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【妻編】「別れたい」と思ったこと、それでも離婚しなくてよかった理由…結婚30年以上のベテラン妻に聞いた!

結婚はいいものだ。結婚は墓場だ。結婚は退屈だ。結婚生活について、いろんな人のいろんな言葉を耳にしますよね。1つの結婚生活にも悪い時期といい時期があるからこそ、結婚を描写する言葉はバラエティに富んでいます。

今回『kufura』編集部は、結婚してから30年以上経過した既婚男女にアンケートを実施して、過去の離婚願望や、現在の夫婦関係について質問しました。

前回の【夫編】に引き続き、今回は妻からの声をご紹介します。

結婚歴30年以上の女性の2人に1人が、過去に「離婚を考えた」経験あり

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今回アンケートにご協力いただいたのは、現在の夫と30年以上の結婚生活を続けている女性49人。

これまで1度でも「離婚したい」と感じたことがある女性は49人中26人。およそ2人に1人の割合です。男性の場合は3人に1人だったことを踏まえると、やや高めの割合でした。

夫婦の生活が30年以上続けば、関係が悪化する時期もありますよね……。とはいえ、今回のアンケート対象者は、離婚には至っておらず、現在も結婚生活を続けています。

さらに、8割が「離婚しなくてよかったと思う」と回答しています。

【離婚しなくてよかったと思う?】

「離婚しなくてよかったと思う」・・・21人(80.8%)

「離婚すればよかったと思う」・・・5人(19.2%)

離婚しなくてよかった。離婚すればよかった。

既婚女性が長い結婚生活を経て、その心境に至った理由について紹介していきます。

「離婚しなくてよかった」と感じている理由

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離婚しなくてよかった、と感じている理由については、以下のようなものがありました。

(1)大変なときもあったけど、今は幸せ

「紆余曲折いろいろあったが、その時々の大変さがあったからこそ良い関係が築けたと思う」(51歳・その他/結婚30~39年)

「やっぱり、親よりも長くいて、嫌になることもあるけど、良かったこと・良いことも有るし、子どももいない、親族とも疎遠なので、2人でがんばって助け合いながら、どちらかが命尽きるまで、お互い辛抱しながら居るしかないと思う」(54歳・主婦/結婚30~39年)

「なんとなくうまくいっているので、今はどうでも良いと思えるようになった」(75歳・その他/結婚50年以上)

「口論になり一時的に嫌悪感を覚えたが、良かったことも多いし基本は優しいのでこれも腐れ縁かと納得する」(69歳・その他/結婚40~49年)

「夫との信頼関係ができたから」(58歳・主婦/結婚30~39年)

(2)夫のことを思いやる余裕が生まれた

「長く一緒にいると親の面倒、子育てで揉めることがあるが、ここを過ぎればあとは何とか上手くやれると思う」(58歳・主婦/結婚30~39年)

「夫も余裕がなかったからとわかるから」(71歳・主婦/結婚40~49年)

「優しいし、家族を大切に思っているのがよくわかる」(59歳・その他/結婚30~39年)

(3)離婚後の不都合を避けるため

「金銭的に困らないから」(73歳・主婦/結婚50年以上)

「歳をとったらやはり2人でいるほうがさみしくなくていい」(67歳・その他/結婚40~49年)

妻サイドから頻出していたのが「大変な時期もあったけど」「いろいろあったけど」というキーワードです。人生の“繁忙期”には、自分が自分らしくいられない時期もあるかもしれません。ライフステージが変化すると、互いに向き合う時間が生まれたり、自分たちの手元にある“幸せ”をしみじみと眺める余裕も生まれるようです。

ただし、それができるのは、一時期悪化した夫との関係を軌道修正できていたケースに限ります。

続くケースでは、夫への不満がくずぶっている人も見受けられました。

「離婚すればよかった」と現在も感じている理由

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続いて「離婚すればよかった」と感じている人の声をご紹介します。

「夫との価値観の違いで頭にくることがあるから」(64歳・その他/結婚30~39年)

「機会があれば離婚したいが、相手が離婚を拒む」(62歳・総務・人事/結婚30~39年)

「決断するなら若いときのほうがなんとかなったとは思うけれど、子どもが小さいので無謀だったかもしれない。年とると子ども以外のしがらみも増えてくるので、ますます離婚もしづらくなってくる。本当にどちらが良かったかなんて死ぬまでわからないのでしょう」(55歳・主婦/結婚30~39年)

「今とは違った人生も生きてみたかったともよく思うので」(59歳・主婦/結婚30~39年)

“今とは違う生き方”に思いを馳せつつも、変わらぬ日常を暮らしていることがうかがえます。

夫婦関係で、怒りや悲しみなどのネガティブな感情を駆使して心が削られ続けた場合、別の日常に飛び込む気力も消耗してしまうのかもしれません。

 

以上、2回にわたって結婚後30年以上経過した夫・妻の声をお届けしました。

人生の優先事項は、時事刻々と変わっていきます。「あのとき、妻に寄り添っていなかったな」「あのとき、夫も余裕がなかったんだろうな」。自分と相手を客観的に見つめ、過去の自分と相手を互いに受け入れることができたとき、穏やかな関係性が戻ってくるのかもしれません。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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