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夫が「結婚しなければよかった」と思った理由。3位「金銭的な自由がない」を超えたのは…

激動の世の中で、より安定した生活を送るには、仲間と居場所とお金が必要。その3つを得るための一つの手段が“結婚”ではないでしょうか。密に連携してせっせと共同の居場所を作り、外で稼いできたお金でやりくりして支え合う。ある意味、合理的ではあります。

とはいえ、愛情と打算をベースに築かれた夫婦関係の維持は一筋縄ではいきません。時には2人の理想がすれ違ったり、信頼を損ねたり、相手のふるまいに失望したりしながら、簡単に縁を切ることのできない夫婦となったことを後悔することもあるかもしれません。

『kufura』は既婚男女617人(男性382人/女性235人)にアンケートを実施。「結婚しなければよかった」と思った経験の有無や、その理由について聞いてみました。

結果は2回に分けてお送りします。

初回である今回は、男性からの声をお届けします。

男性が「結婚しなければよかった」と感じた理由6~10位は?

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既婚男性382人が回答した「結婚しなければよかった」と思った経験の有無や、その理由として多く寄せられた10の回答をランキング形式でご紹介します。

10位・・・妻が夫の仕事を軽視する(4人)

「仕事をしても当然のように妻子に使われるのが納得いかない」(41歳・営業・販売)

9位・・・夫婦の価値観の不一致(5人)

「意見が合わない」(39歳・その他)

8位・・・夫婦の性格の不一致(7人)

「ストレスがたまる、性格があわないから」(53歳・総務・人事・事務)

同率6位・・・夫婦の金銭感覚の不一致(10人)

「お金に関して、無駄遣いをしているわけではなく、メリハリ(節約するところと投資するところ)が大事だと考えているものの、考え方の相違が目立ってきた」(42歳・ 企画・マーケティング)

6位・・・夫婦げんかをしたとき(10人)

「妻、子どもとケンカしてカッとしたとき。けど、仲直りしたら思わない。妻、子どもが好き」(37歳・技術職)

6~10位は、夫婦間での価値観、性格、金銭感覚の違いがあがっています。

また、配偶者が専業主婦の場合、夫が外で働くことへの敬意や感謝の欠如に失望している声も聞かれました。

続いて、上位5つの回答をご紹介します。

5位:恋愛の自由がない(11人)

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既婚者の“浮気”や“不倫”に厳しい視線が注がれる今、結婚によって恋愛の自由がなくなったことを嘆く声です。

「他の人を好きになったら浮気になるから」(55歳・研究・開発)

「自由恋愛できなくなった」(55歳・公務員)

「女性に声をかけづらくなった」(49歳・会社経営・役員)

明るみになると多くのものを失う可能性がある既婚者の恋愛。ときめきたい、チヤホヤされたい、刺激が欲しい……という悶々とした欲求がチラリと見える回答が目立ちました。

4位:妻の言動を見て(17人)

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17人が回答していたのが妻の言動に失望したという声です。

「妻子に奴隷のように扱われるから」(55歳・その他)

「考え方は違うのは当たり前なのに、折れないこと」(52歳・コンピュータ関連技術職)

「上から目線の態度が許せない」(41歳・その他)

「仕事が忙しい時期に帰りが遅いと妻に愚痴られる」(41歳・研究・開発)

配偶者による愚痴、見下し、罵倒、束縛といった言動が続き、少しずつ結婚生活に疲弊している男性も見られます。女性からの回答も同様に、このような内容が一定数見られました。

3位:金銭的な自由がない(53人)

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7人に1人の男性から聞かれたのが、金銭的な自由を失ったとの声です。

「自由に使えるお金が全くない。にもかかわらず、妻も子どもも父親に対する感謝の気持ちが全くない。家族のためにお金を払うモチベーションがまったくなくなった」(57歳・営業・販売)

「給料が上がった際に自分では使えない現実があったとき」(35歳・コンピュータ関連技術職)

「自分の趣味で使うお金が少なくなったこと。生活でいっぱいお金が掛かる」(31歳・その他)

いったん収入を家計管理者である“妻”が収入を預かり、各用途にお金を振り分けたうえで夫に“小遣い”として再分配する家庭は少なくありません。

自分の稼いできたお金を主体的に使うことのできないことへの不満や、生活を切り盛りするのにお金がかかって余暇や趣味に使うことができなくなったとの声が聞かれました。

2位:行動の制約がある(83人)

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既婚男性からは「自由がない」という声が非常に多く聞かれました。いったいどんな自由を失ったかというと……。

「朝までなかなか飲めなくなった」(39歳・研究・開発)

「休日が拘束されている感覚がある」(43歳・コンピュータ関連技術職)

「あえていえば友達と会う時間が減ったこと」(39歳・コンピュータ関連技術職)

「時間を拘束されすぎて自分の自由な時間が取れない。また独身時代に行っていた趣味もほとんどできなくなってしまった」(59歳・総務・人事・事務)

「好き勝手にパチスロ打てなくなった」(49歳・技術職)

女性からは「子育てで自由にでかけられない」「義実家と同居で自由がない」という“しばしの自由”を求める声が多かったのに対し、男性の場合は、趣味や遊興の自由がないことを嘆く声が目立ちます。

1位:「結婚しなければよかった」と思ったことはない(105人)

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さて、ここまでネガティブな声が続きましたが、最も多かった回答は「結婚生活を後悔した経験がない」という結果となりました。

「愛してるからそんなこと思ったことない」(56歳・総務・人事・事務)

「今のところ結婚しなければよかったと思ったことはない」(43歳・総務・人事・事務)

「マイナスなことがないから結婚しなければよかったと思うことがない」(47歳・営業・販売)

「考えたこともない」(46歳・技術職)

全体の3割でしたが、夫婦間に多少の波風がたっても「結婚しなければよかった」という考えには至らない男性は少なくないようです。

結婚を後悔した理由の実質的な1位は「行動の制約」

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今回は、男性に聞いた「結婚しなければよかった」と感じた理由についてお届けしました。

実質的な1位は、日常生活の自由がないことでした。

家の外に目を向けると、楽しいことがたくさんあって、それらを求めると家庭が窮屈に感じられる……という心理状態に陥りやすいのではないでしょうか。

過去には「人間は自由の刑に処されている」という言葉を残した哲学者もいましたが、手に入っていたかもしれない魅力的な“自由”が可視化された今、この言葉は夫婦関係にも通ずるものがあるようです。

とはいえ、今回のアンケートでは結婚生活に満足している声も多く寄せられています。

終わりのない日常の中で、「結婚してよかった」と「結婚しなければよかった」を振り子のように何度も行ったり来たりしている人は多いのではないでしょうか。

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