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「イベント託児」を有意義に使いこなす活用ガイド!手続きからおすすめ利用法まで

美術館、博物館、劇場……子どもが生まれてから、それまで慣れ親しんできた“大人のスポット”が、はるか遠くに感じられた経験はありませんか? 鑑賞・観劇中に子どもを預かってくれるサービスは、そんなパパ・ママのたちのためのものです。

しかし、初めての場所で子どもを預けることに対して不安がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、『イベント託児』のサービスを提供する株式会社マザーズの代表取締役・二宮可子さんに、子どもを預ける際の疑問についてあれこれ聞いてみました。

「イベント託児」って何?どんなシーンで使えるの?

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マザーズが提供する『イベント託児』は、お芝居やコンサート、美術館などの会場で、親が催しに参加する間、子どもを預けられるサービス。公演の主催者が顧客サービスの一環として会場や近隣に専用ルームを設け、マザーズが託児を請け負う形で行われており、実施回数は月平均150公演、年間で1,800公演にも上ります(2017年実績)。

二宮さんが、ご自身の育児中に「コンサートホールや劇場のなるべく近くで子どもを預かってもらえないか?」という思いからビジネスモデルを構築。「もし、自分の子どもを預けるなら……」という前提で、システムの工夫を重ね、30年間無事故を貫いているそう。

詳しくは、前回記事『母親が“1人の時間”持つことの罪悪感なくしたい…マザーズ代表が語る“イベント託児”』で語られています。

「イベント託児」を利用したい!予約期限や予算は?

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初めて利用するときには、ちょっとした不安も伴いそうですよね。まずは、二宮さんにイベント託児の利用の流れについてうかがいました。

「託児サービスを受ける場合、公演であればチケットを購入後、電話またはメールで託児の予約が必要です(※一部当日受付のみの場合もあり、主催者の情報を参照)。公演日が近づいていて託児サービスが受けられるか心配な場合には、チケット発売日以降であれば、チケット購入前に“託児仮予約”をすることもできます。

イベント主催者の方針によって異なりますが、基本的には利用日の1週間前までに予約期限を設定しているイベントが多数です。中には“先着順”という場合もありますので、その都度ご確認ください」

パパ・ママにとって、参加希望のイベントが“託児つき”かどうかは、大切なチェックポイント。マザーズの場合は、同社のサイトからも情報を得ることができます。

予算は、主催者や会場によって異なりますが、1回の利用につき1,000円~3,000円の価格設定をしているイベントが多く、一般の託児サービスの相場よりかなり低価格。

二宮さんによれば、『イベント託児』は託児で利益を出す目的ではなく、イベント主催者が提供する“顧客サービス”の一環。イベント主催者が費用を負担していることで、利用者は低料金で質の高い託児の利用が可能になっているそうです。

「イベント託児」の強みは「子どもがそばにいる」という安心感

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育児中、自由な時間を望みながら、不安が拭えず託児サービスの利用をためらってしまった経験を持つ方も少なくないでしょう。マザーズでは、可能な限り、預ける側の不安を取り除きたいという思いから、様々なケースに対応しているといいます。

たとえば、「完全母乳で、2時間以上離れたことがない」といった場合。

「完全母乳の方は、託児の受付後や、公演の休憩時に授乳をすることもできます。『イベント託児』は、基本的に会場内や会場付近で行うため、母子が近くにいることができ、授乳のタイミングを心配されている方でも安心です。

また、突然の発熱など子どもの体調に変化があったら、すぐに知らせることもできます。これはイベント会場内や会場近くで預かる『イベント託児』の強みです」(二宮さん)

そして、子どもに食品アレルギーがある場合でも託児可能。

「食物アレルギーがある子どもを預かる場合、

(1)事前予約の段階

(2)提出書類の段階

(3)当日おやつの現物を保護者が確認

という3段階で対応し、事故を防ぎます。

アナフィラキシーショックを持つ子がいたら、誤食を防ぐため、当日預かるお子さんたち全員にアレルゲンを除去したおやつを用意し、保護者全員の了承を得ています。

また、持病やハンディキャップのあるお子さんでも、現場の判断でお預かりしています。そういった理由で子どもを預けられず、自分の楽しみを後回しにしてきた方たちにも寄り添い、できるだけ多くの親子に開かれた託児を提供したいという思いがあります」(二宮さん)

自然と芸術の中で…「おすすめの利用法」

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最後に、意外と知られていないお得な『イベント託児』の利用方法をうかがいました。

「例えば、上野の東京美術館の“パパママデー”。託児利用の対象者は、“東京都美術館と上野公園内の文化施設にお越しの方”とされています。

美術館内には飲食店やライブラリもありますし、上野公園には博物館や動物園といった文化施設もあります。託児の3時間の間に展示を鑑賞したら、館内のカフェで足を休めながらゆっくりとお茶を飲むといったこともできます。料金は1回1,000円~2,000円と、一般企業の託児サービスより安いので、おすすめですよ」(二宮さん)

託児サービス パパママデー – 東京都美術館

美しい展示品にじっくりと向き合ったり、自然の中でゆったりとした時間を持ったり。たまには一人で、または夫婦で、大人の時間を楽しむことで、心にゆとりを持つことができそうですね。

 

演劇では、各劇場や劇団が託児サービスを用意している公演も増えています。こうしたイベントで子どもを預けられる『イベント託児』のようなサービスは、今後も増えていってほしいものですよね。

安心して子ども預けられる環境でのイベントなら、親子にとっても得るものも多いかもしれません。まずは、情報収集してみてはいかがでしょうか。

 

※写真はイメージです


【取材協力】

株式会社マザーズ

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