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大きな立体作品で遊ぼ! 箱根の自然に囲まれた「彫刻の森美術館」【子どもと楽しむ美術館】vol.9

梅雨が終わり夏が来れば、いよいよ子どもたちは夏休みに突入! 仕事が休みの日にはちょっと遠出をして、一緒に箱根へ行ってみませんか? 自然にあふれた箱根は、温泉だけでなく美術館も充実しているアートスポット。

今回は、それらの中でもお子さんも大満足の美術館『彫刻の森美術館』と、後半では都内で立体作品を楽しめるスポットをご紹介します。

箱根の自然とともに、野外彫刻を満喫できる美術館

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箱根登山鉄道「彫刻の森駅」から徒歩2分の場所にある『彫刻の森美術館』は、1969年に開館した日本で初めての野外美術館。自然のなかで自由に芸術作品を鑑賞できる場所として作られました。

ちなみに、この美術館を創設したのは、フジテレビや産経新聞などのメディアグループとして知られるフジサンケイグループ。
フジサンケイグループは『彫刻の森美術館』のほかにも、長野県の『美ヶ原高原美術館』や東京上野にある『上野の森美術館』を創設しています。フジテレビ系列の天気予報の背景映像やCMなどで美術館が映し出されているのを見かけたことがある方も多いかもしれません。

『彫刻の森美術館』には、約7万平方mという広い敷地内に近・現代を代表する彫刻家の作品が約120点展示されています。

『考える人』で知られる彫刻界の大巨匠オーギュスト・ロダンの作品『バルザック』や、カラフルな着色作品で知られるニキ・ド・サン・ファールの『ミス・ブラック・パワー』、そしてヘンリー・ムーアの作品11体など、日本でも人気の作家作品がずらり。ほかにも、池のなかに浮かぶ作品、風が吹くと動く作品など、とてもバラエティ豊かなライナップです。

野外美術館の素晴らしいところは、のんびりと散歩を楽しみながら、自分たちのペースでゆっくりと作品を観られること。とくにお子さん連れの方にとっては、ほかのお客さんに迷惑がかからない程度なら、子どもたちが走ったりはしゃいだりできるのはありがたいですね!

四季折々で変わる箱根の自然も満喫しましょう。

「ピカソ館」外観

野外展示だけではなく、パブロ・ピカソの長女マヤ・ピカソから購入した陶芸作品を中心に約300点が順次公開されている「ピカソ館」をはじめ5つの屋内展示場も。

天候の優れない日でも長く滞在できる場所も充実しています。

「ピカソ館」館内

子どもが喜ぶ! 全身で感じる体験型アート

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『彫刻の森美術館』で大人気なのが体験型のアート作品です。遠くから全速力で駆け寄っていく子どもたちもいるほど!

『しゃぼん玉のお城』

透明なカプセルをつないだピーター・ピアースの『しゃぼん玉のお城』は、カプセルの中を自由に動き回ることができる作品。登ったり滑ったり四つん這いになったりしながら、縦横無尽に動き回る子どもたちはとても楽しそう!

そして、陽の光や中で遊ぶ子どもたちの動きによって、『しゃぼん玉のお城』は見え方がどんどん変わっていきます。残念ながら大人は入って遊べないのですが、外から観ているだけでも飽きない作品です。

『ネットの森』

また、『ネットの森』も子どもたちに大人気! 外側は一見すると落ち着いた色調の木製ドームですが、中に入ってみると……

『おくりもの:未知のポケット2』

鮮やかな色のネットがぶら下がった空間が出現!

このネットは作者の堀内紀子によって丁寧に手編みして作られた作品『おくりもの:未知のポケット2』。中に入り込んで、ハンモックのようにゆらゆらと体を任せているだけでも心地よい気分になるそう。ただし、こちらの作品も利用できるのは小学生まで。大人も遊んでみたいものですね。

ちなみに、500本を超える木材を組み合わせた木造ドームは、近年活動が注目されている建築家ユニット・手塚貴晴+手塚由比が手がけたものです。

『星の庭』

彫刻家・井上武吉のデザインした『星の庭』も楽しい場所。大人も子どもと一緒になって遊べる、星の形をした迷路です。上から見るとシンプルな道に見えますが、入ってみると大人でも迷いそうになるのが不思議!

十分に歩き回って疲れてきたら、足湯スペースでひと休みしましょう。

なんと、こちらの温泉は敷地内から湧出ている本物の天然温泉で“源泉かけ流し”なのです。美術館にいながら足湯も楽しめるなんて、箱根ならではのサービスですね。

敷地内にはカフェやレストランが合わせて3つもあるので、お腹が空いても安心! 毎週土曜日に敷地内を巡るツアーも開催されています。

 

たくさん歩いて1日中たっぷりと滞在できる『彫刻の森美術館』は、「自然を満喫したい」「美術館にも行きたい」「子どもたちにも楽しんでもらいたい」といった欲張りな望みを全部かなえてくれる場所。

虫除け対策、紫外線対策をしっかりして、ぜひ出かけてみてくださいね!

【施設情報】

彫刻の森美術館

神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121

開館時間:9:00~17:00

※入館は閉館の30分前まで

休館日:無休

最寄り駅:箱根登山鉄道「彫刻の森駅」徒歩2分

ビジネス街にも! 立体作品をたっぷり観られる3スポット

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彫刻などの立体作品は、表から、裏から、横からと、観る角度で表情が変わるのが鑑賞していて楽しいところのひとつ。お子さんと一緒に立体作品を観るときは、「この作品を観るのに、自分が一番すきな角度」を話し合いながら、ぐるぐると作品の周りを回ってみるのもおすすめです。

そんな立体作品を多く鑑賞できる美術館やスポットをいくつかご紹介しましょう。

『丸の内ストリートギャラリー』(「丸の内仲通り」周辺 )

「東京駅」からすぐの場所にある丸の内周辺は、実は優れたアートスポット。とくに「丸の内仲通り」周辺にある『丸の内ストリートギャラリー』は、木彫で動物を表現したシリーズで知られる現代の彫刻家・三沢厚彦など人気作家の作品が並びます。

じつは、この丸の内周辺のアートプロジェクトは箱根の『彫刻の森美術館』を運営する、彫刻の森芸術文化財団が企画協力しているもの。ビジネス街のため、土日祝日はゆったりと歩ける穴場的スポットです。

「ファーレ立川」

米軍基地跡地の再開発によって1994年に誕生した「ファーレ立川」は、実は東京屈指のパブリックアートスポット。全109点の現代美術のアート作品が敷地内に点在しています。

巨大な植木鉢のような作品や、ある場所に立つと不思議な形が見えてくる作品など、驚くべきものが普通に街の中にあるのが楽しい。ボランティアスタッフによる鑑賞ツアーも開催されています。

『長泉院附属現代彫刻美術館』

「目黒駅」と「中目黒駅」の間にある浄土宗の寺院『長泉院』に隣接する彫刻専門の美術館。20世紀後半以降に活躍する日本の作家に焦点を絞り、展示活動を行っています。入場無料なので気軽に立ち寄れますよ。

※画像の転載は一切禁止させていただきます

(※情報は2018年6月現在のものです)

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