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娘(14歳)も飲み干す!「新茶」で作る鮭茶漬けはこんなに美味しい【お米農家のヨメごはん#79】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・14歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載79回目。

今回は、まるでボジョレーヌーボー!新茶の季節を楽しむ食卓と、田植えが終わってホッと一息、田んぼの様子をお伝えしたいと思います。

全国から新茶が届きました!

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新茶の季節だ。
全国のお茶農家さんとのご縁があり、各地から新茶が届く。

5月中旬くらいから、毎日のように新茶を楽しんでいる我が家。 1年に1回この季節は、まるでボジョレーヌーボーみたいだなと感じている。

新茶は、その年の一番最初に採れたお茶の事。 春になって新芽を出したお茶の木の、最初の芽を摘んで製茶されたものだ。

まずは、爽やかな新茶の味わいをそのまま楽しむ。

ところで、我が家にはちゃんとした急須がない。カジュアルな土瓶しかないのだ。でも、難しそうと構える前にとにかく楽しんでしまおうと、家にある物でいれている。

煎茶の入れ方も気負わず、お湯の温度を気にするくらい。 最後の一滴まで注いで、口にそっと含む。 しみじみという言葉が食道を通って胃の中にふわっと広がるくらい、本当に心が落ち着く味わいだ。

まろやかでほんのり甘い。 そして、二煎目三煎目と味の違いを感じるのも楽しい。

新茶が届いたら絶対に食べたいと思っていたのが、お茶漬け。

脂がのった、昔ながらの塩がしっかり効いた鮭を焼く。 火にかけるとすぐに脂が出てきて、香りが漂う。 これだけで飲めそうな気がしてきたけれど、がまんがまん。

今回は、新茶とのマリアージュを楽しむのだ。

青ネギと白ごまを用意して、あとは新茶を注ぐだけ。 お茶漬けが、サラサラッと身体に入ってくる。

いつもは市販の素にお湯を注ぐだけという横着ぶりだけれど、 丁寧に作るお茶漬けはこんなに美味しいのだという驚き。 お茶の苦みが少し苦手な娘も、まろやかな新茶は飲める!と笑顔になっていた。

これからジメジメとした季節に入る。 食欲が減退したり食事の用意が面倒な時は、 新茶のお茶漬けで乗り切ろう。

5月下旬、それまでの肌寒さが一転、初夏のような暑い日が続いた。

こういう時は水出しのお茶に限る。 パックになっているお茶に水を注ぐだけで、とっても簡単お手軽だ。 おともは、この辺りで野上り餅と言われている和菓子。 つるんとしたお餅の中は、あっさりしたこしあん。

野上りの時期ならではのおやつタイムになった。

田植え、終わりました!

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ところで「野上り」という言葉は米農家にとって、ジワッと嬉しく響く。

田植えが終わって、やっと田んぼから野に上がってくるという意味があるからだ。 そう、やっと田植えが終わった。 今年も機械トラブルに悩まされつつも、農機具修理の方やお手伝いの方に助けられ、 なんとか終える事ができた。

田植え機で植えられなかった部分は、こうして補植していく。 北アルプスをバックに手で植える作業は、まさにこれこそ田植え!といった趣で絵になるけれど、 作業としてはかなり大変だ。

どうしてもここだけはという部分だけ植えて、あとの大部分には目をつむる。

大きな田んぼが何枚もある。 1人で作業するには限界がある。
そこを見極める覚悟がないと、この先も米作りを続ける事は難しい。

そうして迎えた野上り。

最初の頃に植えた苗はもうしっかり活着(根付くこと)して、 くっきりと色づいて一回り大きくなっている。

夕陽が沈み、田んぼが赤く染まる時間帯。 1枚1枚田んぼを見回り、水を管理していく。 水が少ない田んぼに水を入れて、丁度良い頃合いで水を止める。 水稲と言われるくらい、稲と水の関係は大事だ。

これからは、ひたすら水を見て田んぼを回る日々です。


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにもかかわらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。

濱田ファームのHPはこちらから。

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