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「口臭を防ぐには?」夜寝る前の歯磨きが特に大事!寝起きのニオイも気にならない【オトナのための歯科相談室#7】

口臭の原因には、歯垢・歯周病、舌苔(ぜったい)、唾液不足……などがあるんだそうです。では、口臭を防ぐにはどのようなことに気をつけたらいいのでしょう? そこで今回も、地域密着型の歯科医院の院長として、お子さんからご高齢の方まで、歯の健康管理と治療を行ってきた歯科医の山本伸彦先生による大人の歯科相談室を開設! 連載7回目は、「口臭を予防するための歯磨き」と、マウスウォッシュの正しい使い方&選び方について教えていただきました。

口臭の原因にはどんなものがあるの? 主な原因はこちら。

夜寝る前の歯磨きが朝の口臭を左右する!

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「一般的な口臭の予防に関しては、まずは口の中をきちっと清潔にすること。特に、夜寝る前の歯磨きは一日の中でいちばん大事ですね」と話すのは歯科医の山本伸彦先生。

唾液には口の中を循環して、歯の表面や歯の間に付いた歯垢や食べカスを洗い流す自浄作用があります。しかし睡眠中は、唾液の分泌量が日中活動しているときに比べて減少するほか、口を開けて寝ている人も多く、口腔内は乾きがち。すると、口の中にいる細菌が殖えて臭いやすくなってしまうのです。

例えば、口の中に汚れが残っていたら、微生物はそれを喜んで分解して、自分たちが住みやすく定着しやすい環境に変えながら、歯や歯周組織を破壊しようとしてしまいます。

ですから、夜寝る前に歯や歯茎をお皿がキュキュッと鳴るのと同じ状態、つまり汚れがない状態に戻してあげる必要があるのです」(以下「」内、山本先生)

口臭を防ぐには、発生の原因になる微生物が働ける場所を減らしてあげることも大切なんですね! どんなに疲れていても、一日の汚れをきちっと落としてから寝るようにしましょう。

朝起きたらすぐに歯を磨くべき?

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寝ている間に菌が繁殖しやすいなら、朝起きたときの口の中はいちばん臭うはず……。やはり、朝起きたらすぐに歯を磨いた方がいいのでしょうか?

「それは昔の習慣です。例えば、お皿は夜洗ったら、朝もう一度洗ったりせずに、そのまま使いますよね? 歯もそれと同じです」

もちろん、口の中の雑菌は殖えていますから、朝イチの歯磨きに意味がないかというと、そんなことはありません。ただ、朝ご飯を食べるのであれば、お皿と一緒で洗うのは使ったあと。食べてから磨けばいいと山本先生は言います。

「朝起きて気持ち悪いなと思ったら、洗口剤(マウスウォッシュ)などでクチュクチュして“ああ、気持ちいい!”でいいと思います。しっかり歯磨きをするのは、朝起きてすぐではなく、夜の最後が正解ですね」

マウスウォッシュの正しい使い方&選び方

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口臭対策に便利なマウスウォッシュ。みなさんは、どのような製品をどんなタイミングで使っているでしょうか?

「寝起きももちろんですが、おすすめは歯磨きのあと。仕上げにプラスオンすると、口の中の衛生状態を高めることができます」

ただし、アルコールや香料が入っているマウスウォッシュは要注意。アルコール配合のマウスウォッシュは、口の中がより乾いてしまううえ、香料の強いマウスウォッシュは、口臭と混ざり合うと何ともいえないニオイに変化してしまうこともあるそうです。

「とはいえ、マウスウォッシュは日常生活で使うものですから、使用感も大事。使い続けられるもの、無理して使わなくていい製品を選んでいただくのがいいのかなと思います。洗濯洗剤の好みとかがあるように、絶対これじゃなきゃということはありません」

 

最近は、ノンアルコールや携帯スプレータイプのマウスウォッシュも出てきていますし、刺激の強さもいろいろ選べます。歯医者さんに相談したり、サンプルを試してみたりして、自分が使いやすいものを探してみましょう。

 

取材・文/清瀧流美

山本伸彦
山本伸彦

やまもと歯科 院長/デンタルネットワーク株式会社代表取締役/歯科医

都立目黒高校卒業後、レストラン勤務を経て、明海大学歯学部入学。1995年、同大学卒業。歯科医師免許を取得。南青山友歯会ユーデンタルクリニック勤務を経て、1999年、やまもと歯科(東京都)開設。2018年、デンタルネットワーク株式会社設立。歯科専門情報サイト「Smile Teeth」を立ち上げ、多くの人に歯科医療に関する正確な情報を提供している。

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