子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

【共働き夫婦のリアル】共働きがしんどいと思うのはどんなとき?不満は「家事・育児の分担」についてだけじゃない

夫婦ともに仕事をもつ「共働き」世帯。忙しい日々の中で、家事や育児をこなしていくには、お互いの協力が欠かせないですよね。今回『kufura』では、20代から50代の既婚で共働きの男女105人に「共働きがしんどいと思うのはどんなときか」アンケート調査を行いました。妻の声、夫の声をそれぞれみていきましょう。

女性たちの「共働き」がしんどい理由

null

まずは、女性たちから寄せられた「共働きがしんどいと感じる理由」について、回答をみていきましょう。

家事・育児の負担が自分に偏っている

「主人がまったく家事をしないので、比率的に自分の方がやることが多い」(37歳・女性/その他)

「同じように働いていても、育児や料理は私がすること」(48歳・女性/総務・人事)

「家事をする時間がなく急いでいるのに、夫は何もしないこと」(49歳・女性/その他)

「自分ばかり子育てやご飯作りなどしていて、辛い……」(38歳・女性/契約社員・派遣社員)

働きながら、家事や育児も一手に引き受けている自分に比べて、夫があまり関与しないことを疑問視する声が多数寄せられました。

特に、夫婦間で仕事の拘束時間に差がないのに、家事の比重が妻にばかり偏っていることに対しては、はっきりと不満をあらわす声が。

分担はしているが不平等感がある

「私も働いているから家事分担はしているが、結局やっていないことにいら立ってしまい、分担している意味があるのかなと思うことがある」(28歳・女性/総務・人事)

「夫は完全在宅勤務で、朝食も昼食も自分で調理して助かるが、その洗い物を帰宅後に私がするのが大変。家にいるならやって欲しい」(51歳・女性/総務・人事)

「平日はいいが、休日になったら夫は会社が休みで負担減となる一方、自分は会社は休みだが家事負担が平日よりも負担増で、結局平日と変わらず忙しくしんどいと思う」(39歳・女性/公務員・団体職員)

「夫が激務のため、平日は私のほうが先に帰宅。ご飯を作りラップをかけて置いている。皿洗いまでしている。土日は掃除機をかけて洗濯をしてくれているが、それだけで対等と思わないでほしい(洗濯は洗濯機がしてくれているから)」(51歳・女性/総務・人事)

夫婦で家事を分担しているのに、夫がやるべき家事をしていない……モヤモヤするうえに、自分がフォローしなくてはいけないとなると、「何のための家事分担なの?」と感じてしまうのもごもっともです。

また、料理はするけれど洗い物をしない、土日だけは掃除と洗濯をするが平日はゼロなどなど、夫たちへの不満の声が上がりました。

子どもに関することの対応が大変

「子どもが小さいときは、熱が出たりして、仕事を休まなければいけないときがあったので辛かった」(48歳・女性/総務・人事)

「子どもの病気はもちろん“しんどい”のですが、仕事の後の子どもの習い事の送迎(週4)も“しんどい”です。けれど、働く時間が私の方が短いので、仕方がないですけどね」(38歳・女性/パート・アルバイト)

「子どもの学校の行事で仕事を休まなければならないのが辛いです」(50歳・女性/財務・経理)

子どものいる共働き夫婦の試練ともいえるのが、子どもの発熱や病気により、イレギュラーな対応を迫られたとき。

そんなとき、仕事を調整して対応するのが、いつも自分であること、また、習い事や学校行事の対応も“負担”になっていることがわかりました。

男性たちの「共働き」がしんどい理由

null

一方、男性たちはどんなときに、共働きが「しんどい」と感じているのでしょうか?

夫婦で共有できる時間が少ない

「お互い時間がすれ違う」(53歳・男性/その他)

「共有の時間が少ない」(45歳・男性/その他)

「休みが合わない」(32歳・男性/研究・開発・技術者)

「休みを合わせるのが難しい」(59歳・男性/総務・人事)

女性からの回答にはほとんど見られなかったのに対し、男性たちの回答に目立っていたのが、「夫婦で過ごす時間が少ない」というものでした。

お互いの仕事の休みが合わなかったり、家で顔を合わせても疲れていたり、そういった夫婦の“すれ違い”を、男性たちは「しんどい」と感じているようです。

夕食の準備に関すること

「ごはんがチン」(46歳・男性/研究・開発・技術者)

「奥さんが疲れて帰ってきたとき、ごはんがないこと」(53歳・男性/総務・人事)

「二人とも残業だったときの夜ごはん」(40歳・男性/その他)

「夕飯の支度」(51歳・男性/営業・販売)

どちらも残業で遅くなってしまったときなど、夕食の支度をする時間が取れないことが、共働き夫婦においては切実な悩み。

毎日、定時に終業し、時間の予測が立てられるならまだしも、繁忙期があったり、残業があったりと、なかなか予定通りにはいかないのが“仕事”ですよね。

家事の分担を決めるのが大変

「家事の分担でもめる」(56歳・男性/研究・開発・技術者)

「家事の量で喧嘩する」(28歳・男性/専門職<医師・看護師・弁護士など>)

「家事をたくさん任されたとき」(45歳・男性/営業・販売)

夫婦間で家事分担を決めている共働き世帯も多いかと思います。ですが、仕事量や時間などをすり合わせながら、お互い納得できるよう分担を決めるのは、なかなか難しいことですよね。

家事の分担をめぐって夫婦間でもめることが「しんどい」という声が、とりわけ男性の側から上がりました。

疲れていても家事をしなくてはいけない

「家事が溜まって手に負えないとき」(44歳・男性/その他)

「仕事から帰って来てから家事をしなくてはいけないこと」(54歳・男性/その他)

「仕事で疲れて家事をしたくないとき」(59歳・男性/自営業)

「家事がたまって時間と体力の余裕がなくなる」(37歳・男性/公務員・団体職員)

「夫婦で共働きなので、休日に部屋の掃除等をしなければならず、ゆっくり休めずにしんどい」(58歳・男性/総務・人事)

料理、後片付け、掃除、洗濯などなど、毎日の家事は多岐に渡ります。共働き夫婦では、働くことと並行して一定時間を家事にあてなくては、家の中が回らないのが実態です。

仕事で疲れ切って帰宅したのに、今日じゅうにやるべき家事が残っている、休日はたまった家事をこなさねば……といったように仕事と家事の両立が大変だという回答が目立ちました。

子どもに関すること

「子どもの世話をしつつ働くのは大変」(42歳・男性/その他)

「子どもの迎えをほぼやらされる」(55歳・男性/営業・販売)

「子どもが熱を出して会社を休むことになったりしても、会社などなかなか周囲の理解が得られない」(51歳・男性/研究・開発・技術者)

「私の会社は急に休む事が難しいので、妻に育児面で負担をかけていて申し訳なく思っています」(39歳・男性/営業・販売)

「学校の行事にどちらも参加できないときがある」(32歳・男性/その他)

「子どもの学校行事で仕事を休まないといけないとき」(53歳・男性/総務・人事)

子どものいる世帯では、子どもの保育園の送り迎えや食事、入浴、通園通学準備など、自分の仕事と家事以外に、やるべきことがたくさん。

そこに、子どもが体調を崩すなどイレギュラーな事案が舞い込むと、もはやパンク寸前です。

女性が、子どもの体調不良時の対応が「共働きがしんどい」理由として挙げたのに対し、男性からは「自分は休みにくいので妻に申し訳ない」との声も……。まだまだ男女で子育てを分担しにくい社会の状況が垣間見える回答でした。

ここまで、「共働きがしんどいと感じるとき」について、女性と男性の声をご紹介しました。

女性側は「家事・育児の負担の偏り」に対してしんどいと思う声が多かった一方で、男性側は「夫婦で共有できる時間が少ない」という声が多く聞かれました。働きながら家事や育児もこなさなければならない中、お互い限られた時間をどのように協力し合うのか、今一度話し合ってみてもよいかもしれません。

新井円
新井円

ライター、J.S.A.ワインエキスパート。札幌の編集プロダクションに勤務し、北海道の食・旅・人を取材。夫の転勤で上京後、フリーでライティングや書籍の編集補助に携わる。小学生のころから料理、生活、インテリアの本が好きで、少ない小遣いで「憧れに近づく」ために工夫し、大学では芸術学を専攻。等身大の衣食住をいかに美しく快適に楽しむか、ずっと大切にしてきたテーマを執筆に生かしたいです。小学生のひとり息子は鉄道と歴史の大ファン。

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載