬を引き取るための条件(講習会への参加や家庭の飼育環境など)を確認しておきましょう。

犬がいればこんなに楽しい毎日が待っている!

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子犬が家にやってきたら楽しい毎日の始まりです。ドッグライフの楽しみは、日々の小さな出来事にも幸せを感じられること! 帰宅してドアを開ける瞬間、犬の散歩で知り合った友達とのおしゃべり、お出かけの予定で埋まった週末……楽しいことだらけです。

今回は人と犬のミスマッチを減らすために家庭に合う子犬の迎え方をお伝えしましたが、それでも理想と現実のギャップに直面することもあるかもしれません。どんなときも「自分が選んだ犬と幸せになる!」と自信を持ってください。

「僕のように“犬を飼って幸せになれた”と思う人を増やせたらうれしいですね」


 

北村紋義“ポチパパ”

ドッグメンタリスト(問題行動犬専門家)、ドッグスクールポチパパ代表。初めて迎えた犬の名前が「ポチ」だったことから“ポチパパ”という愛称で親しまれている。2012年から犬の保護活動をはじめ、多くの問題行動改善にも取り組む。犬と向き合う様子を配信するYouTube「ポチパパちゃんねる【保護犬達の楽園】」は、登録者数25万人を超える人気チャンネルになっている。

202271日に『ポチパパ流 犬のしつけ大全』を発売。

金子志緒
金子志緒

ライター/編集者。レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作を行う。得意分野はペット、防災、医療、PRなど。甲斐犬のサウザーとおもしろおかしく暮らす。愛玩動物飼養管理士1級/防災士/いけばな草月流師範。

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