子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

【妻に聞いた】「妊娠中の夫の飲み会」許せる?許せない? これだけは気づいて欲しいこと

検索エンジンの入力欄に「妊娠中 夫 飲み会」と入力します。すると、一緒に検索されている言葉の候補として「遅い」「イライラ」「頻度」「朝帰り」などのネガティブな言葉が表示されます。

あくまでも推測ですが、飲み会中の夫の帰りを待つ妻が、湧き上がる負の感情の理由を言語化するために、検索を重ねた結果だと思われます。

それでは、そもそもどんな“飲み会”はOKで、どんなときにネガティブな気持ちが高まるのでしょうか。妊娠中の“飲み会”に対する、妻の本音・夫の本音について探ってみました。今回は、妻の声をご紹介します。

「妊娠中の飲み会」どう思う?

null

『kufura』編集部のアンケートに協力いただいたのは、子どもがいる男女163人(男性80人・女性83人)。

今回の記事では、妊娠・出産経験がある女性の声を掘り下げていきます。

「妻の妊娠中に“夫が飲み会に行く”ことについてどう思いますか?」という質問に対して、3つの選択肢を設けたところ、以下のような割合となりました。

【妊娠中の“夫の飲み会”どう思う?(女性回答)】

良いと思う・・・25人(30.1%)
良くないと思う・・・21人(25.3%)
どちらでもない・・・37人(44.6%)

「良い」と「良くない」が拮抗し、「どちらでもない」が最多という結果になっています。

上記のように回答した理由について聞いたところ、それぞれの理由や、それぞれの許容範囲が見えてきました。

夫の飲み会「良いと思う」と回答した理由は?

null

まず、夫の飲み会について「良いと思う」と回答した理由についてご紹介します。おもに3つの理由がありました。

(1)人付き合いは大事

「頻繁は嫌だけど、人付き合いもあるしストレス発散にもなるだろうから、たまには行ったらいいと思う」(25歳・主婦/子3歳・0歳)

「お互いに付き合いは必要だと思う」(32歳・総務・人事・事務/子3歳)

「人との付き合いは大切」(38歳・主婦/子11歳・9歳・8歳)

「夫は夫の世界があるから。でも、頻繁には嫌だ。そこは考えてほしい」(43歳・その他/子11歳・9歳)

(2)気分転換になる

「たまになら気分転換にもなる」(39歳・その他/子7歳・5歳)

「たまには気分転換も必要」(48歳・研究・開発/子12歳)

(3)夕飯準備がラクになる

「夕飯を準備しなくて良いから」(30歳・営業・販売/子1歳)

「お金に余裕があれば好きにすれば良いと思う。正直、留守にしてもらえば夕飯も作らなくて良く、合コンのような飲み会ならキレるが、ただの友人や会社の飲み会ならご自由にと思う」(48歳・主婦/子20歳)

既婚女性が考える飲み会の果たす主な役割は“人付き合い”と“ストレス解消”でした。夫が所属する組織で“飲み会”の場を重んずるケースもあるでしょうし、人付き合いによって活力がわいてくる“外向型”な性格な人にとって、飲み会は活力の源となるケースもあるでしょう。

家事参加や料理を夫に期待しておらず「いないほうが料理がラク」いうケースも少数ながら含まれていました。

夫の飲み会「良くも悪くもない」と回答した人が思うこと

null

今回のアンケートで最多の割合だった「どちらでもない」と回答したグループでは、個々の“譲れない条件”を満たした場合には「問題ない」という回答が目立ちました

「頻繁だったら減らしたほうがいいと思うが、付き合いも大事 」(32歳・主婦/子6歳・4歳)

「奥さんの状態がきちんとわかっていれば良いと思う。自分だけ楽しめばいい」(41歳・その他/子7歳)

「それぞれの人生があるので、飲みに行くこと自体は良いと思う。でも、妻に対する気遣いは忘れないで欲しいし、連絡なく遅くなったりして心配をさせるのは避けた方がよいと思う」(52歳・主婦/子12歳・9歳)

「夫がいない方がラク。妊娠中の御飯作りは本当にしんどいので、外で食べてきてくれるなら、その方が良いと思いました」(53歳・主婦/子23歳)

頻繁ではないこと、妻の体の状態を理解していること、飲み会に行けない妻の気遣いを忘れないことなど、飲み会の参加する際の“前提条件”を設定したうえで“容認”という回答が目立っています。

妊娠中の飲み会は「良くないと思う」回答者が考える「良くない飲み会」

null

続いて妊娠中の飲み会に対してネガティブな印象を抱く女性の声です。無条件に反対しているわけでなく、以下のような飲み会を「避けてほしい」という声がありました。

(1)妊娠中「何か」が起こりそうな時期の飲み会

「妊娠後期とかになるとお産も近付いてくるから頻繁に行くのはやめた方がいいと思う」(27歳・主婦/子3歳・1歳)

「妊娠中は何が起こるかわからないので、すぐに運転できる状態でいてもらわないと困ると思う」(28歳・総務・人事・事務/子1歳)

「いつ何がきっかけで体調の急変があるか分からないものだから」(42歳・主婦/子9歳)

(2)頻繁すぎる飲み会

「妊娠中に毎日飲んで帰ってきて、殺意がわいた」(37歳・主婦/子3歳)

「どうしても外せない飲み会なら仕方がないと思うけど、どうでもいい飲み会なら行かないでほしい」(29歳・総務・人事・事務/子1歳)

(3)妻の我慢とストレスが蓄積しているときの「飲み会」

「妻が我慢してるのに、自分だけ行くのはズルい」(45歳・営業・販売/子11歳・8歳)

「妻は飲めない状況が何カ月も続いているので、仕事などでどうしても抜けられない時は別だけど、夫も少しは我慢してほしい」(57歳・その他/子16歳)

「その間にこっちは大変な思いをしてるのにと思いイライラするから」(52歳・その他/子17歳)

妊娠中の飲み会に対して「良くないと思う」と回答したグループでは、お産が近づいていたり、不安定な体調の時期には「そばにいてほしい」という声が目立ちました。

また、妻自身が飲み会好きだった場合、リフレッシュの手段がなくなることで「ずるい」「私ばかり我慢している」とネガティブな感情を抱えるケースもありました。

さらに、コロナ禍特有のこんな声も。

「妊娠から出産までコロナ禍だったので、 妊娠中に感染のリスクがある飲み会は全て断ってもらってました」(31歳・主婦/子2歳)

2020年以降の妊娠では、感染症に対する不安を抱えていた夫婦も少なくないと思われます。

 

以上、妊娠中の“夫の飲み会”についての女性からの意見についてご紹介しました。

「夫の飲み会は全てNG」という声は少数派でしたが、お産が近づいている時期や体調が安定しない時期の飲み会、頻繁な飲み会、「仕事の付き合い」という理由にかこつけて夫が積極的に開く飲み会に対して、厳しい眼差しが向けられていました。

次回は、男性サイドの声をご紹介します。誘われる側・誘う側を体験している男性ならではの回答もありました。あわせて読むことで“飲み会”を巡って多様化する価値観の一端が見えてくると思います。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載