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知りたい!育児休業給付金のこと【1】基本的な仕組み、支給期間や金額などを詳しく解説

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仕事を持つ親は育児休業を取得できます。ところが、この休業期間中はほとんどの会社で給与が支払われません。その代わり、雇用保険の給付制度が活用でき「育児休業給付金」がもらえます。

そこで今回は、支給期間や受給額など、給付についての基本的な知識を社会保険労務士監修のもとご紹介します。

育児休業給付金の基礎知識~受け取れる期間や条件、金額を知ろう!~

育児休業給付金とは?

育児休業給付金は、育児休業期間中に受給できる雇用保険からの給付です。厚生労働省が推進しており、育児休業の取得や、育児休業終了後の職場復帰をしやすくするため、平成7年4月1日から施行されました。

育児休業中、ママやパパは働けない、かといって会社も働いていない従業員に給料を払い続けることは厳しい――そこで、雇用保険に加入しているママやパパに給付金を支払い、育児休業期間中の生活保障にしてもらう、という制度です。

これにより、被保険者である親は経済的な不安を感じずに育児に集中でき、会社側も負担が軽減されるので、育児休業後の従業員の復帰を受け入れやすくなるわけです。

さらに給付金は非課税で、受給中は被保険者(事業主も)にかかる社会保険料(厚生年金保険・健康保険)も免除されます。育児休業を取る人は申請した方がいい給付金制度といえます。

ただし、一定の条件を満たす必要があります(以下で詳述)。ですからまずは、自分が給付対象者となりえるのかを確認する必要があります。

育児休業給付金の支給期間はいつからいつまで?

基本的な育児休業給付金の支給期間は、女性の場合、産後休業期間(出産日の翌日から8週間)が終了した次の日から、子どもが1歳となった日の前日(具体的には1歳の誕生日の前々日。民法の規定上、誕生日の前日をもって満年齢に達したとみなされるため)までとなっています。

産後休業から引き続いて育児休業を取得する場合、支給期間の開始は出産日から起算して58日目となります。子供が1歳になる前に職場復帰する場合は、復帰日の前日までとなります。また、産後休業期間には支給されませんので、覚えておきましょう。

(厚生労働省『育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて』より)

 

男性は、配偶者の出産日当日から育児休業の取得が可能となります。よって、その日から育児休業を開始した場合は育児休業給付の対象となります。

つまり、ママもパパも給付の対象にはなりますが、支給期間が異なるので注意しましょう。

また、一定の要件を満たした場合は、育児休業取得可能期間を延長できる可能性もあります。期間延長についての詳細は「育児休業給付金とは?【3】」を参照してください。(近日公開予定)

 

育児休業給付金の受給条件は?男性はもちろんパートも受け取れる可能性が!

育児休業給付金は、どんな条件を満たせば受給できるのでしょうか。

まず、給付を申請する人が、1歳未満の子ども(実子でも養子でも可)を養育するために育児休業を取得する、雇用保険の被保険者であることが大前提となります。

ここでいう「育児休業」とは、職場復帰を前提に取得するものをさし、休業取得時に退職が確定している場合は支給されません

さらに、育児休業開始日前の2年間に、11日以上就業している月が12カ月以上あることも条件となります(育児休業の開始日については前項を参照してください)。

前述の通り、女性だけでなく男性はもちろん、パートなどの期間雇用者でも条件をクリアしていれば受給できる可能性があります。ただし、パートなどの期間雇用者の場合、以上に加えてさらに条件があります。

それは、「同一事業主のもとで1年以上雇用が継続していること」と「同一事業主のもとで、原則、子どもが1歳6カ月までの間に、その労働契約が満了することが明らかでないこと」です。

これらの受給資格を満たした被保険者で、育児休業期間中の各1カ月ごとの賃金が、休業開始前の1カ月あたりの賃金の80%未満であること、そして、育児休業期間中の各1カ月ごとに、就業している日数が10日以下である(10日をこえる場合、就業している時間が80時間以下である)ことも定められています。

簡易チェック版!「育児休業給付金」受給条件

  • 雇用保険に加入している
  • 1歳未満の子供の育児のため「育児休業」を取得している
  • 育児休業後、職場復帰をする予定である
  • 男性も受け取れる
  • 期間雇用者(パートなど)も受け取れる可能性がある
  • 育児休業中に支払われた賃金の額が、休業開始時の賃金月額に比べて80%未満である
  • 育児休業期間中の各1カ月ごとに就業している日数が10日以下である

給付金額の計算方法は?いつもの給料の67%がもらえる!

育児休業給付金は、具体的にいくらもらえるのでしょうか? いちばん気になるところですよね。計算方法があるため、自分でも試算できますが、さまざまな条件が設定されているため複雑です。

以下に詳述しますが、わからない場合は、「育休開始日から6か月(180日)間は、働いていたときの支給額の3分の2ぐらいがもらえる」「181日以降は、働いていたときの支給額の半分ぐらいがもらえる」と、おおよそで覚えておきましょう。

各支給単位期間ごとの支給額の計算方法(原則)

休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から6か月後は50%に)
※基本的には、この計算式を覚えておきましょう。

休業期間中に賃金が支払われている場合

  • 賃金が休業開始時賃金月額の 30%(13%)以下の場合
    支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×50%
  • 賃金が休業開始時賃金月額の 30%(13%)超~80%未満の場合
    支給額=休業開始時賃金日額×支給日数の 80%相当額と賃金の差額
  • 賃金が休業開始時賃金月額の 80%以上の場合
    支給されません

なお、支給額には上限と下限があり、それを上回る場合は、減額されたり支給されない場合があります。下回る場合は、下限額になります。支給限度額および最低限度額は、毎年8月1日に変更される場合がありますが、令和2年7月31日までの賃金月額の上限・下限額は以下の通りです。

  • 賃金月額の上限額=45万4,200円
  • 賃金月額の下限額=7万5,000円

では、以下で具体的にシミュレーションしてみましょう。

例えば、休業開始時賃金月額は30万円の場合、その支給額は……

休業期間中に賃金が支払われていない場合

30万円×67%=20万1,000円

賃金が休業開始時賃金月額の 30%(13%)超~80%未満の場合

30万円×80%=24万円

ここから、支払われた賃金額を引いた金額となる。
支払われた額が6万円なら24万円-6万円=18万円

※育児休業給付金の給付率が67%、支給日数が30日である支給単位期間の場合。

 

育児休業給付金は、申請してから受け取れるまで2~3か月程度かかります。また、支給は原則2か月に1回。

例えば、4月1日に出産した場合、8週間後の5月28日から育児休業が開始されます。5月28日〜6月27日と6月28日〜7月27日の2か月分を、7月28日〜9月30日の間に申請できます。

申請期限ギリギリに申請すると、その分支給日が遅くなるので、なるべく早く申請しましょう。

また、育児休業給付金の申請期限は育児休業が始まった日から4か月後の月末まで。これを過ぎると、もらえなくなるので、手続きは遅れないようにしましょう。

 

 

監修/社会保険労務士・井戸美枝

文・構成/嶋田久美子

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【消費税増税に伴う価格表記について】
2019年9月末までの記事内の「税込み価格」につきましては、増税前の税率(8%)での価格となっておりますので、ご了承ください。

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