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【妻編】「結婚して後悔している人」が抱えていた4つの理由。「後悔していない人」と何が違う?

「この人は良い学校を出ているから、思慮深いのだろう」「この子は笑顔がかわいいから、優しいはずだ」というように、相手の目立った特徴に引きずられて、客観的な評価ができなくなることを“後光効果”と呼びます。

恋愛感情が最高潮に達しているときには、相手の“一番好きなところ”が目立って見えるものです。しかし“後光”のまぶしさに目が慣れてくると、少しずつむき出しになっていくのが“相手の素”。

特に、結婚生活については、互いの“後光効果”が薄れたときに、ようやく全貌が見え始めると言っても過言ではありません。中には、相手の“素”を目の当りにして、結婚を後悔する人もいることでしょう。

前回の【夫編】に続く今回は、結婚生活に後悔している既婚女性の声をご紹介します。

既婚女性に「結婚の後悔」をもたらすものは?

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『kufura』編集部は既婚男女339人(男性147人/女性192人)にアンケートを実施しました。「あなたは結婚したことを後悔していますか?」という問いに3つの回答を用意し、今の心境に最も近い選択肢を選んでもらいました。

既婚女性の回答の割合は、以下の結果となりました。

やや後悔している・・・22.4%(43人)
とても後悔している・・・7.3%(14人)
後悔していない・・・70.3%(135人)

「やや後悔している」「とても後悔している」と回答した割合の合計29.7%。夫サイドの23.1%と比べると、やや高めの割合となっています。

後悔している理由としては、以下のような声が寄せられています。

1:こんな人だと思わなかった…「相手の素」に幻滅

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「見た目と全然違って文句しか言わないような人なので、結婚したことを後悔しています。ただ子どもたちに出会えたのは嬉しいことなので、やや後悔……」(32歳・主婦)

「結婚前後で夫の性格が変わった気がする。いままで見えない部分がいろいろと見えた」(32歳・主婦)

「金銭的にだらしない。自分勝手で家族を優先しない。つき合ってるときはマメだったのに、一切私に関心がない。でもうるさくなくて私も自由ではある」(44歳・契約社員・派遣社員)

「夫がこんなに傲慢な人だとは思わなかった。しかし、今いる子どもは、この夫とだから巡り合えたと思えるので、今は我慢しかないと思っている」(52歳・総務・人事)

結婚してから見えてきた夫の本性に気づいて後悔している、という声です。結婚前に見えていなかったのか、夫が隠さなくなったのか、それとも生活が人を変えたのか。それは夫婦にしかわからないことです。

2:妻が家事を「全て」「ほとんど」担っている

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「片づけをしないどころか廃棄処分の物を“もったいないから”と持って帰ってくる。不満」(37歳・主婦)

「子どもに恵まれたことはうれしいが、夫は結婚して何もやらなくなった。すべてを私に押し付けるようになった」(42歳・主婦)

「夫は家事にも協力的じゃないし、しんどい」(37歳・その他)

「夫の生活スキルが低すぎたので後悔しています。こぼして食べるのが当たり前、トイレは汚して当たり前。水は出しっぱなし、靴下は丸めて脱いで洗濯に出すとか」(42歳・主婦)

夫が家事に参加しない、家事を増やすなどの声が聞かれました。毎日発生する家事を1人で担ううちに蓄積されていった不満が後悔につながっているのかもしれません。

3:夫の家族との人間関係

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「義実家の人間関係が煩わしくてうんざりしている」(37歳・その他)

「義実家が面倒。結婚そのものにはそこまで大きな不満はないが、義父が勝手すぎるのがすごく嫌です」(51歳・その他)

「夫に不満はないが、結婚する前の話とちがって義実家にお金がかかって困る」(57歳・主婦)

夫の親族の要求が少々行き過ぎている場合、夫婦関係に深刻な影響をきたすことがあるようです。もちろん、男性サイドにも配偶者の親族との関係に悩んでいる人がいるのでしょうが、今回のアンケートでは、こうした悩みは女性に偏っていました。

4:自分の自由がない

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「自分の自由な時間がない」 (38歳・ 契約社員・派遣社員)

「自分の自由な時間が減ってしまったので」(52歳・総務・人事)

「子どもがいることは後悔してないが、結婚してることによってお金の使い方にいちいち干渉されたり、自由に遊びに行けない」(46歳・主婦)

男女ともに“自由”というキーワードが見られました、同じ“自由”でも、男性からは「自由に遊べない」、女性からは「自分の自由がない」という回答が目立ちます。先に紹介した家事、育児、実家づきあいなどによって“自分の自由”がない、という心境になっていくのかもしれません。

「結婚したことを後悔していない理由」から見えてくること

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ここまで読んだ方は、結婚へのネガティブなイメージが増幅してきたかもしれません。

しかし、今回のアンケートで結婚を後悔している割合は少数派。「結婚したことを後悔していない」と回答したのは、70.3%と多数派です。

その理由については、以下のような声が寄せられました。

「自分が自分らしく発言したり、やりたいことを好きなだけやらせてくれたり、子育てでイライラした時も受け止めてくれる。旦那さんと結婚して、自分のことが好きになった」(39歳・自営業)

「私のことを理解して家族のことも受け入れてくれて旦那との結婚はまったく後悔していません。不満がないとは100%ないとは言えませんし、他人が一緒になってるのでお互いいろいろありますが、これからも2人で協力して生きていきたいです」(35歳・パート・アルバイト)

「夫にむかつくことはあるが、お互い様。子どもも生まれて、とても充実した毎日を送っているから」(37歳・研究・開発・技術者)

「大好きな相手と、毎日、朝晩と顔を合わせられるし、触れられる」(39歳・主婦)

「同級生なので、友達とか同盟みたいな感じ。価値観も似ているので居心地が良い。気張らない生活を共にしていける」(49歳・総務・人事)

「夫が安心感を与えてくれるので、結婚生活に心の平安を感じる。また、夫の自分とは異なる価値観は興味もあって面白いし、同じ場所で共感できるときも喜びが2倍にも、子どもを入れたら3倍にもなるから」(49歳・主婦)

「結婚を後悔するカップル」「後悔しないカップル」の違いは?

男女のアンケートを振り返ると、「相手が思っていた人とは違った」「相手が自分の思い通りに動いてくれない」「結婚はメリットばかりではなかった」という状況に直面したときに、被害者感情のようなものが増幅し、結婚の後悔につながっている様子。

一方「結婚したことを後悔していない」と回答した人は、自分と違う相手の価値観から新しい発見を得ながら、自分らしくいられる安心感のある居場所を築いている印象を受けました。

夫婦が違う視点を持ち寄り、軌道修正しながら2人の生活をある程度“自由に”作っている、という点が結婚の満足度につながっているのかもしれません。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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