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娘の生理。経血量と貧血との関係は?【産婦人科医・高尾美穂が教える、今どき生理の基本#10】

実は私たちが、自分の知識で大丈夫?と不安に思っている「生理の基本」や、医学的に正しい、新しい情報を身につけよう!というこの連載。第10回目は、子どもの経血量と貧血についてのおはなし。

今回も、産婦人科医で『あさイチ』などメディアでもおなじみの高尾美穂先生に教えていただきました。

子どもの経血の量、大人と同じ?

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私たちのような大人の女性と、生理が始まって間もない子どもでは、経血量に違いはあるものなのでしょうか。

「初潮を迎えて、生理周期が安定していないときは、前回(娘の生理、周期や日数。知ってますか?これで正常?)お話ししたように、少量の場合もあります。けれど、2〜3年経って周期が安定してきたら、経血量は大人と同じになると考えてよいでしょう。

大人と同じで、経血量に関しては、いちおう“150ml以上は過多月経です”という基準はありますが、出血量が多くて、自分が生活を送るうえで困っているということであれば、過多月経という診断名がつきます。 ですから、辛いなと感じたら、我慢せずに婦人科を受診してくださいね」(高尾先生。以下同)

あくまで自分が“生活しづらいか”が基準に。娘と“生理のとき、困ってることない?”などと日頃からコミュニケーションをとっていくとスムーズかもしれないですね。

生理のある年代の女の子は、貧血傾向に!

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また、過多月経で特に心配なこともあるのだとか!

「過多月経に限らずなのですが、生理のある年代の女の子は貧血傾向にあります。どうしても毎月、出血をしているわけですから、鉄が失われやすいんですね。

子どもの場合は、からだが育ってくる年代=成長期なわけですから、生理以外にも、血(鉄)を必要としているところはあります。 当然ながら、鉄がからだに入ってくる量と出ていく量のバランスが取れていなければ、血が足りなくなり、貧血になります」

遠い記憶ですが、初潮を迎えた頃、朝礼でフラッとしたことを思い出しました。鉄剤を処方されたことも、そういえば、ありました。

貧血かどうかは血液検査でわかる!

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貧血の場合、立ちくらみがするなどの自覚症状があることもありますが、血液検査などしておいた方がいいものでしょうか?

「子どもの様子が気になるようなら、血液検査をしておいてもいいと思いますよ。鉄分は毎月継続的に体外に出ていくわけですし、しかもその量は、一定量ありますから」

子どもが貧血傾向があるかどうかがわかれば、毎日の食事の際に食材の工夫で鉄分を補うなど、対策を講じることもできますよね。

ただkufura世代の、出産後の女性も貧血であることが多いので、ママたちも同様に気にしておいてくださいね。

次回は「子どもの生理痛の対処法、正しいのはどれ?」についてお届けしていきます。

 

イラスト/ Naho Ogawa


 

産婦人科医 高尾美穂

産婦人科専門医であり、婦人科スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック『イーク表参道』副院長。Gyne Yoga主宰。
「すべての女性によりよい未来を」と、TVや雑誌をはじめ、ツイッター(@mippolin78)やstand.fmなどのご自身のメディアにて、正しい知識や知っておくといいことなど、精力的に発信されている。

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