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悪天候で臨時休園!園によって判断はなぜ違う?そのとき共働き家庭はどう対応した?

台風シーズンが到来中。台風の接近や上陸が予想される場合、休園したり開園を遅らせる保育施設は少なくありません。未就学児のお子さんがいる家庭では、子どもが通う保育施設がどんな対応をするのか注視する必要が生じますよね。共働き家庭の場合はいろんなケースを想定した準備と根回しも必要になるかもしれません。

『kufura』(クフラ)の編集部は、幼稚園児ママ38人、こども園ママ13人、保育園児ママ24人の合計75人の女性に台風などで臨時休園になった最近の経験についてきいてみました。

アンケートの回答を見ると、それぞれの保育施設ごとに回答の傾向が少しずつ異なっています。

【幼稚園】グループの回答:災害による「突然の休園」の経験は約66%

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まず、幼稚園ママに最近の臨時休園の経験について聞いたところ、38人中25人が「休園の経験がある」と回答しました。割合にすると65.8%です。

「台風のため休園になった。前日のお迎えで連絡があった」(28・営業・販売)

「台風で休園になり朝連絡アプリで知った」(31歳・主婦)

「まさに先日台風で休園。朝に一斉メールが来た」(34歳・主婦)

「先日の関東直撃の大型台風では前夜に時短保育のお知らせ、当日朝には変更されて休園メールがきた」(37歳・主婦)

前日のうちに休園が確定していた園、当日の朝に臨時休園が決まってメールや連絡帳アプリで連絡がきた園に分かれていました。

幼稚園ママの4人に1人が共働き家庭でしたが、近くに住む祖父母に子どもをお願いして仕事に出かけたり、自分が休むなどして臨時休園の1日を乗り切っていました。

「急きょ仕事を休んだ」(28歳・営業・販売)

「近くに住む祖母にお願いした」(31歳・その他)

「親を呼んだ」(35歳・総務・人事・事務)

【こども園】グループの回答:災害による「突然の休園」の経験は約69%

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続いて、こども園ママは、13人中9人が台風などによる臨時休園を経験しています。

「台風で前日の夕方に幼稚園部は休園が決まった。保育園部はあるものの、バスは運休、なるべくは家で見てほしいということだった」(27歳・主婦)

「台風の影響で、臨時休園になった」(28歳・営業・販売)

こども園は幼稚園・保育園と比較して数が少ないのですが、多くの園は幼稚園の機能と、保育に欠ける児童を預かる保育園の機能を兼ねています。今回のアンケートでは、共働き家庭は13人中3人でしたが、休園になったときには近所のおじいちゃん・おばあちゃんの手を借りて乗り切っていました。

【保育園】グループの回答:22人中12人は「臨時休園の経験がない」

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保育園グループは、「臨時休園の経験がある」と回答したのは、40.1%と、幼稚園グループと比較して約25%低い数字となりました。半数以上が「臨時休園の経験がない」と回答しています。

「今現在は保育園児だが、3月までは幼稚園児。保育園に入ってからは台風で休園になったことはない。幼稚園の時は台風や大雪のために休園になった。前日または当日の朝メールがきていた」(35際・主婦)

「臨時休園になったことがない」(42歳・主婦)

「保育園は休園ではなかったが、休ませた」(40歳・主婦)

「地震のため休園になった。電話が来た」( 35歳・その他)

「停電で食事提供ができないので休園となった」(39歳・主婦)

給食が出せない、停電が起こったなどの緊急事態では休園となりますが、台風の場合に休園にするかどうかは自治体の判断が絡む場合もあり、難しいケースもあるようです。

休園時の親の対応については、以下のような回答がありました。

「基本的に母親である自分が休む」(35歳・ その他)

「私がどうしても休めなかったので、無理言って主人に休んでもらいました」(30歳・総務・人事・事務)

「妻の私が遅刻して出勤した」(39歳・営業・販売)

「おばあちゃんに見てもらう」(30歳・公務員)

保育園と幼稚園で対応に差が出る理由は?

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今回のアンケートでは、保育施設の臨時休園を体験した割合は、幼稚園グループより保育園グループの方が低い傾向が見られました。また、幼稚園グループにおいて、比較的早い段階で休園が決まっているケースが多く見受けられました。

ちなみに幼稚園は、小学校と同じく文部科学省の管轄。法律では「学校」と定義されており、法律で「非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、臨時に授業を行わないことができる」と定められています。

一方で、保育所は厚生労働省の管轄。「児童福祉施設」と定義づけられており、保護者の就労や病気などにより、「保育に欠けるその乳児又は幼児を保育する」役割があります。

こども園は「児童福祉施設および学校」で、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」など、園によって特色があるのが特徴です。

日本では、台風で交通網が乱れた場合でも「会社に行くのが当たり前」という職場が多く見受けられます。お父さん・お母さんが仕事に行かなければならない場合、子どもは「保育に欠けた状態」となります。そうなると、保育園側も容易に臨時休園を選択することができず、保育士が災害の最中に出勤して職務につく場合も多いと推測できます。

また、子どもの命を守ることはただでさえ重責であるのに、災害が重なると保育士の責任はさらに重くなる事態も考えられます。

 

今年の台風シーズンはまだしばらく続きます。インターネット上では「台風による交通網の混乱の最中に無理に出勤するべきではない」という声があがりはじめていますが、人手が足りなくなると混乱をきたす職場は少なくありません。このようなことも踏まえ、今後、台風のような進行型の災害時の働き方については、議論が深まっていくのではないでしょうか。

 

【参考】

学校教育法施行規則 第六十三条 – e-GOV

子ども・子育て関連3法について – 厚生労働省

認定こども園に関する留意点について – 厚生労働省

 

 

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