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食べ方の幅が広いのも魅力!高たんぱく低脂質な青魚「あじ」の栄養情報を解説します

あじの名前の由来は、その“味の良さ”からきているともいわれ、塩焼き、フライ、煮物、刺身、干物など、様々な食べ方をされてきました。健康効果の高さで知られる青魚の中でも高たんぱく・低脂肪のあじは、健康と美容にどんな効果をもたらしてくれるのでしょう。管理栄養士が解説します。

あじの栄養情報

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調理方法も様々!

まあじ100gあたりに含まれる栄養素(皮つき/生)

・エネルギー:112kcal
・たんぱく質:19.7g
・脂質:4.5g
・ビタミンB1:0.13mg
・ビタミンB2:0.13mg
・ビタミンB6:0.30mg
・ビタミンD:8.9μg
・カルシウム:66mg
・カリウム:360mg
・EPA:300mg
・DHA:570mg

それぞれの栄養素の働きをみていきましょう。

オメガ3系脂肪酸EPA・DHA

EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系に分類される必須脂肪酸です。必須脂肪酸は人の体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。

EPAは血液をサラサラにする作用や生活習慣病予防に効果があるとされ、研究が続けられています。DHAは人の脳や網膜の構成脂質であり、直接脳内に入って効果を発揮する成分として注目されています。

カルシウムとペアで働くビタミンD

丈夫な骨作りに必須のビタミンD。体内で活性型ビタミンDとなりカルシウムとリンの吸収を促進する、骨の形成には欠かせないビタミンです。ビタミンDが不足していると、たとえカルシウムの摂取量が十分であったとしても、カルシウムの吸収が悪くなってしまいます。

青魚の中でも脂質が低い!

食べる機会の多いほかの魚と比較してみます。青背魚であるさばやいわしと比べても脂質量が大幅に低く、白身魚並みの低脂肪な食材であることが分かります。エネルギー(カロリー)が低いため、ダイエット中の食事にも適しているといえるでしょう。

100gあたりに含まれるエネルギー/たんぱく質/脂質量

  • まあじ:112kcal/19.7g/4.5g
  • まいわし:156kcal/19.2g/9.2g
  • まさば:211kcal/20.6g/16.8g
  • さけ(しろさけ):124kcal/22.3g/4.1g
  • まだい:129kcal/20.6g/5.8g

あじに期待できる効果効能とは?

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生活習慣病の予防にも!健康面の効果

あじに含まれている魚油にはEPAやDHAが多く、血液サラサラ効果や生活習慣病予防、認知症予防などの好影響があるといわれています。

さらに、あじが有している成分で注目したいのがタウリン。タウリンは、コレステロール値の低減、心・肝機能の向上、視力の回復、インスリンの分泌促進、高血圧予防といったさまざまな効果が期待でき、健康の維持に欠かせないと考えられている成分なのです。

あじは健康面においても多くの機能を担っている成分が豊富に含まれているため、日常の食事にぜひ取り入れたいですね。

たんぱく質は美容・健康に欠かせない!

あじは美容面においてもパワーを発揮してくれます。まずたんぱく質含有割合の高さ。

美しい髪や張りのある肌、引き締まった筋肉などはすべてたんぱく質が材料となっており、いかに良質なたんぱく質を効率よく摂れるかが美容のポイントの1つであるといっても過言ではありません。

また、あじは美容に欠かせないカリウムも豊富に含んでいます。カリウムは余分な水分を排泄してむくみをとる作用があるといわれているミネラルです。むくみはそのまま解消されないと体脂肪に変化してしまうといわれ、適量の範囲で積極的に摂りたい栄養素であるといえます。

あじは、調理方法のレパートリが多いことも特徴的。ぜひ様々な料理でおいしくあじを食べて、健康的な食生活に役立てていってください。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

 

【参照】

・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「日本全国お魚事典」山田吉彦著 海竜社
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・「からだにおいしい魚の便利帳 全国お魚マップ&万能レシピ」高橋書店
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」カルシウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」たんぱく質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-044.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」タウリン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-017.html
・水産庁「水産物に含まれる主な機能性成分」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/sankou_6_3.html

(最終参照日2022/5/24)

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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