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悩ましい「家庭での性教育」…子育て家庭ではどんなことを教えてる?

皆さんはお子さんの性教育について真剣に考えたこと、ありますか?

家族だと気まずいから、学校で習うから、子どもが自分で学ぶだろうから……と先延ばしにしている方も多いかもしれません。

日常生活の中のありとあらゆる場面に溶け込んでいる“性”の話。「赤ちゃんはどこからくるのか」だけでなく、毎月やってくる生理や、LGBTの話題、時折ニュースで報じられる悲しい事件なども、性と密接につながっていますよね。

とはいえ、どこまで踏み込んで伝えたらいいのかのさじ加減は難しいですし、子育て世代の親が子どもの頃に学校や家庭から具体的、かつ実用的な教育を受けたか……と振り返ってみたら、そうではない方のほうが多いはず。

今回、『kufura』編集部は、20~40代の子育て中の女性に142人にアンケートをとり、家庭においてどんな性教育を実践しているのか、またはこれからしていこうと思っているのか、そのビジョンについて聞いてみました。

まずは、身近な「生理のはなし」からコツコツと

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まず、今回のアンケートで142人中31人が言及していたのが“生理”についての話。

母親やきょうだい、子ども自身に定期的に訪れる生理が、性について考えるキッカケとなることがあるようです。

「4歳くらいから陰部は他の人に簡単に見せないことや、女性は生理があって体調不良や出血があることは教えている。しっかり理解し、私が生理の時も体調を気にかけてくれるので素直に受け取ってくれていると思う」(31歳・主婦)

「生理に関してはナプキンを見られたので6歳の頃に説明した。妊娠などに関しては中高生になってからと考えている」(43歳・その他)

自分の体を自分で守るために教えたい「プライベートゾーン」

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続いては、幼い子どもでもわかりやすい、胸や性器、おしりなど、“プライベートゾーン”の重要性について。むやみに人に見せたり触らせたりせずに大切にしなければならない部分であることを教え、犯罪被害から子どもを守るための心得を伝えているとの声もありました。

「小学校に通い始めてから、痴漢などに注意するよう体のどの部分を触られたらいけないか教える」(35歳・主婦)

「幼稚園ぐらいの頃にプライベートゾーンについて教えるつもり」(36歳・総務・人事・事務)

ママにとって異性だから悩ましい「男の子の性教育」どうする?

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母親にとっては悩ましい男の子の性教育。そこでは、同性であるお父さんを始めとした大人の男性が活躍していました。

「私のところは、男の子なので正直、わからないです。中学生ぐらいに旦那から話してもらおうと思っています」(30歳・主婦)

「13歳の時に父親にお風呂の時間に教えてもらっていた。男同士なので意外にあっさり受け入れていました」(42歳・主婦)

「4歳頃から、お風呂の時に話し始めた。男の子なので、彼の生理現象については、何かきっかけがある都度、サラッと話している。リアクションは『ふうん、そうなんだ』という感じ」(47歳・研究・開発)

男女の体の違いや生殖の仕組みについて、いつ教えた?

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生殖の仕組みや男女の体の構造について教えた年齢は、家庭によってバラつきが見られました。

「5歳のころ、男の子と女の子の違いを聞かれたから教えた。まだよく分かっていなかった」(32歳・主婦)

「3歳ころからちょっとずつ話している。体の違いや役割など。犯罪に繋がらないように知らない人についていかないなど。理解しつつもまだ反応はにぶい」(42歳・主婦)

「小学生になったら生理の話から赤ちゃんがどうやってできるのか教えるつもりです」(27歳・技術職)

「10歳ぐらいで生理が来る時期よりも少し早めに本で説明していきたいなと思う。生理、性生活、妊娠など分かりやすい本を見つけて心の準備をできるようにサポートしていきたい」(32歳・その他)

4割は「(性教育を)していない」「する予定がない」「わからない」と回答

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今回のアンケートで142人中57人と4割超の女性が回答していたのが、性教育について「まだしていない」「する予定がない」「何をしたらいいかわからない」という消極的な内容でした。

その理由としては、以下の回答が寄せられています。

「学校まかせです」(39歳・総務・人事・事務)

「家で教えなくても自然にわかるようになると思う」(38歳・その他)

「特に説明はしていない。彼氏彼女が出来た際に、デキ婚はダメな事ときちんと避妊するようにとは話した」(44歳・主婦)

「特にまだ始めていないが、長男が中学生なのでそろそろ教えなければと思う」(42歳・主婦)

そのほかにも5歳以下の子どもを持つ女性からは「まだ早い」という回答がありました。

もっと教えて欲しかった…18歳の男女の「性教育」への意見

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今回のアンケートでは、「(性教育は)学校でしてくれる」「学校の内容に合わせる」「自然とわかる」という声もありました。しかしながら、日本財団が2018年に行ったセックスにまつわる「18歳意識調査」では、40.9%が「学校の性教育が役立たなかった」と回答しています。

自由回答集では、学校の性教育で具体的な情報、避妊具の装着方法、男女の体の違いについてもっと踏み込んで教えて欲しかったという声が多く見られます。そういう状況もあってか、半数以上がWebサイトから性にまつわる情報を得ていると回答していました。

ところが、残念ながら、インターネットの動画や情報には間違った情報や過激な内容が含まれているばかりか、現実とファンタジーの判断ができない子たちが暴力的・支配的な描写と遭遇してしまう可能性もあります。

だからこそ、しかるべき時期に家庭での性教育で知識を補うことが必要となるのでしょうが、そもそも教え方がわからない……という悩みを抱えている家庭が多いようです。

在宅時間が増えている今だから…

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2人の高学年の小学生男児がいる筆者にとっても性教育は難しい問題です。性教育の初心者である筆者にとって、すごくわかりやすかったのが『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(KADOKAWA)。

親自身が性について学びなおしながら、子どもに指南できる内容となっているので、親子にとってとても有益な内容だと思いました。

そして、小学生男子が抵抗なくよめたのが、男の子の性をテーマとした『マンガ おれたちロケット少年』(子どもの未来社)です。性教育に携わる方から「本棚に置いておくといい」すすめられて、以前購入したものです。

現在、子どもの在宅時間が増え、家族で顔を合わせる時間とインターネットを閲覧する時間が増えています。

子どもが誰かに傷つけられたり、誰かを傷つけたりすることのないよう、性教育の方針について夫婦や家族と話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

【参考】

18歳意識調査「第6回–セックス-」調査報告書 – 公益財団法人 日本財団

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