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必要or必要なし?「子どもの早期英語教育」 親たちはこう考える

子どもを持つみなさん、もしくはこれから子どもを持とうと考えているみなさん。子どもの早期英語教育は必要だと思いますか? 専門家の間でもいろいろと意見が分かれているようで、世の中のお父さん、お母さんも子どもにとってどうするのがいいのか悩んでしまうところでしょう。

そこで今回は、子を持つ20代~40代の男女399名に“子どもの早期英語教育”に関する意見を聞いてみました。子どもの英語教育について悩んでいる方は、ぜひ以下のアンケート結果を参考にしてみてください。

「必要だと思う」人は半数ちょっと

「子どもへの早期英語教育は必要だと思いますか?」と質問すると、次のような結果になりました。

「必要だと思う」・・・55.4%

「必要だと思わない」・・・44.6%

「必要だと思う」と考えている人のほうが多いことが分かりましたが、全体の6割にも満たず、「必要だと思わない」と考えている人とそれほど大きな差は見られませんでした。

子どもの早期英語教育として、現在はテレビや教材を使った通信教育のほか、英会話スクールやプリスクールなど、小さいうちから簡単に英語を学べる環境が整っています。また、幼稚園や小学校でも英語を学ぶ機会がどんどん増えています。

しかし、意外と多くの人が「子どもへの早期英語教育は必要ない」と考えていることは、みなさん予想外の結果だったのではないでしょうか。

では、なぜ「早期英語教育は必要だと思わない」と考えているのか、その理由を見てみることにしましょう。

 

英語よりもまずは日本語を!

「早期英語教育は必要だと思わない」と考える理由として最も多かったのが、「まずは母国語である日本語をしっかり習得する必要があるから」というもの。

たしかに、まだしっかりとした日本語も喋れない年齢では、英語を学んでもどれだけ理解できるかわかりません。まずは日本語を覚えることのほうが重要で、「英語教育は日本語をしっかり身につけた後でいい」と考える人が意外と多いことも納得がいきます。

そのほか、「実際に子どもに早期英語教育をしたものの、今現在まったく話せない。英語が苦手」という声や、「英語教育はある程度大きくなってから始めても遅くはない」といった理由が多く見られました。

たしかに、小さいころから子どもを英会話スクールなどに通わせていたのに、高校生や大学生になった時点で全然話せないという経験がある親は、ガッカリすると同時に「早期英語教育はあまり効果がないのかな」とも思ってしまいますよね。

ほかにも、「必要だと思わない」理由がいろいろと挙がっていたので、いくつかご紹介させていただきます。

「英語を学ぶよりも、ほかに大切なことがあるはず」(33歳・女性)

「早くやってもどうせ身につかない」(48歳・女性)

「大人になって学んでから、英語がペラペラになった人を知っている」(39歳・女性)

「持続しなければ意味がない。持続できるなら意味がある」(44歳・男性)

「本人が興味を持ったときにやらせればいい」(42歳・女性)

「林修先生がテレビで“必要ない”と言っていた」(30歳・女性)

「社会に出て実際に英語を使っている人は何パーセントもいないから」(36歳・女性)

「もうすぐ翻訳機能が発達するから」(41歳・女性)

このようにいろいろな意見がありますが、「翻訳機能が発達するから」というのはおもしろい理由ですね。

たしかに、ここ最近の翻訳機能の発達は著しいものがあり、将来的に読み書きは問題がなくなるかもしれません。ただ、やはり人対人で会話をしようとすると、ある程度の英語力が必要になってくるのではないでしょうか。

早期英語教育にはいろいろなメリットも

では逆に、「子どもに早期英語教育は必要だと思う」と考える人たちの理由を見ていくことにしましょう。

「早いほうが自然に身につくと思う」(48歳・女性)

「早めに始めることで、英語への抵抗がなくなるから」(36歳・女性)

「日本は話せない人が多いから、もっと早期に始めたほうがいいと思う」(49歳・女性)

「耳で英語に慣れるのと、外国人に対する苦手意識をなくしたいから」(44歳・女性)

「グローバル時代で市場は世界。英語は世界共通語だから必要」(42歳・男性)

「小学校・中学校に入ってから英語でつまずかないため」(42歳・男性)

「テレビで専門家が“早期英語教育は必要”と言っていたから」(38歳・女性)

「科学的根拠から早期英語教育は必要だと思う」(48歳・男性)

「早くからのほうが遊び感覚で学べるため」(38歳・女性)

「学校で変な発音の英語を習う前に、ネイティブな発音を学ぶほうがいい」(47歳・女性)

「やっておいて絶対に損はないし、役に立つと思う」(23歳・女性)

最も多かったのは、「小さいときのほうが吸収力があって身につきやすいから」という理由です。また、「グローバル化で社会に出るときに英語が必要だから」「早くに始めることで英語への苦手意識がなくなるから」という考えの人もたくさんいました。

たしかに、小さな子どもの吸収力はものすごく、大人がビックリするくらいのスピードで言葉や物事をどんどん覚えていくもの。脳がグングン成長しているときに、日本語といっしょに英語も覚えていけば、身につきやすくてとてもいい気がしますよね。

また、小さいうちから触れておくことで英語に対する抵抗もなくなるため、自然となじむことができそうです。

 

いかがでしたか? 「早期英語教育は必要かどうか」という問題について、正直なところどちらが正解なのかは分かりません。ただし、「必要だと思う」「必要だと思わない」と考えるそれぞれの理由は、「なるほど!」と納得のいくものばかりだったのではないでしょうか?

筆者は現在、イギリスで日本語と英語のバイリンガル育児を実践中ですが、それぞれの言葉での会話・読み書きを子どもたちにきちんと習得させるのは実に大変です。

個人的には、英語に慣れる、発音を正しく覚えるという点で早期英語教育は効果がある気がしますが、きちんと習得するためには、とにかくたくさん英語を聞く・話すという環境を持続させる必要があるのではないかと思っています。

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