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まさに子どもの遊び場! 元小学校の「東京おもちゃ美術館」【子どもと楽しむ美術館】vol.4

全国で小中学校の統合・廃校が相次いでいる日本。近年、廃校になった校舎を活用してコミュニティースペースなどのさまざまな施設が誕生していることをご存じでしょうか? そのひとつに、じつは“美術館”があるのです。

美術ライターの浦島茂世が【子どもと楽しむ美術館】をご案内するこの連載、Vol.4の今回は、まさに子どもが楽しむための美術館『東京おもちゃ美術館』と、“元学校”を利用した子どもも楽しめる施設をご紹介します。

東京の中心にある、体験型の美術館

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にぎやかな「四谷三丁目駅」で電車を降りて歩き、ひとつ角を曲がると静かな住宅地に。7分ほど歩くと、かつては1935年(昭和10年)に建設された『四谷第四小学校』だった建物が見えてきます。

2007年(平成19年)に廃校となった小学校の校舎はそのまま残され、現在は地域の人々が集うコミュニティースペースやアートスペース、そしてこの『東京おもちゃ美術館』になっているのです。

『東京おもちゃ美術館』は、100カ国10万点以上のおもちゃを収集・展示している美術館。単に観るだけではなく、ほとんどのおもちゃは実際に遊ぶことができるのが特長です。

おもちゃに溢れた部屋は、まさに「子どもの遊び場」!

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展示室はかつての教室を活用し、部屋ごとにテーマが異なる展示スペースに。

(1)「グッド・トイてんじしつ」

入場してからまず入る部屋は「グッド・トイてんじしつ」。“グッド・トイ”とは、全国にいる約5,000人のおもちゃコンサルタントが選んだ、一定基準を満たした“良いおもちゃ”のこと。展示されているほとんどのおもちゃで遊ぶことができます。

(2)「企画展示室」

そして、隣にあるのは「企画展示室」。テーマに沿って、世界中のおもちゃを展示しています。じっくり観て楽しむ、『東京おもちゃ美術館』のなかで一番“美術館らしい”場所です。

ちなみに、展示室にいる赤いエプロンを着用した方は「おもちゃ学芸員」さん。おもちゃの遊び方や館内の利用方法を案内してくれる、心強いボランティアスタッフさんです。

(3)「おもちゃのもり」

土日ともなると親子連れで大賑わいになるのが「おもちゃのもり」。

「センターハウス」
「木の砂場」

中央にあるのは、鳥かごをイメージした「センターハウス」。かつての音楽室が、木のぬくもりがあふれる空間に生まれ変わっています。

子どもたちが大好きなボールプール「木の砂場」のボールも木製! 思い思いの遊び方で、木の心地よさに触れられるのです。

ちなみに、床はヒノキ、「センターハウス」は杉の木、「木の砂場」のボールは広葉樹など、コーナーごとに使用している木材が異なるのもポイント。
木の硬さややわらかさ、色味や模様などを見て、お気に入りの木を見つけてみるのも楽しいでしょう。

(4)「赤ちゃん木育広場」

また、0~2歳の赤ちゃんと保護者の方を対象とした、「赤ちゃん木育広場」も人気のコーナー。3歳児以上のお子さんは入室できない決まりなので、2歳以下の小さいお子さんがゆっくりと過ごせる空間です。

「赤ちゃん木育広場」

美術館の遊べる展示コーナーはまだまだ続きます。

(5)「おもちゃのまち あか」

(6)「おもちゃのまち きいろ」

伝統的なおもちゃであそべる「おもちゃのまち あか」、ごっこ遊びなどが楽しめる「おもちゃのまち きいろ」。

「おもちゃのまち あか」
「おもちゃのまち きいろ」

(7)「ゲームのへや」

テーブルサッカーや世界各国のボードゲーム、さらにはオセロやバックギャモン、動物しょうぎなどでも遊べる、ゲームを楽しむための「ゲームのへや」。

「ゲームのへや」

(8)「おもちゃ工房」

「おもちゃ工房」

そして、親子で手作りのおもちゃを作ることができる「おもちゃ工房」など、子どもたちが楽しめる場所が盛りだくさん!

おもちゃに囲まれたおもしろ空間に、何時間でも滞在してしまいそうです。

その日なら何回も入退場できて、1日中楽しめる!

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美術館のショップにも、おもちゃがたくさん! 自宅用にも、ギフトとして買うのもオススメです。種類がありすぎて、迷ってしまいそうですね。

美術館のなかは飲食禁止ですが、その日のうちなら何度でも入退場が可能です。ちょっと疲れたら外の空気を吸って気分転換をしたり、お腹がすいたらのんびりお昼ご飯に出てもいいですね。

 

鑑賞するだけでなく、実際に遊べる体験型の『東京おもちゃ美術館』は、大人も子どもも楽しめる場所。丸1日使って、たっぷり遊んでみてくださいね!

【施設情報】

東京おもちゃ美術館

東京都新宿区四谷4-20 『四谷ひろば』内

開館時間:10:00~16:00(最終入館15:30)

休館日:木曜日、特別休館日(2月・9月の年2回)、年末年始

最寄り駅:
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」2番出口より徒歩7分(お子さま連れの場合)

「元学校」は子ども向けスポット多し!

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『東京おもちゃ美術館』のある建物は、もともとは小学校の校舎でした。冒頭でもお伝えしましたが、現在、廃校になった小中学校の校舎を使って、新しい施設を作る動きが全国各地で進められています。

もともと子ども向けに建てられた建物ということもあり、活用後も子どもたちが楽しめる施設が多いのが特長です。

今回は、とくにお子さんと一緒に訪れても楽しい場所をピックアップしてみました。

アーツ千代田 3331

元中学校の校舎を使って建てられた、アーティストたちが活動する文化芸術の拠点。現代美術のギャラリーなどもあり、フリースペースは子どもたちでいっぱい。

IID 世田谷ものづくり学校

こちらも元中学校の校舎。デザイナーやクリエイターたちが集まるシェアオフィスで、週末には子どもたちを対象にした工作やプログラミングなどのワークショップも開催しています。

道の駅 保田小学校』(千葉県)

東京から車で約1時間、千葉県にはなんと小学校の元校舎を再利用した“道の駅”があります。
房総の食材を使ったレストランやピッツェリア、カフェなどのほかに、教室の雰囲気を極力残した宿泊施設も! 「子どもひろば」もありますよ。

なめがたファーマーズヴィレッジ』(茨城県)

元小学校を活用した、農業のテーマパーク。日本初のやきいもミュージアム『やきいもファクトリーミュージアム』は、焼き芋についていろいろと学べるミュージアムです。

(※情報は2018年1月現在のものです)

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