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近所の子に「連絡帳手渡し」の不満も…学校への「欠席連絡」について小中学生の父母に調査

子どもが欠席する際の連絡方法は、学校・学区ごとに異なっています。

欠席の理由を記入した連絡帳を近所の子に託す学校がある一方で、電話やアプリで連絡する学校もあります。

今回は、小中学生の子どもがいる265人の男女にアンケート(アンケート実施期間:2022年4月29日~5月9日)を行い、現在の欠席時の連絡方法について聞いてみました。

コロナ禍以降、子どもの欠席連絡に変化があったケースもありました。

小学校の欠席連絡方法は?現在の方法について感じていることは?

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まず、小学校の欠席時の連絡方法についてお届けします。連絡方法は、以下のような割合でした。

【欠席連絡の方法(小学校)】

連絡帳を近所の児童に託す・・・16.4%
学校に電話・・・56.0%
連絡帳アプリなどのwebシステム・・・18.9%
学校にメール・・・6.9%
配偶者担当のためわからない・・・1.8%

今回のアンケートでは、連絡帳で欠席連絡をしている割合はおよそ6人に1人。

現状の連絡方法について、不便さを感じている保護者の声が目立ちました。

「近所の子に預けるために集合場所まで行かないといけない」(49歳・ 主婦・女性/子・小4)

「登校班が廃止され、連絡帳を渡すのに不便」(35歳・その他・女性/子・小1・小2)

「連絡帳を渡す相手の子に悪いと思う」(42歳・主婦・女性/子・小4)

「いまだに連絡帳。電話も極力しないように言われている」(45歳・その他・女性/子・小1・ 小3・ 小6)

「都度、誰かにお願いしないといけない。アプリ等で連絡できるほうが便利」(48歳・金融関係・男性/子・小2)

「学校からの連絡ツールにアプリを利用しているのに欠席連絡は、連絡帳手渡し。不便だと思う」(43歳・総務・人事・事務・女性/子・小2・小6)

連絡帳を託すために近所の家庭に連絡して届けたり、登校班の集合場所に出向いたりするプロセスが保護者の負担となっているケースがありました。

一方、今回のアンケートでは8割超が電話、アプリ、メールなど、対面の必要がない方法で連絡しています。以下の回答のように「コロナ禍がきっかけで連絡方法が変わった」という声も目立っています。

「Webに登録するだけでアプリで学校に連絡できるようになったので、とても助かっている。コロナやインフルエンザなども気になるし、連絡帳をお友達に預けて、持って帰ってきてもらうことに申し訳なさを感じていたので」(40歳・主婦・女性/子・小2・小4)

「以前は連絡帳を近所の子どもに預けていたが、アプリが導入されたことで連絡が簡単になった。コロナの功績だと思っています」(44歳・金融関係・女性/子・小1・小5)

「以前は連絡ノートに休む理由を記載して、近くに住むお友達に学校へ届けてもらっていたが、コロナ禍になり学校へ直接連絡ですむようになり、簡単になった。アプリでも連絡できたらなおよいと思います」(35歳・主婦)

「コロナ前は連絡帳を近所の一緒に登校するお子さんに渡すルールでしたが、コロナ禍から感染リスクを減らすため学校に電話するようになった」(49歳・その他・男性/子・小6)

■電話連絡は「つながりにくい時間がある」との声も…

また、電話連絡の保護者は概ね満足している傾向がある一方で、連絡する時間が定められている場合、その時間に連絡が難しいことがあるという声も聞かれました。

「朝の忙しい時間に学校に電話連絡するのが大変。すぐにつながらないこともあるし、アプリが導入されれば連絡が簡単になり便利だと思う」(42歳・主婦・女性/子・小5)

「学校の先生に連絡がつきやすい時間がちょうど自分の通勤時間にあたるので不便」(52歳・総務・人事・事務・男性/子・小3 ・ 中3)

「学校の先生と電話で話せるので今のままでいいと思う。子供の現状をメールするのは朝からめんどくさい」(38歳・その他・男性/子・小5)

電話対応については、学校側の負担となるケースもあります。文部科学省のホームページでは、学校における働き方改革の一環で、教員の電話対応の負担軽減のためのデジタルツールでの欠席連絡の方法が紹介されており、今後デジタル化が進んで行くと推測されます。

欠席連絡のデジタル化が進んでいる学校の保護者からは「便利になった」という声が集まっていますが、少数ながら以下のような声もありました。

「電話対応は大変だとは思うが、直接話したいこともある」(47歳・主婦・女性/子・小1・欠席時はメール連絡)

「アプリを利用して欠席連絡を簡素化し、時間短縮出来るのはとても楽で便利だが、先生と保護者の関わりがどんどん減り、あまり良くないと思う」(44歳・その他・男性/子・小3・ 小4・小6・中1・欠席時はアプリで連絡)

コロナ禍ということもあり、家族の体調不良時の連絡帳の手渡しに抵抗感があり、アプリやメールでの連絡に対しては、概ね満足の声が寄せられています。

一方、コロナ禍以降、学校行事の縮小・中止が続いており、欠席連絡も含めて学校との接点が減っていることに不安感を抱いている人も見受けられました。

中学校の欠席連絡方法は?現在の方法について感じていることは?

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続いて、中学校の欠席連絡の方法は、以下のような割合でした。


【欠席連絡の方法(中学校)】


連絡帳を近所の児童に託す・・・0%
学校に電話・・・72.9%
連絡帳アプリなどのwebシステム・・・14.3%
学校にメール・・・11.4%
配偶者担当のためわからない・・・1.4%

今回のアンケートでは、中学校になると、“連絡帳を託す”の割合が消滅しています。

「以前は連絡帳を近所の子に預けたり学校に電話を入れたりしていたが、Googleフォームで送信すれば良くなったので連絡が楽になった」(40歳・主婦・女性/子・中1)

「小学校では連絡帳を近所の子に預けていて電話はだめだった。今は電話でいいので他の親とのやり取りや連絡先交換しなくていいので楽になった」(46歳・主婦・女性/子・中3)

このように、中学校では欠席連絡が電話やメールになり、負担が軽減されたと感じている人が見受けられます。一方、電話連絡については、「欠席の多い時期には、連絡すべき時間帯に電話がなかなかつながらない」という声も聞かれました。

「インフルエンザの時期やコロナワクチンの時期は朝、なかなか電話がつながらなくて大変なので、できればアプリなどで連絡できるようにしてほしい」(50歳・主婦・女/子・中3)

「電話をする時に教頭が電話を取ることが多いが、忙しそうなので恐縮する」(61歳・主婦・女性/子・中2)

こうした電話連絡の不便さは、メールやアプリでの連絡に切り替わってからラクになったという声も。

「以前は電話をかけていたが、連絡する時間帯も決められていた。いまはスマホでメール一つ。楽になった」(49歳・公務員・女性/子・中3)

「今年からアプリが導入されるそうなので便利になった」(50歳・主婦 ・女性/子・中3)

一方、少数ではありましたが、欠席連絡のデジタル化について以下のような声もありました。

「Googleフォームに欠席連絡するはずが、不具合多数で学校に電話で連絡する方法に戻ってしまった」(40歳・主婦・女性/子・中1・中3)

「スマホやパソコンの無い家もあるのに何でもメールなどで連絡するのは不快」(67歳・その他・男性/子・中2)

学校現場での運営や、保護者理解の点で、新しい方法への切り替えがうまく進んでいない現場もあるのかもしれません。

 

以上、今回は学校への欠席連絡の方法についてお届けしました。

欠席連絡の方法は、デジタル化・非対面化への切り替えが進んでおり、現在は過渡期にあたる時期といえそうです。

別の学区の保護者と話す機会があったら、欠席連絡の方法について質問してみると“異文化”に触れられるかもしれません。

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